ショート動画依存症

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ショート動画依存症(ショートどうがいぞんしょう・: Short video addiction)とは数十秒から数分程度のショート動画を毎日見続けてしまい、やめたいけどやめられない依存状態ショートビデオ依存症ショート動画中毒とも言われる。

ショート動画依存症は、正式な病名でないが、様々な研究が進んでおり脳に悪影響があると言われていることから、ショート動画依存症と言われ始めた。短時間で強い刺激が連続して入ってくるため、脳の報酬系(ドーパミン)が何度も刺激される。動画サイトのアルゴリズムにより好みの動画ばかり流れてくるように最適化されるため、当たり状態が続き辞め時が見つからなくなる。ギャンブルをしている状態と同じである[1]

ショート動画依存の問題点

ショート動画のメリットは得たい情報を短時間で情報を得られたりできる一方多くの問題点がある。

集中力・学業成績が低下

中国の研究チームがショート動画共有プラットフォームの使用と学業成績の関連性を調べたところ、ショート動画共有プラットフォームの使用時間が長い子どもほど学業成績が低いという結果が出たと発表。また注意力にも負の相関があり、長時間見ている人は学業課題に集中し続けるのが困難であった[2]

感受性・情報処理速度の低下

学術誌の『NeuroImage』に掲載。ショート動画依存の心理的・神経学的影響を調査研究。結果、感受性の低下が見られた。 ショート動画への依存は、損失回避性(失う痛みを強く感じる性質)を弱める。損失回避性は本来、意思決定でリスクを避ける重要な働きを持つ。しかし感受性が低下すると、結果を十分に考えない衝動的な選択が増える。研究でも、依存度が高いほど損失への鈍感さが強まる傾向が確認された。そのためリスクが高くても、報酬を優先しやすくなる。さらに楔前部の活動低下により熟考が弱まり、危険を見落としやすくなる[3]

また研究チームはドリフト拡散モデル(Drift Diffusion Model)を使い「ドリフト率(証拠処理の速さ)」を測定。結果、情報処理速度の低下が見られた。ドリフト率が高いほど迅速で、かつ自信をもって結論に達し、低いほど思考が遅く複雑になるが、ショート動画依存が強い被験者は、このドリフト率が著しく低かった。つまり証拠の蓄積が遅く、意思決定が非効率になりやすい。この傾向は楔前部の活動低下としても確認された。その結果、集中や熟考が弱まり、単純な判断でも負担が増える[3]

認知機能の低下・精神衛生の悪化

オーストラリアのグリフィス大学の研究チームはショート動画に関連する71件の研究成果を包括的に分析した。結果、ショート動画アプリの使用は認知機能の低下と関連していた。特に注意力や衝動抑制の低下と強く結びついていた。また、ストレスや不安の増加といった精神衛生状態の悪化も関連が見られた[4]

脳が壊れる

脳科学者の榊氏によると、ショート動画の視聴は、ほぼ脳を使わない受動的な行為でありながら短時間で簡単に刺激(報酬)が得られるため、他のネット上のコンテンツと比べても飛びぬけて依存性が高い。しかし脳は使わないと衰え、機能低下が起こる。特に思考や記憶、言語を話す力など前頭前野の低下は大きなリスクとなる[5]

成長途上の子どもの脳が最も壊れる

動画形成AIの登場で「イタリアンブレインロット」等、より刺激が強いショート動画が作られるようになり、子供たちの間でもバズっている。脳科学者の榊氏によると、本来は学習などで脳に負荷をかけ、成長させる時期にショート動画を見続けてしまうと思考力、言語能力、コミュニケーション能力の発達に深刻な悪影響を及ぼす可能性がある。一度衰えた前頭前野の機能は、視聴時間を減らしたり辞めたとしても100%戻るとは限らないという[5]

ショート動画依存が強い人は愛着不安が原因

中国の研究チームは、愛着不安、見捨てられ不安が強い人ほどショート動画への依存傾向が強いと発表。背景には、注意を切り替えたり集中を保つ力(注意制御力)の弱さが関係している。さらに、自分の感情を把握・表現しにくい傾向(失感情症)も影響していると示された[6]

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脚注

関連項目

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