シネストロ・コァ・ウォー
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ガイ・ガードナー
ジョン・スチュワート
カイル・レイナー
シネストロ
デイブ・ギボンズ
ピーター・トマシ
ロン・マーズ
アラン・バーネット
| "シネストロ・コァ・ウォー Sinestro Corps War" | |||
|---|---|---|---|
| 出版社 | DC Comics | ||
| 出版日 | 2007年1月 – 12月 | ||
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| 主要キャラ | ハル・ジョーダン ガイ・ガードナー ジョン・スチュワート カイル・レイナー シネストロ | ||
| 製作者 | |||
| ライター | ジェフ・ジョーンズ デイブ・ギボンズ ピーター・トマシ ロン・マーズ アラン・バーネット | ||
| アーティスト | イーサン・ヴァン・スカイヴァ― アイヴァン・ライス | ||
| ペンシラー | パトリック・グリーソン | ||
| インカー | プレンティス・ロリンズ | ||
| Volume 1 (hardcover) | ISBN 1-4012-1650-1 | ||
| Volume 2 (hardcover) | ISBN 1401218008 | ||
| Volume 1 (paperback) | ISBN 1401218709 | ||
| Volume 2 (paperback) | ISBN 1401220363 | ||
| Complete edition | ISBN 1401233015 | ||
| Tales of the Sinestro Corps (hardcover) | ISBN 1401218016 | ||
| Tales of the Sinestro Corps (paperback) | ISBN 1401223265 | ||
『シネストロ・コァ・ウォー』 (Sinestro Corps War) とは、DCコミックス社が2007年に行ったコミックブックのクロスオーバーである。原作はジェフ・ジョーンズとデイヴ・ギボンズ、作画はアイヴァン・ライス、パトリック・グリーソン、イーサン・ヴァン・スカイヴァーによる。全11話のメインストーリーは主として『グリーンランタン』(以下『GL』)誌および『グリーンランタン・コア』(以下『GLC』)誌上で2007年6月から12月にかけて展開された[1]。またこの期間に『テールズ・オブ・ザ・シネストロ・コァ』(以下『テールズ』)と題した単発号が計4号出されたほか、『ブルービートル』誌でタイインが行われた。2018年には日本語版単行本全2巻が刊行された。
物語の中心となるのは、二つのコァ[† 1]が繰り広げる宇宙を股にかけた戦いである。一方のグリーンランタン・コァは汎宇宙的な警察組織で、着用者の意志を力に変えるパワーリングを授けられたグリーンランタンからなる。ハル・ジョーダンを始めとする地球のランタンたちの活躍によりコァは一時の危機を脱しつつあった。他方で、かつて優秀なランタンであったシネストロは、イエロー・パワーリングで武装した軍団シネストロ・コァを結成し、恐怖をもって宇宙を統治しようとする。このストーリーは1986年にアラン・ムーアが短編作品で提示したテーマをもとにしている。作中では多くのキャラクターが事件の余波を受けて(死や復活も含む)大きく変化した。
『シネストロ・コァ・ウォー』に対する批評家やファンの評価は非常に高かった。多くのレビュアーは本作を同年のコミックブックの首位に挙げ、第1話は2008年のアイズナー賞(ペンシラー・インカー部門)にノミネートされた。また売り上げ面でも好調で、いくつかの号は増刷された。本作は三部作の第二部であり、2005年のミニシリーズ『グリーンランタン:リバース』から続くものである。第三部『ブラッケスト・ナイト (Blackest Night)』は2009年に刊行された。
あらすじ
『グリーンランタン:リバース』において敗北を喫したシネストロが反物質宇宙の惑星クワード (Qward) に撤退するところで物語は幕を開ける。シネストロは全宇宙に探索の手を伸ばし、「敵に恐怖を植えつける」能力に優れた者を集めてシネストロ・コァを結成する[2]。隊員はそれぞれ、グリーンランタンの制式装備であるパワーリングを模したイエロー・パワーリングを与えられた。その中には恐怖の化身パララックスや復活したアンチモニターさえも含まれていた。シネストロ・コァはグリーンランタン・コァのみならず、正宇宙に対して全面的な攻撃を開始する[1]。
