コレクティブ
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「コレクティブ」は分野により用法が異なるが、共通して、複数の人間が何らかの共有された目的や関心のもとで結びつくことを示す語である[2]。社会的・政治的文脈では、集団としての行動や責任を意味する語として用いられ、文化・芸術の領域では、制作や企画運営を共同で行う組織やネットワークを指すことがある[2][3]。
現代美術では、特にアーティスト・コレクティブの意味で用いられることが多い。Tateはこれを、共通の目的を達成するためにともに活動するアーティストの集団と説明しており、ニューヨーク近代美術館(MoMA)は一つの名のもとで活動する一組または複数のアーティストと整理している[3][4]。日本語圏でもアートグループと近い意味で使われるが、近年は、より流動的で協働性を重視した実践を含意する語として用いられることがある[5][6]。
一般的意味
美術におけるコレクティブ
美術分野におけるコレクティブは、一般にアーティスト・コレクティブを意味する[3][4]。これは、複数の美術家が単一名義または緩やかな連帯のもとで、制作、展覧会企画、調査、出版、教育活動、地域実践などを共同で行う集合体である[3][6]。
日本語ではアートグループとほぼ同義に用いられることもあるが、artscapeは、コレクティブという語がグループに比べて、より有機的で流動的な集団形成や協働作業の重要性を含意すると説明している[5]。廣田緑もまた、現代のアート・コレクティヴについて、複数のアーティストが組織を形成し、社会との直接的な関わりを持ちながら、展覧会場内の作品に限られないプロジェクトやワークショップなどを展開すると論じている[6]。
歴史
複数の芸術家が集団を形成して活動する実践そのものは新しい現象ではなく、近現代美術史の各時代に見られる[5]。ただし、近年「コレクティブ」という語が改めて強く意識される背景には、インターネットの普及、グローバリゼーションの進展、情報や人的ネットワークの共有の容易化、さらに新自由主義的な労働環境のもとで個人単位ではなく集合的に資源や知識を共有する必要が高まったことがあるとされる[5][6]。
21世紀の現代美術では、コレクティブは国際美術展や美術館制度のなかでも存在感を増している。2021年のターナー賞では候補者がすべてコレクティブで占められ、2022年のドクメンタ第15回展ではインドネシアのコレクティブルアンルパが芸術監督を務めた[7][8][5]。