コンプトン・ジェネレーターの回転により生じる流速と地球の自転から受けるコリオリの力の関係を導出する。ここで地球の自転の角速度
として、緯度
の地表に南方向に
軸、東方向に
軸、天上方向に
軸として固定した運動座標系をとる。地球の自転の角速度成分
は、以下の関係になる。

次にリング内の水に生じるコリオリの力を考える。リングを円周方向に
軸からの角
部分の小片に生じるコリオリの力
について考える。リングの半径
とし、リング管の内径は
に対して十分に小さいとする。
ここでリングをy軸回り(東西方向を回転軸)に、角
、角速度
で回転した状態を考える。ただしリングは水平(0度)から180度反転される。このとき、リングの角
部分の小片の位置ベクトル
は、以下のようになる。

また小片の速度ベクトル
は、
を時間微分し、以下のようになる。

と
の外積を求めると、

以上から、小片の水の質量
に働くコリオリの力
は

ここで、リングの中心を原点とする極座標でコリオリの力
を考えると、リングの周の接線方向に働く力成分
、動径方向に働く力成分
とすると、


コリオリ力によって発生する水流は、
によって生じることから


![{\displaystyle {\begin{aligned}F_{\theta tot}&=\int _{0}^{2\pi }F_{\theta }d\theta \\&=-2\Delta m\int _{0}^{2\pi }R\omega {\dot {\phi }}\cos ^{2}\theta \cos(\lambda +\phi )d\theta \\&=-2\Delta mR\omega {\dot {\phi }}\cos(\lambda +\phi )\left[{\frac {1}{2}}\theta +{\frac {1}{4}}\sin 2\theta \right]_{0}^{2\pi }\\&=-2\pi \Delta mR\omega {\dot {\phi }}\cos(\lambda +\phi )\end{aligned}}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/07f7ccfe2e30fa24b8bd72a27d113b7f342174f6)
リングの角
における小片の運動量
と力
の関係は以下のようになる。

また、

以上から、リング面を水平位置から180度回転したときのリング内の水に生じる運動量
は

リング管の中の流体の全質量を
とすると

リング管の中の水の運動量
と水流の速度
は運動量の定義から

一方、リング面を水平位置から180度回転したとき、水は非圧縮でありリング内の水はすべて同じ流速度で流れると仮定する。従って、リング内の水流の速度
の理論値は、以下の式で求めることができる。

リング面を垂直位置から、東西方向に回転軸をとり、リングを180度回転したときの水流の速度
は、水平面からの反転と同様の手順で求めると、以下のようになる。ただし地球の自転の角速度
、緯度
、リングの半径
である。

理論式に従うと、東京(北緯35.0度)で半径50cmのコンプトン・ジェネレーターを水平から180度反転させて流速を測定すると、0.04 mm/s(分速2.5mm)となる。
コンプトンによる実験では、測定値が理論値から3%以内に収まったことが報告されている。
理論式から明らかなように、実験装置のリング管内の流速より、実験した場所の緯度を計算で求めることも可能である[11]。逆に、実験装置を設置した位置の緯度がわかっていれば、地球の自転速度を求めることができる[11]。