ジョアン・ハリス
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出生〜処女作出版
祖父母が営む菓子屋で生まれた。両親は2人とも研究者で、地元のグラマースクールで現代語と文学を教えていた。英語を話せないブルトン人家系と、フランス語を話せないヨークシャーの家系の間に生まれ、ハリスは当初フランス語で育てられた。
『グリム童話』やシャルル・ペロー、北欧神話、地元に伝わる伝承の影響で、早い時期から自分も書くようになる[1]。
地元の6年制カレッジであるウェイクフィールド女子高校に通い、ケンブリッジ大学セント・キャサリンズ校で現代語と中世語を学んだ。会計士になるもうまくいかず、その時期のことを「テリー・ギリアムの映画で罠にかかっているみたいだった」と述べている[2]。シェフィールド大学で教員資格を取り、ヨークシャーの私立男子校リーズ・グラマー・スクールで約15年間現代語を教えたり、フランス文学や映画の講義をした。教職時代に執筆作業に取りかかり、専業作家となり職を辞する前に『ショコラ』など3作品を出版した。
ベストセラー作家へ
1989年に出版された処女作"The Evil Seed" はある程度の成功を収め、第2作"Sleep, Pale Sister" ではホラーテイストから文学性の高い怪談へとスタイルを確立させた。1999年、フランスのジェールを舞台とした第3作『ショコラ』は、『サンデー・タイムズ』のベストセラーリストで1位になった。同作はクリエイティブ・フリーダム賞を受賞したほか、ウィットブレッド賞(現・コスタ賞)小説部門の最終候補作となった。アメリカの映画プロデューサー、デイヴィッド・ブラウンが映画化権を買い、ミラマックスによりジュリエット・ビノシュとジョニー・デップ主演で映画化された。この映画における興業的な成功により、ハリスの名がより認知されるようになり、イギリス国内で記録を開始して以降100万部を達成した作家グループ「ミリオネア・クラブ」に4人しかいない女性のうちの1人となった[3]。
これを機にハリスの作品は全て国内でベストセラーになった。その後は、『ショコラ』の主人公ヴィアンヌが登場するシリーズ作品"The Lollipop Shoes" と"Peaches for Monsieur le Curé" を執筆したり、フレンチの料理本を出したり、短編集2冊、心理スリラー『紳士たちの遊戯』、"Blueeyedboy" などを出版した。2007年8月、北欧神話にインスピレーションを得た万人向けのファンタジー小説"Runemarks" を出版。2011年には続編"Runelight" が刊行され、ヴィアンヌ・シリーズのファンをも取り込んだ。北欧神話をテーマとしたこの"The Gospel of Loki" シリーズの新作は2014年2月に刊行された。このシリーズは、ロキの視点から見たアースガルズの神々の興亡が描かれる。
作品のテーマ
ハリスの作品にはテーマが似通っているものがいくつかあり、例えばアイデンティティの問題、母子の関係性、食に対する思い、日々の出来事の中にある不思議な出来事やホラー、コミュニティにいるアウトサイダー、信仰と迷信、小さな喜びなどである。ハリスは、文学という観点から性差別に対抗すると常々述べており、作中で女性蔑視者に対して批判的な態度を見せている。