キュバン
立方体の形をした炭化水素分子
From Wikipedia, the free encyclopedia
キュバン (英: cubane、中: 立方烷) は、8個の炭素原子が立方体の各頂点に配置され、それぞれの炭素原子に水素原子が1個ずつ結合した構造を持つ炭化水素分子である。分子が立方体の形をしていることからその名がつけられた。分子式はC8H8、IUPAC命名法ではペンタシクロ[4.2.0.02,5.03,8.04,7]オクタン、CAS登録番号は 277-10-1。
|
| |||
| 物質名 | |||
|---|---|---|---|
Pentacyclo[4.2.0.02,5.03,8.04,7]octane | |||
| 識別情報 | |||
3D model (JSmol) |
|||
| ChEBI | |||
| ChemSpider | |||
PubChem CID |
|||
| UNII | |||
CompTox Dashboard (EPA) |
|||
| |||
| |||
| 性質 | |||
| C 8H 8 | |||
| モル質量 | 104.15 g/mol | ||
| 外観 | 無色の結晶性固体 | ||
| 密度 | 1.29 g/cm3 | ||
| 融点 | 133.5 ℃[2] | ||
| 沸点 | 161.6 ℃[2] | ||
| 関連する物質 | |||
| 関連する炭化水素 | クネアン ドデカヘドラン テトラヘドラン プリズマン | ||
| 関連物質 | オクタフルオロキュバン オクタニトロキュバン オクタアザキュバン オクタシラキュバン | ||
性質
無色透明の結晶で、融点130–131 ℃、220 ℃以上で分解する。キュバンはプラトン立体炭化水素の1つで、プリズマン類の一員である。ひずみエネルギーが166 kcal/mol[3]とかなりひずんだ骨格のために、大きなエネルギーを内包している。炭化水素の中でも密度が最大であるため、高密度、高エネルギーの燃料としての有用性が模索されている。
炭素以外にも、炭素族元素であるケイ素やゲルマニウム、スズなどでもキュバン同様の立方体分子が合成されている。ただし、これらの元素同士の結合は酸素などと反応しやすいため、周りを大きな置換基で覆うことにより初めて安定に取り出すことが可能となった。例として、オクタテキシルオクタシラキュバン (octathexyloctasilacubane, Si8(Me2CHCMe2)8) がある[4]。
合成
用途
キュバンの8個の水素原子をすべてニトロ化したオクタニトロキュバンは現在理論的に考えられる最強の爆薬であるとされるが、現段階ではその合成にはかなりのコストと手間がかかるため、実用的ではない。
キュバンはベンゼンの生物学的等価体としての活用が可能だとされている[6]。



