ゴクラクチョウカ属
From Wikipedia, the free encyclopedia
ゴクラクチョウカ属(ゴクラクチョウカぞく、学名:Strelitzia、極楽鳥花属)は、単子葉植物のゴクラクチョウカ科の属の一つ。ゴクラクチョウカ属は、すべてが南アフリカ共和国を中心とした南アフリカの固有種であり、5種が確認されている。園芸では学名のカタカナ表記そのままストレリチアやストレチアということも多い。漢字では極楽鳥花と表記する。
| ゴクラクチョウカ属 | |||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ゴクラクチョウカ Strelitzia reginae | |||||||||||||||||||||
| 分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
| タイプ種 | |||||||||||||||||||||
| Strelitzia reginae | |||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||
| bird of paradise | |||||||||||||||||||||
| 下位分類群 | |||||||||||||||||||||
|


特徴
ショウガ目のバショウやバナナに近縁の常緑性の多年草で、花は鳥の頭のような形をしている。単に鳥に似ているだけでなく、鳥に花粉を運んでもらう鳥媒花であり、花蜜食のタイヨウチョウが重要な媒介者である。ストレリチアの花弁の青は鳥には鮮明に見え、硬いために止まり木の役割を果たしており、鳥が着陸するとその重みで花弁が開き、中の雄しべが飛び出し、鳥が蜜を吸う際にお腹や脚に花粉が付着する仕組みである。鳥を満足させる必要があるため蜜は大量に入っている。ストレリチアの花の赤やオレンジ、青といった鮮やかな色や、白のコントラストは、視覚が非常に発達した鳥を引き寄せる。逆に、鳥の嗅覚は鋭くないため、虫媒花と違い香りはほとんどない。また、葉が美しいため観葉植物として栽培される。英語圏では一般的にバード(オブ)パラダイスと呼ばれることが多い。学名の「ストレリチア」は、植物愛好家であったジョージ3世の王妃シャーロットの旧姓である、ドイツ貴族のメクレンバーグ=ストレリッツ家(Mecklenburg-Strelitz)に由来している。 1773年、当時の王立植物園(キュー園)の園長だったサー・ジョセフ・バンクスが、南アフリカから持ち帰られたこの新しい植物に、植物学のパトロンでもあった王妃の名を献名した。種名も多くが王族に由来している。[1]
主な種
- ゴクラクチョウカ(S. reginae、ストレリチア・レギネ、極楽鳥花)
- 花の色はオレンジと青。室内でも花を咲かせるので観葉植物として人気がある。園芸で極楽鳥花という場合は、本種を指すことが多い。レギネはラテン語で「王妃の」という意味で、学名は「ストレリッツ家の王妃の(花)」となる。
- ルリゴクラクチョウカ(S. nicolai、ストレリチア・ニコライ、瑠璃極楽鳥花、流通名:オーガスタ)
- ストレリチア属では最も大型で、最も樹姿や葉が近縁のバナナに似ている。自生地では樹高が12m、樹幅は4m、葉は長さ60cm〜120cm、幅60cm〜80cmに達する。大型のショウガ目によくみられるように、成長と共に葉が風圧を逃がすために葉脈に沿って裂ける構造になっている。花の色は白と濃い青(紫)。長期間育つと、茎が立ち上がり、ゴクラクチョウカ科のタビビトノキ(Ravenala madagascariensis)のような姿になるため、タビビトノキモドキとも呼ばれる。大型で耐陰性が比較的あり初心者でも枯らしにくいため観葉植物として人気があるが、花は樹高2~3mにならないと付かないので室内で見ることは極めて難しい。また、花が咲くまではアルバと見分けることが難しいため、1850年代に本種の存在が判明するまで、両種は共にオーガスタ(S. augusta)とされていた。
- 園芸ではアルバの旧名であるオーガスタで流通しているが、これはシロゴクラクチョウカやオーガスタの商品名で、実際はアルバより圧倒的に成長が早く繁殖も容易なニコライが販売されていたためである。英語圏での呼称はgiant white bird of paradiseが最も一般的で、原産地の文脈でNatal Wild Bananaと呼ばれることもある。
- シロゴクラクチョウカ(S. alba、ストレリチア・アルバ、白極楽鳥花、シノニム:S. augusta )
- 樹高は10m程度にまで成長する。古い茎は木質化し、葉痕を持ち、しばしば吸枝を生ずる。年月を経た葉は葉脈に沿って引き裂かれる傾向にある。花は真っ白で春頃に見られる。観葉植物の段階ではニコライと酷似しており、樹高2~3mになり花が咲くまで判別は困難である。生長が遅く育成も難しいため、日本ではほぼ流通しておらず非常に珍しい。旧名のオーガスタ(S. augusta)は、1792年にスウェーデンのツンベルク(日本植物学の父とも呼ばれる人物)が白い花のストレリチアに命名したものだが、1782年にスウェーデンの植物学者リネー(子リネー)が、Strelitzia alba(ストレリチア・アルバ)を自著に記載していたのが判明したため、1903年にドイツの植物学者クルト・ポリーによる分類の見直しによって、オーガスタ(S. augusta)はシロゴクラクチョウカ(S. alba)の同義語(シノニム)となり、種名として使わない旧名となった。タビビトノキ(オウギバショウ)の通称もオーガスタであったため混同されることがある[2]。オーガスタはヘッセン=カッセル家のオーガスタ王女(シャーロット王妃の義理の娘にあたる人物)に由来するとされる。正名のアルバは植物界では白い花によく使われる種名で、ラテン語で「白」の意味の「albus(アルブス)」が由来である。
- ストレリチア・ノンリーフ、ストレリチア・ユンケア(S. juncea)
- 葉の葉身に該当する部分が小さい、又は全く見えなくなっている。アルバに非常によく似ており、変種とされる。