ジョスリン・ベル・バーネル
イギリスの天体物理学者
From Wikipedia, the free encyclopedia
スーザン・ジョスリン・ベル=バーネル DBE FRS FRSE FRAS FInstP(英語: Susan Jocelyn Bell Burnell, 旧姓:Susan Jocelyn Bell, 1943年7月15日 - )は、イギリスの天体物理学者である。アントニー・ヒューイッシュの下でパルサーを発見した。
Jocelyn Bell Burnell ジョスリン・ベル・バーネル | |
|---|---|
|
ジョスリン・ベル・バーネル(2009) | |
| 生誕 |
Susan Jocelyn Bell 1943年7月15日(83歳) |
| 国籍 |
|
| 研究分野 | 天体物理学 |
| 研究機関 |
バース大学 ケンブリッジ大学 グラスゴー大学 オープン大学 オックスフォード大学 サウサンプトン大学 ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン |
| 出身校 |
グラスゴー大学 ケンブリッジ大学 |
| 博士論文 | The Measurement of radio source diameters using a diffraction method (1968) |
| 博士課程指導教員 | アントニー・ヒューイッシュ |
| 主な業績 | パルサーの発見 |
| 主な受賞歴 |
ロイヤル・メダル(2015) 王立天文学会ゴールドメダル(2021) コプリ・メダル(2021) |
| 公式サイト |
www2 |
| プロジェクト:人物伝 | |
略歴

1965年グラスゴー大学理学士。1967年にケンブリッジ大学大学院生時代にヒューイッシュらとクエーサーの観測するための電波望遠鏡の観測データのなかに非常に早く規則的に変化する電波信号を見つけた[1][2]。天文学的には異常に短い周期である電波の、宇宙人からの通信ではないかとも思われた電波源には「緑の小人 (Little Green Man)」[4]を意味する「LGM-1」(現・PSR B1919+21)の名が与えられたが、後に高速で回転する中性子星「CP 1919」が電波源であることがわかった。
パルサー発見の論文は5人による共著[1]で、ヒューイッシュ[7]が最初でベルが2番目だった。ヒューイッシュはマーティン・ライルとノーベル物理学賞を共同受賞したが、パルサーの信号に最初に気づいたベル[8]は受賞できなかった[9]。選から漏れたことに対して、フレッド・ホイル [10]を含む多くの天文学者が異議を唱えた[11][12][注 1]。なお、ライルとヒューイッシュの1974年度ノーベル物理学賞の受賞理由としてスウェーデン王立科学アカデミーは「電波天体物理学の先駆的研究」を挙げ、ライルに関しては「開口合成技術の開発」、ヒューイッシュに関しては「パルサーの発見における決定的役割」としている[14][15]。
1969年にケンブリッジ大学でPh.D.を取得し、サザンプトン大学指導教員(1970年 - 1973年)、ロンドン大学ムラード宇宙科学研究所研究員(1974年 - 1982年)、エディンバラ王立天文台研究員(1982年 - 1991年)、オープン大学物理学講座教授(1991年 - 2001年)、プリンストン大学客員教授、バース大学理学部長 兼 教授(2001年 - 2004年)を務めた。
2002年から2004年までイギリス天文学会会長、2008年から2010年まで英国物理学会会長を歴任、2011年初めには後任のマーシャル・ストーンハム会長の急死を受け会長代行を務める。現在はオックスフォード大学客員教授 兼 マンスフィールド・カレッジフェローを務める。2003年王立協会フェロー選出。
1968年に結婚し1男を儲けるも、1993年に離婚。
BBCスコットランドはベル・バーネルに「20世紀科学界への最大の貢献をした」人物のひとりに列した[16]。
ブレイクスルー財団より2018年の基礎物理学ブレイクスルー賞特別賞の授与が伝わると、ベル・バーネルは賞金230万ポンドは全額を寄付し、女性や少数民族、難民の学生が物理学研究者になる道を開くよう、基金を設立して管理は英国物理学会の部署に託すと発表した[17][18]。現在、「ベル・バーネル大学院奨学金基金」として運用されている[19][20]。
受賞歴
- マイケルソンメダル(フランクリン協会:1973年、フィラデルフィア)ヒューイッシュと共同受賞[21][22]
- ロバート・オッペンハイマー記念賞(マイアミ大学 理論研究センター:1978年)[23][24]
- ベアトリス・ティンズリー賞(アメリカ天文学会:1986年)[25]
- ハーシェル・メダル(王立天文学会:1989年)[26]
- ジャンスキー賞(アメリカ国立電波天文台:1995年)[27]
- マゼラン特別賞(アメリカ哲学協会:2000年)[28][注 2]
- マイケル・ファラデー賞(王立協会:2010年)
- Grote Reber Medal(国際電波科学連合、イスタンブル大会:2011年)[29]
- ロイヤル・メダル(王立協会:2015年)[30]
- 年間女性賞(Prudential Lifetime Achievement Award:2015年)[31]
- 英国物理学会会長賞(英国物理学会:2017年)[32]
- 基礎物理学ブレイクスルー賞特別賞(ブレイクスルー財団:2018年)[33]
- グランドメダル(フランス科学アカデミー:2018年)[34]
- 王立天文学会ゴールドメダル(王立天文学会:2021年)[35]
- コプリ・メダル(王立協会:2021年)
- カール・シュヴァルツシルト・メダル(ドイツ天文協会:2021年)
- ジュール・ジャンサン賞(フランス天文協会:2022年)
- リヒトマイヤー記念賞(アメリカ物理学教師協会:2023年)
栄誉
科学アカデミー会員
- ロンドン王立協会フェロー(FRS:2003年)[41]
- ロイヤル・アイリッシュ・アカデミー・フェロー(2012)
- アメリカ哲学協会会員(2016)
- アメリカ芸術科学アカデミー会員(2018)
- エディンバラ王立協会フェロー(FRSE:2004年)[42]
- アメリカ天文学会フェロー(2020)
注釈
- マゼラン特別賞は1786年創設以来、ナビゲーション分野の偉大な功績を顕彰。2008年時点で初代ベンジャミン・フランクリンを含む33人のみ受賞。