コレマンアブラバチ
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コレマンアブラバチ(Aphidius colemani)
コレマンアブラバチは、ハチ目(膜翅目)ヒメバチ上科コマユバチ科アブラバチ亜科に属する寄生蜂である。主にワタアブラムシやモモアカアブラムシなどの小型アブラムシ類に寄生し、施設園芸を中心とした生物的防除に利用されている。
成虫の体長は約2〜3 mmと小型で、体色は黒褐色を呈する。外見上は他のアブラバチ類と類似しており、形態のみでの種判別は困難な場合が多い。
主な特徴
生態と寄生
雌成虫はアブラムシに接近し、産卵管を用いて体内に1個の卵を産み付ける。孵化した幼虫は寄主の体内で発育し、最終的に寄主を死亡させる。死亡したアブラムシは光沢のある薄褐色の「マミー(mummy)」と呼ばれる状態となり、その内部で蛹化した後、成虫が脱出孔を開けて羽化する。
25 ℃前後の条件下では、産卵から羽化までの期間はおよそ13日前後と報告されている。雌成虫は比較的多産であり、条件によっては多数のアブラムシに寄生することが知られている。
利用と防除
本種はアブラムシ類の天敵として、ヨーロッパを中心に施設園芸分野で実用化され、特にオランダの温室栽培において普及した。日本では1998年に農薬登録され、以後、施設野菜や花卉栽培において生物的防除資材として利用されている。
市販製剤はボトル製剤として供給され、施設内に放飼される。近年では、ムギ類などに代替寄主アブラムシを維持する「バンカー法」と組み合わせることで、施設内での定着性を高める手法も用いられている。
研究と位置づけ
本種は化学農薬に対して抵抗性を示すアブラムシ類に対しても有効性が報告されており、環境保全型農業や有機農業における天敵昆虫の一つとして位置づけられている。一方で、大型のヒゲナガアブラムシ類には寄生しにくいことが知られており、その場合には他のアブラバチ類との併用が検討される。
注意点
大型のヒゲナガアブラムシ類には寄生できないほか、殺虫剤との併用時には薬剤感受性への配慮が必要である。放飼時は施設内温湿度や光環境を安定させ、寄主の発生初期に導入することが推奨されている。