クモハゼ

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クモハゼ

クモハゼ (雲鯊、Bathygobius fuscus) は、太平洋インド洋潮間帯に生息するクモハゼ属英語版ハゼの一。第1背びれを縁取る黄色い帯が特徴[1]和名は体側に状の模様を持つことに因む[2]

最大で全長10センチメートル[3][2]から12センチメートル[4]で、標準体長の3割ほどが頭部によって占められる[5]。頭部は縦偏、体幹は側編し[5]、典型的なハゼの体形を持つ[2]。体の前方(第1背びれより前)と腹部は円鱗、それ以外は櫛鱗によって覆われる[5]

第1背びれの上部は太い黄色の帯に縁取られ、その下には黒褐色の帯がある[3]。体側面の中央から下部には黒色斑が並ぶ[3]。体色は周辺の環境に応じて変化する[6]

に比べて大型で[6]、体色が濃く[2]、臀びれが高い[6]。大きく複雑な精嚢を持つ[6]

分布

インド洋および太平洋に広く分布するが、ハワイにはいない[4]日本では千葉県沿岸・若狭湾を北限として与那国島まで分布し、小笠原諸島八丈島にも生息する[3]

生態

河口域や岩礁性海岸、サンゴ礁に生息し、2メートルより浅い潮間帯の砂泥底や潮溜まりに見られる[3]。最大寿命は満4年以上と推定されている[6]エビカニカイアシ類端脚類ヒザラガイ類巻貝類を食べる[6]。18ミリメートル以下の仔稚魚はカイアシ類を主な餌としているが、成魚がカイアシ類のなかでも匍匐性のものを食べるのに対して、仔稚魚は浮遊性のものを食べている[6]

繁殖

雌雄異体[7]九州沿岸での調査によれば、繁殖期は6月から9月[6][8]産卵半月周性の周期で行われる[9]。 産卵場所は砂泥上の石の下面[6]、岩に開いた穴や割れ目、死んだマガキの殻[9]。雄は巣穴に留まり、近くに来た雌に求愛する。雌が求愛を受けて巣穴に入ると、さらに求愛行動が行われたのちに、産卵が起こる[9]。産卵後、雄は孵化するまでの間、巣穴の入り口に留まって卵を保護し、同種や他種の動物を追い払うが、卵保護中に他の雌と再び繁殖することもある[9]

その一方で、自らは産卵場所を占有しないスニーカー雄は、他の雄の巣穴の近くに隠れ、雌が産卵を始めると巣穴に入り込んで卵を受精させる[9]。スニーカーは産卵場所を占有する雄に比べて小さい傾向にあるが、精巣はより大きく発達する[10]。産卵場所を持つ雄はスニーカーを追い払うが、スニーカーは他のスニーカーが追い払われている隙や、雄が巣穴の中に入った直後などに、侵入に成功することが多い[10]。大きいスニーカーほど巣穴に近い場所で機会を待つので、より侵入に成功しやすい。一方で侵入したスニーカーは巣穴の持ち主によって追い出されることになるが、小さいスニーカーほど長い時間追い出されずに留まる傾向にある[10]。繁殖期の後半に大型の雄が少なくなると、それまでスニーカーだった小型の雄も空いた巣穴を占有することが多くなる[9]

卵は太い棍棒状の沈性付着卵で、長径は約1.8ミリメートル、短径は約0.35ミリメートル[6]。水温摂氏23度から27度では約65時間で孵化し、孵化直後の仔魚は全長約2.3ミリメートル[6]。仔魚は、後部の背側と腹側の両方に黒色胞が並ぶのが特徴[6]

発音

クモハゼは咽頭歯をこすり合わせて出す唸り声のような音(グラント音)と、口腔内に水を流入させて出すポンというパルス音の2種類の音を出す[11]。グラント音は求愛に使われ、繁殖期にしか聞かれない[11]。パルス音も繁殖期に多く発せられるが、こちらは個体間での威嚇や攻撃の際に用いられる[11]

核型

分類

参考文献

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