ボストンは前作の発表とツアーの後、新作の制作が遅々として進まないことに業を煮やしたエピック・レコードとの法廷闘争に突入し、活動を一旦停止した。リーダーのトム・ショルツはスローペースながら楽曲制作を続け、法廷闘争が決着しMCAレコードへ移籍した1986年、ようやく本作を発表した。
レコーディングメンバーは、ショルツ(全楽器)、ブラッド・デルプ(全ボーカル)以外は前作及び前々作『幻想飛行』と変わり、ジム・マスデア(ドラム)、ギャリー・ピール(ギター)が参加した。ギターの録音ではショルツ自身が開発したエフェクター「ロックマン」が活躍している。前作と前々作同様、「ノー・シンセサイザー、ノー・コンピューター」のクレジットがある。
前述の経緯ゆえ各曲の作曲時期はまちまちであり、例えば「アマンダ」は1980年の作である。前作同様のポップでメロディアスかつ広がりのあるハードロック路線であるが、「アマンダ」をはじめとしてミドルテンポの落ち着いた曲が目立つ。ショルツが学生時代を過ごした1960年代後半の「愛と自由と平和を信じた青春時代」を懐古する「ホリーアン」は非常に感傷的である。