ザ・ストーリー・オブ・アディドン
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「ザ・ストーリー・オブ・アディドン」(The Story of Adidon)は、アメリカのラッパー、プシャ・Tによるディストラック。彼と同じGOOD Music所属のカニエ・ウェストと、カナダのラッパー、ドレイクとのビーフ中にリリースされた。2018年5月29日にSoundCloudで公開され、ドレイクの「Duppy Freestyle」に対するアンサー曲として制作された。
本作は、ジェイ・Zの「The Story of O.J.」のインストゥルメンタルを使用しており、プロデュースはNo I.D.。ニーナ・シモンの「Four Women」をサンプリングしている。「The Story of Adidon」では、プシャ・Tがドレイクの息子アドニスの存在を公に明かし、ドレイクが息子を世間から隠しながら黒人文化を商業的利益のために利用していると非難している。カバーアートには、2007年にドレイクがブラックフェイス姿で写っている写真が使用されている。
本作は批評家から高く評価され、プシャ・Tのリリシズムと恐れ知らずの姿勢が称賛された。複数の出版物が2018年のベストソングの一つに挙げており、史上最高のディストラックのひとつとも見なされている。ドレイクは2018年6月にリリースしたアルバム『Scorpion』で父親であることを認めたが、本作には直接反応せず、2019年にプシャ・Tとのビーフに敗北したことを認めている。
2018年5月25日、プシャ・Tはカニエ・ウェストがプロデュースした3枚目のスタジオ・アルバム『Daytona』をリリースした。アルバムの最後のトラック「Infrared」には、ドレイクがゴーストライターを使用していることを示唆する内容が含まれていた。これに対してドレイクは数時間後、プシャ・Tとカニエを侮辱するディストラック「Duppy Freestyle」をリリースし、大きなメディアの注目を集めた[1]。プシャ・Tは同日、Twitterで最初の反応を示した[2]。
その4日後に「ザ・ストーリー・オブ・アディドン」がリリースされた[3]。ドレイクは、カニエがプシャ・Tに自分自身が父親であることを伝えたのだと考えていた[4]。しかしプシャ・Tはこれを否定し、父親であることを知ったのはOVO Soundのプロデューサー、40からだと述べている[5]。
曲の構成
このディストラックで、プシャ・Tはジェイ・Zの2017年の楽曲「The Story of O.J.」(13枚目のスタジオ・アルバム『4:44』収録)のインストゥルメンタルの上でラップしている。この曲自体、ニーナ・シモンの「Four Women」をサンプリングしたものである[6][7]。「ザ・ストーリー・オブ・アディドン」でプシャ・Tは、ドレイクがフランスの元ポルノ女優ソフィー・ブルソーとの間にアドニスという子供をもうけていたことを公に明かした[8]。また、ドレイクの人種に関する自意識を攻撃し、ドレイクの盟友でもあるプロデューサー、40が多発性硬化症の影響で虚弱に見えることを嘲笑している。曲名「Adidon」は、当時ドレイクがアディダスとのコラボが噂されていたこと由来している。アディダスとのコラボ発表と同時に息子アドニスの存在を公に出す予定だったことにかけている。Adidonは「Adidas」と「Adonis」を組み合わせた造語である[9][10]。
一か月の憶測の後、ドレイクは自身の5枚目のアルバム『Scorpion』の歌詞でブルソーとの間に子供がいることを認めたした[7][11]。しかし、「ザ・ストーリー・オブ・アディドン」には直接反応せず、2019年12月にプシャ・Tとのビーフに敗北したことを認めている[12]。
アートワーク
カバーアートには、2007年にDavid Leyesが撮影したドレイクのブラックフェイス写真が使用されている。ドレイクはこの写真について、「かつてアフリカ系アメリカ人がエンターテインメントで不当な描かれ方をしていたことを表している」とコメントし、その当時のフラストレーションは今も変わっていないと述べている[13]。
批評家の反応
このトラックは、物議を醸したにもかかわらず批評家から高く評価された。『ピッチフォーク』は「ザ・ストーリー・オブ・アディドン」をその週の Best New Track に選び、2018年のベストソング31位にランク付けした[14][6]。
Noiseyは本作を 年間最優秀曲 に選出し、[15]『コンプレックス』は年間ベストソングの5位にランク付け、[16]特に1番のヴァースを「2018年の最高のラップヴァース」と称賛した[17]。『タンパベイ・タイムズ』は本作を「2018年のベスト50ソング」の10位にランク付けし、[18]『ピッチフォーク』はこれを「三次元チェスの一手であり、同時に容赦ない一撃」と表現した[6]。『ザ・ニューヨーカー』 のドリーン・セント・フェリックスは、プシャ・Tのリリックを「ホラー映画の精神科医のようで、患者を掘り下げた上で、その根深い病理を患者に不利なように利用するかのようだ」と評している[7]。
| 出版物 | リスト名 | 年 | 順位 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| Billboard | 史上最も痛烈なヒップホップ・ディストラック15曲 | 2024 | 2nd | [19] |
| Complex | 史上最高のヒップホップ・ディストラック50曲 | 7th | [20] | |
| The Ringer | 史上最高のディストラックランキング | 5th | [21] | |
| HipHopDX | ヒップホップ史上最高のディストラック100曲 | 6th | [22] | |