ギメルリング
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意匠と象徴
ギメルリングには様々なデザインがある。ダイヤモンドやルビーを組み込んだり、エナメルによる彩色やフープに彫刻的な装飾を施したもの、また結婚にまつわるモットーを刻印したもの[3]などである。


ベゼルに宝石の代わりに握り合う手のモチーフを配した、フェデリング(Fede ring)のモチーフを取り入れたタイプも登場した。
2つのリングを重ねると、ベゼルで手を握り合うように組み合わせることができる。フェデのモチーフとギメルリングの構造が組み合わさることで、「神聖な婚姻の誓い」を視覚的に表現したものとして広く普及した。
また特徴的な例として、ベゼルに細工された蓋が開き、それぞれの指輪に中に乳児と骸骨の像が入っている指輪がある[3]。これは「生まれてから死ぬまで一体である」や「生の始まりと終わり、富の儚さ」など「メメント・モリ」を象徴する意匠である。17世紀に入ってからも、これら2つのタイプの指輪は長期間制作されている。
ギメルリングは2つの指輪が対になったデザインが一般的だが、三連や四連のものも存在する[4]。
逸話

宗教改革者ルターが妻のボーラに送った結婚指輪[注 1]も一種のギメルリングであった[5]。
ルターの友人だったルーカス・クラナッハ(父)によるデザインで、指輪の腕の部分には磔刑されたキリスト像などの装飾が施され、ベゼルにはルビーがセッテイングされている。内側の指輪と外側の指輪を分離することができる入れ子構造になっており、内側の指輪にはボーラとルターの名前が刻印されている。
この入れ子構造は一般的な重ね合わせるタイプのギメルリングとは異なる特殊な形である。
この指輪はドイツ・ライプツィヒ市博物館(Stadtgeschichtliches Museum Leipzig)に収蔵されており、マルティン・ルターとボーラの結婚500周年を記念して、2025年5月27日から2025年8月10日までアウグステウム・ヴィッテンベルクで開催された展覧会「Buchstäblich Luther. Facetten eines Reformators(文字通りのルター:改革者の多面性)」で公開された[6]。
