コアセルベート

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コアセルベート:coacervate)とは、水溶液の液-液相分離(LLPS)によって生じる、濃厚な高分子水溶液の液滴である。希薄な溶液に分散した形で生成する。コアセルベートを生成する相分離のことをコアセルベーション (coacervation) という。コアセルベートと周囲の希薄相は熱平衡にあり、がなくとも安定した区画として存在できる。

コアセルベートという用語は、1929年オランダ化学者ヘンドリック・G・ブンゲンベルク・デ・ヨングとヒューゴ・R・クルイトが親液性コロイド分散液を研究中に作った造語でである[1][2]ラテン語coacervatio に由来し、「集合体」や「塊」という意味をもつ。生化学者オパーリンによる提唱[3]以来、生命の起源や進化に重要な役割を果たしたとする説がある。

コアセルベートは疎水性相互作用によって形状が維持されており、浸透圧を有する。のようなものがからの反発によって集まった有機物の小球と言える。

親水コロイド水溶液に水和作用を低下させるような物質を加えると、コロイド粒子の周辺だけに液層分子への親和力が発生し、離れた液層分子には親和力が発揮されない。例えば、ゼラチン液にアルコール類を加えるとコアセルベートが生成する(単純コアセルベート)。

また、コアセルベートは複数の親水コロイド水溶液の混合や親水コロイド溶液への沈殿剤投入によっても発生する。例えば、温度やpHを適当に調整した緩衝液にゼラチン水溶液とアラビアゴム水溶液を滴下すると生成する。このとき、コロイドと液層は帯電の正負が互いに異なる(複合コアセルベート)。

他、親水コロイド溶液と疎水コロイド溶液の混合などによっても生成する。

物質のミクロカプセル化が行えることから感圧紙の製造に応用されており、染料や創薬への応用も検討されている(ミクロスフィア)。

生命の起源説

脚注

関連項目

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