クラインフェルター症候群
性分化疾患に分類される一連の症候群
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原因
疫学
症状
性分化異常ではあるが、外性器・内性器共に男性型である(小睾丸・小ペニスはある)[13]。
本症によくもしくは時々見られる臨床症状(学習障害、長い腕と脚、小さな精巣、無精子症による不妊症など[5][10])の原因は大まかには以下の要因による。
- 精母細胞の早期死滅による性腺機能不全
- 精母細胞は精子になるための減数分裂を行うが、本症ではこれができずに胎生期から精母細胞が死滅し、成人になるころには無精子症になっていることが多い[14]。無精子症は10~15%が染色体異常が原因だが、その9割以上がクラインフェルター症候群である[15]。

テストステロンの分泌不全のせいで乳房が発達している
- SHOX遺伝子の過剰による高身長化
- SHOX遺伝子はX・Y染色体の短腕に存在して身長を伸ばす効果があるが、不活性化から外れる擬似常染色体領域にあるのでこれが通常の1.5倍以上ある本症では高身長になりやすい。
これらはすべての本症に見られるわけではなく、例として女性化乳房は約50%に見られる[17]程度で、第二次性徴自体は正常に起こる方が多い[18]。
また、本症の知能は一般原則として正常の範囲だが、軽度の精神発達遅滞や学習障害を伴うことがあり、過剰なX染色体が多いほどこの程度が激しくなる[14][19]。ので、IQが平均より10~15ほど低くなるともされるが大人しい性格(引っ込み思案・恥ずかしがり・未熟・慎重など)と見られることが多い[17]。
生殖器やそのホルモン関連と知能以外では耐糖能異常[18]あるいは糖尿病(4 - 39%ほど[20])、慢性肺疾患、静脈瘤、甲状腺機能低下症、乳がん、下腿潰瘍、鬱滞性皮膚炎[21]を発症しやすい傾向があるとされ、過剰なX染色体が多いほど障害の傾向も強い[5]。認知機能や言語機能の遅れ[20]、社会的スキルや感情のコントロールの脆弱性や高い攻撃性が指摘されている[22]。
治療
クラインフェルター症候群に限らず、原発性性腺機能低下症は精巣機能の回復が期待できないので男性ホルモンの補充を行い、これで二次性徴や勃起能が回復する。ただし精子形成はこの方法で回復しない[16]。
無精子症については絶対的な男性不妊と考えられていたが、XYとXXYのモザイクの場合、睾丸内のXY細胞の数が多ければ特に受精に問題は生じない。非モザイク型の場合でも患者の精巣内に少量の精子が存在することがあり[23]、精巣内精子採取術(TESE)[24]、顕微鏡下精巣内精子採取術[25]によって精子回収が可能(TESEで50~70%の症例で回収可能[18]、顕微鏡下精巣内精子採取術で25%ほど可能[23]だったという。)になったため、十分な遺伝カウンセリングの後、生殖補助技術(人工授精など)により子供を得ることが可能な場合もある。
女性化乳房が見られる場合は一過性の場合はそのままでもよいが、持続するときは手術する[26]。
注釈
- 典型例は「XXY(47,XXY)」だが「XXXY(48,XXXY)」「XXXXY」「XXYY」などやこれらのモザイク型(46,XY/47,XXYなど)もクラインフェルター症候群になる。
- 正式名は pseudo autsomal region。
- テストステロン分泌不全が胎児期に起こると生殖器の奇形を起こす((中尾2009)p.377)が、本症ではY染色体のSRY遺伝子は正常(欠損の場合は別の症例になる)なので、この時点では問題が起きず性器は男性型で特に異常は認められない。((高橋2010)p.272「症状」)
- 全体的に大きいのではなく四肢が長くなる、具体的には通常の成人は身長と指極(両手を伸ばした時の指の先端)がほぼ等しいが、本症では身長より指極が長くなる。((医学情報研究所2018)p.71「Klinefelter症候群の身体所見」)