シネストロ・コァはグリーンランタンの本拠地である惑星オアを急襲して多大な損害を与え、収監されていたスーパーマン・プライムとサイボーグ・スーパーマンを解放する。カイル・レイナーは捕えられ、クワードに転送される。シネストロはレイナーから共生体イオンを分離し、代わりにパララックスを憑依させる[2]。ハル・ジョーダン、ジョン・スチュワート、ガイ・ガードナーの3人はレイナーの救出を計画するが、逆に罠にかかってクワードに転移させられる[3]。ジョーダンは単身でレイナー/パララックスと対峙するが、別のグループ「ロスト・ランタンズ」がそこを急襲し、犠牲者を出しながらもジョーダンとともに地下通路へ逃れる[4]。彼らは「クライシス」の首魁アンチモニターと遭遇して衝撃を受けるが、イオンやスチュワート、ガードナーとの合流を果たし、一丸となって正宇宙へと脱出する。ジョーダンらはジャスティス・リーグにアンチモニターの再来を伝えるため地球に向かう。
シネストロ・コァは全宇宙に展開し、各セクターのグリーンランタンに襲撃を仕掛ける。ランタン隊の中核をなす惑星生命体モゴは戦闘の焦点となり、防衛に就いた古参兵キロウォグは多くのルーキーを抱えて苦戦する。この事態に対処するため、グリーンランタン・コァを統括するガーディアンズは聖なる書物「オアの書」の改変に踏み切る。反対したガーディアンのガンセットとセイドはオアから追放される。「オアの書」から不吉な「漆黒の夜」の預言は削除され、代わりに10か条の新しい法が書き加えられた。その第1条はシネストロ・コァへの致死力の行使を許可するものであった。勢いづいたモゴ防衛隊は、新人ソダム・ヤットの活躍もあって敵を撃退する。次の標的は惑星オアかと思われたが、シネストロ・コァは新造された惑星兵器ウォーワールドにセントラル・パワー・バッテリーを設置して拠点とし、地球に進路を取る[5]。ハル・ジョーダンはシネストロの計画をグリーンランタン・コアに伝える[6]。
グリーンランタンとシネストロ・コァ隊員は地球各地で戦いを繰り広げる。地球のランタンたちの活躍により寄生体パララックスはレイナーから切り離され、ガンセットとセイドによってパワー・バッテリーに封印された[7]。ガンセットたちはジョン・スチュワートとガイ・ガードナーに「漆黒の夜」の預言を明かす。緑と黄色に加えて、それぞれ異なる感情を象徴する5つの色を帯びた新たなコァが出現する。必然的に「光の戦争」が始まり、すべてのコァが互いを滅ぼし合う中で「漆黒の夜」が到来するというのだった[8]。
ガーディアンズが地球に到来し、新人ランタンのソダム・ヤットを新たなイオンに任じる。いつまでも続くかと思われたニューヨークの決戦は、地球のヒーローと結束したランタン隊の数の力により、シネストロ・コァの敗北に終わる。ガーディアンの一人が命を捨ててスーパーマン・プライムを別の平行世界に放逐し、スカーと呼ばれるガーディアンがアンチモニターによって重傷を負わされる中、ハル・ジョーダンとカイル・レイナーはシネストロを捕縛する。この戦闘で440人に上るランタンが命を落としたことが明かされる[9]。
ガーディアンズは新しい法の第2の条文を発効させることを決める。「漆黒の夜」の預言が実現しつつあると気づいたガンセットとセイドは、宇宙に希望を伝える新たなコァを設置しようと考え、希望を力に変える青のパワーリングを託す相手を求めて旅立つ。アンチモニターは決戦のただなかに宇宙の虚空へと吹き飛ばされ、暗黒の惑星にたどり着いていた。そこで何者かがアンチモニターに接触し、ブラック・パワー・バッテリーへと生まれ変わらせた[8]。
登場人物
地球のグリーンランタン
- ハル・ジョーダン (Hal Jordan)
- カイル・レイナー (Kyle Rayner)
- ガイ・ガードナー (Guy Gardner)
- ジョン・スチュワート (John Stewart)
- ガイ・ガードナーの代理要員から正ランタンの地位に上った。冷静沈着な性格の建築家[10]。
グリーンランタン・コァ
- キロウォグ (Kilowog)
- モゴ (Mogo)
- 自我を持った惑星のグリーンランタン。持ち主を失ったパワーリングを新たな適格者の下に導く役割を持つ、コァ存続の要[13]。
- ソラニク・ナトゥ (Soranik Natu)
- コルガー人の新人ランタン。シネストロと関わりがある。本来は医師だが、政治的に混乱したコルガーにおいて英雄の役を期待されている[14]。
- ソダム・ヤット (Sodam Yat)
- 際立った優秀さを見せる新人ランタン。モゴの防衛にあたる。
- アリシア・ラァブ (Arisia Rrab)
- 古株ランタン。金色の肌と尖った耳を持つヒューマノイド。モゴ防衛戦において新人のソダム・ヤットをサポートする。
