ケビン・マクロード
From Wikipedia, the free encyclopedia
ケビン・マクロード(英:Kevin MacLeod、1972年 - )は、アメリカの作曲家及び音楽プロデューサーである。ニューヨーク・タイムズで「恐らく最も名を聞いたことがない作曲家」と語られており[1]、2,000曲のロイヤリティフリーの曲を作曲し、クリエイティブ・コモンズの著作権ライセンスの下で提供している。2014年2月3日にリリースされた「Monkeys Spinning Monkeys」は、TikTokで最も再生され、2021年1月~6月の間で316億回再生された[2][3]。
ケビンの曲は誰でも利用可能且つ無料なため、数多くの映画・ゲーム・YouTubeなどで使用されている。例として、マーティン・スコセッシの2011年の映画「ヒューゴの不思議な発明」や、コンピューターゲーム「Kerbal Space Program」が挙げられる。2017年からは、国際宇宙ステーションのライブ配信「Earth From Space」にも使用されている。2020年にはケビンのキャリアを取材したドキュメンタリー「Royalty Free: The Music of Kevin MacLeod」が公開された。
1972年、グリーンベイに生まれる[4]。幼い頃からピアノのレッスンを始めており、「4歳程の年齢でピアノを習い始めた」と語っている[5]。大学に入学し、電気工学を専攻し始めるが、化学の必修科目が嫌いになり、わずか一ヵ月で音楽教育へと専攻を変更した[5]。
ケビンは大学を卒業せずに、インターネット・バブルの時期に短期間だけプログラマーとして働いていた。ケビンにはマルチメディア業界で働く同僚がおり、その同僚が音楽を探す事で苦労していたので、ケビンが作曲した曲をネット上(特にYouTube)に投稿を始めた[5]。この間に、彼は「Incompetech.com」というサイトを開設しており、当初は広告収益を伴う、方眼紙のPDFを生成するサイトであった[6][7]。
キャリア
ケビンは作曲家、音楽プロデューサーであり[8]、ニューヨーク・タイムズのジャーナリスト、グレン・ケニーはケビンを「恐らく最も名を聞いたことがない作曲家だろう、しかし彼の曲はきっと聞いた事があるだろう」と述べられている[1]。さらにケニーはケビンを「デジタル音楽の制作、配信における先駆者」とも評しており、批評家ジャスティン・カートは、ケビンを「ロイヤリティ・ミュージックの世界で、ちょっとした伝説となっている」と語っている[5]。
1998年1月1日から、ケビンはロイヤリティフリーの曲を彼自身が開設したサイト「Incompetech.com」に投稿しており、これはどのような用途でも、曲を誰でも使用できるようになっている[9]。ケビンの曲は無料で使用する事が出来るが、クリエイティブ・コモンズの著作権ライセンスに従い[10]、クレジット表記をする必要がある[6]。また、クレジット表記をしたくなければ、曲を使用する側が料金を払う事も可能であり[6]、1曲で30ドル、2曲で50ドル、そして3曲以上で20ドルとなっている[10]。ケビンは音楽配信サービスで広告収益を得ているが、それ以外はPatreonを通じた寄付が中心になっている[6]。ケビンのサイトのFAQで、ケビンが現在の著作権制度に対する不満を語っており、ケビンは「著作権に縛られた作品と競合できる他の作品群」を作る事を考えている[11]。2011年9月12日には、ケビンは国際標準レコーディングコードを、彼自身の曲に割り当てる事が可能になった[12]。
ケビンの曲は誰でも利用可能なため、数多くの映画、YouTubeの動画、ウェブサイトに使用されている[13]。2017年からは、国際宇宙ステーションのライブ配信「Earth From Space」にケビンの曲が使用されている[14]。ケビンの曲は、マーティン・スコセッシの2011年の映画「ヒューゴの不思議な冒険」、ポルノ映画にまで使用されている[1]。また、コンピューターゲーム「Kerbal Space Program」にも使用されている[15]。2014年2月3日にリリースされた「Monkeys Spinning Monkeys」は、TikTokで最も再生され、2021年1月~6月には316億回再生された[2]>[3]。第81回ゴールデングローブ賞でウィル・フェレルとクリステン・ウィグが受賞した際、ケビンの2010年の曲「Fluffing a Duck」を使用し[16]、注目を集め、ケビン自身にも注目が集まった[5][17]。
ケビンは「FreePD.com」というサイトも開設し、そこでは様々なアーティストのパブリック・ドメインの音源が収集されている。ケビンは著作権が切れる事を待つよりも、パブリック・ドメインの曲をリリースしている人々による、録音された作品を集めたライブラリを提供したいと考えている[18]。いくつかのケビンの曲は当ウェブサイトでも公開されている。ケビンはこれらの楽曲について、「商業面では価値がなく、サイト上で雑然さを引き起こし、ユーザーの欲しい曲を見つける事を妨げる。」と語っている[19]。最近では、ケビンはSuno AIで新曲を作っている[20]。
ドキュメンタリー
ケビンを取材したドキュメンタリー「Royalty Free: The Music of Kevin MacLeod」は、2020年10月に公開された[21]。この映画ではディレクターとプロデューサーがKickstarterで3万ドルを目標額とする、資金調達のキャンペーンをした。キャンペーン終了までに、524人の支援者から合計金額30,608ドルが集まった[22]。Kickstarterによれば、その金額は当映画のインタビュー出演者に会うための交通費のためだったと言う[22]。このドキュメンタリーは、批評家から高評価を得ている[23]。