ラグランジュの定理による方法
以下の命題が、陰関数のラグランジュの定理(英語版)である[4][6]。
ラグランジュの定理 ― 1点
a を囲む単一閉曲線
C および
C で囲まれた領域を
D とし、領域
D で正則な関数
g(
z) を考える。また、
z の関数

の
C 上の最小値を

とする。

であれば、

を満足する
z が
D 内でただ1つ定まり、それを

と書くと、

は

で

の正則関数である。このとき、
D 内で正則な関数
f(
z) に対して、

が成立する。
ラグランジュの定理は、逆関数や陰関数を冪級数で求める際に使われる[6]。ケプラー方程式の場合、
として、この定理を適用すると、

が得られる[4]。
が小さいときに適用可能である。
ベッセル関数による展開の方法
もう1つの方法は、ベッセル関数による展開の方法である。この方法は
が大きい場合でも適用可能である。
ケプラーの方程式は、以下の並進で不変であるという特徴を持っている
[7]。

また、
であるから、これを逐次代入すると

により、
は
の周期関数で、かつ
の奇関数であることがわかる
[8]。
したがって、
を
によって以下のようにフーリエ展開できる[8]。

フーリエ係数
はフーリエ展開の一般論により、

で与えられる[8]。上式の右辺は

と変形できるから、部分積分して
![{\displaystyle -{\frac {2}{n\pi }}{\Big [}e\sin E\cos nM{\Big ]}_{M=0}^{M=\pi }+{\frac {2}{n\pi }}\int _{0}^{\pi }dM{\frac {ed\sin E}{dM}}\cdot \cos nM}](//wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/1dd0c234cdf436ad367f5efe45cd4ad45e9d7fd6)
である[8]。第1項の表面項は消えることと、第2項に元のケプラーの方程式を代入して、

を得る[8]。上式の第2項はコサイン関数の周期性により消える。
第1項に元のケプラーの方程式を代入すると

を得る[8]。ここで、 n 次のベッセル関数の積分表示の1つ[9]

を用いると、
に等しいことがわかるので、結局、

が厳密解であることがわかる[8][10]。
別ルートによって同じ結果にたどり着くことも可能である。ケプラーの方程式を微分して[4]、

ただし、最初の式の2番目の等号では、 E も M も周期関数(周期
)であることを用いて
フーリエ展開した[4]。よって、積分すると、

となって、同じ結果が得られた[4]。