- キハーン (Ke'Haan)
- ジョーダン/パララックスによる殺戮を生き延びた「ロスト・ランタンズ」の一人[11]。イオン救出の使命を帯びて惑星クワードに潜入する。
- イオン (Ion)
- 「グリーンランタンの守護天使」と呼ばれる[12]。グリーンランタンと共生して強大な力を与える存在。
ガーディアンズ・オブ・ザ・ユニバース
- ガンセット (Ganthet)
- 厳格な法によってコァを統括するガーディアンズの一人だが、例外的に人間の感情に理解を見せる[10]。地球のランタンたちに希望を見出している。
- セイド (Sayd)
- ガンセットと行動を共にする女性ガーディアン。
シネストロ・コァ
- サール・シネストロ (Sinestro)
- アンチモニター (Anti-Monitor)
- 反物質宇宙の支配者。「クライシス」事件では多くの平行世界に破滅をもたらした。
- パララックス (Parallax)
- サイボーグスーパーマン (Cyborg Superman)
- 本名ハンク・ヘンショウ。宇宙線事故の結果、機械に意識を移すことで死ねない存在となった。自己の消滅を願ってアンチモニターに従う[17]。
- スーパーボーイ・プライム (Superboy-Prime)
- グリーンランタン・コァによって収監されていた、別の平行世界から来たスーパーマン。
- 考える都市ランクス (Ranx the Sentient City)
- 自我を持つ都市惑星。惑星モゴの攻撃にあたる。
- アモン・サー (Amon Sur)
- 元グリーンランタン。亡き父アビン・サーからパワーリングを受け継いだハル・ジョーダンに憎しみを抱く[11]。
本作で起きた変化
前年のDCでは、作中の時間を1年間先に進める企画「ワン・イヤー・レイター」が行われていたため、シネストロ・コァの存在は先行して何度も言及されてきたが、実際に登場したのは本作が初めてである。自らの名を冠した軍団を率いることになったシネストロは、ナチス・ドイツの指導者アドルフ・ヒトラーを思わせるキャラクターへと発展した[18]。グリーンランタンの敵であったスーパーボーイ・プライム、サイボーグ・スーパーマン、マンハンターズらはシネストロ・コァの隊員となった。『クライシス・オン・インフィニット・アース』(1986年)以来の復活となるアンチモニターは、シネストロ・コァの「ガーディアン」役を務め、後にはブラックランタン隊のパワー・バッテリーになった[19]。スーパーボーイ・プライムは本作の中でスーパーマン・プライムと改名した。表向きの理由は作中で成人したためだが、ジェフ・ジョーンズによれば、「スーパーボーイ」というキャラクター名の使用権に関する訴訟問題があったことも理由の一つである[20]。
ヒーロー側にも変化があった。カイル・レイナーに代わって精神共生体イオンの依代となったソダム・ヤットは、ジョーンズによると「宇宙最強のグリーンランタン」となった[21]。「オアの書」はガーディアンズによって改訂され、グリーンランタン・コァに関する法が新しく10か条追加された。最初の項目はシネストロ・コァに対しては致死力の行使を許可するというものである[20]。ジェフ・ジョーンズは『GL』誌上で、一時は焼け野原となったコースト・シティが「恐怖を知らない街」として再建される過程を書いてきたが、本作ではそれが、ハル・ジョーダンが自身の再誕を受容する過程と重ね合わされた[21]。単行本第2巻において、当初の構想ではジョン・スチュワートとガイ・ガードナーもパララックスに憑依される予定だったことが明かされ、二人がハル・ジョーダンと対決するイラストレーションが収録された。しかしジェフ・ジョーンズは、それではカイル・レイナーをパララックスにしたことの効果が弱まってしまうと考え、刊行前に問題の箇所を修正した。
『GL』第25号では「感情スペクトラム」の設定が詳しく解説され、グリーンランタン隊やシネストロ・コァと組織構成を同じくする各色のコァが五つ導入された。全部で七つのコァは、それぞれ虹の7色で表される感情から力を引き出す(赤は怒り、オレンジは貪欲、黄色は恐怖、緑は意志力、青は希望、藍はあわれみ、紫は愛)。本作の中では、ガーディアンズ・オブ・ザ・ユニバースから追放されたガンセットとセイドが希望を表す青のコァを創設しようとする。一方でアンチモニターは八つ目のコァ「ブラックランタン隊」のパワー源となる。黒は死と「活力や感情の欠如」を象徴している[19]。同号はまた、2009年のイベント「ブラッケスト・ナイト」の伏線でもある[21]。「ブラッケスト・ナイト」の制作は2007年の初頭にはすでに始まっていた[19]。