ジョージ=グラショウ模型
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標準模型で3つに分かれているゲージ群 SU(3)×SU(2)×U(1) が、この模型では標準模型のゲージ群を部分群にもつより大きな一つのゲージ群 SU(5) へと埋め込まれる。 この模型のシナリオは、高いエネルギー・スケールにおいてSU(5) が標準模型のゲージ群へと自発的に破れると考える。 SU(5) が破れるこのエネルギー・スケールは GUT スケールと呼ばれる。
ゲージ群がより大きなものへと統合されるのに併せて、それに対応したゲージ粒子が導入される。 新たに導入されるゲージ粒子はXボソンとYボソンと呼ばれ、これらが関わる相互作用により陽子崩壊が予言される。 陽子崩壊の観測による陽子の寿命は、この模型が予言する寿命よりも長いため、この模型がそのままでは正しくないことが示されている。 しかし、この模型を指針として、より大きなゲージ群 SO(10) や超対称性を導入するなど、陽子の寿命がより長い模型が提案されている。
標準模型の埋め込み
SU(5) を複素ベクトル空間 C5 上に作用する線形変換と考える。 作用する空間を C3 ⊕ C2 へと直和分解したとき、各々の部分空間への作用をカラー SU(3)c とアイソスピン SU(2)L に同一視する。 残るハイパーチャージ U(1)Y は部分空間 C3 と C2 とを逆向きに回す U(1) 変換と対応付けられる。 このようにしてゲージ群 SU(5) に標準模型のゲージ群 SU(3)c × SU(2)L × U(1)Y が埋め込まれる。
ゲージ場 SU(5) の次元は24なので、24個の生成子が存在し、ジョージ-グラショウ模型では、24個のゲージ場をもつ。 直和分解 C3 ⊗ C2 に対応して、3×3 の部分に対応するゲージ場が SU(3)c に対応するグルーオンに、2×2 の部分に対応するゲージ場が SU(2)L に対応するウィークボソンに同一視される。
ゲージ群が拡大されるに伴って、標準模型のチャージをもつ場は、SU(5) のチャージをもつ場へと埋め込まれる。 アイソスピン二重項である標準模型のヒッグス場は、ジョージ-グラショウ模型では SU(5) の五重項(5 表現)へと埋め込まれる。
標準模型のフェルミ粒子は、ジョージ-グラショウ模型では、一世代が 5* 表現と 10 表現に統合される。
模型の予言
結合定数の統一
標準模型におけるゲージ結合定数はカラー SU(3)c に対応する gs、アイソスピン SU(2)L に対応する g、ハイパーチャージ U(1)Y に対応する g' の3つであるが、ジョージ-グラショウ模型では で関係付けられる。 グラショウ-ワインバーグ-サラム模型の帰結から、弱混合角が となる。 ただしこれらは SU(5) ゲージ対称性が成り立つ GUT スケールよりも高いエネルギー領域での関係であり、対称性が破れる低エネルギー領域では結合定数が走るために、これらの関係から外れる。
電荷の量子化
陽子の電荷は電子の電荷と逆符号で等しい大きさである。 標準模型においては、ハイパーチャージが観測と整合するように割り当てられるが、ジョージ-グラショウ模型では、SU(5) の表現から理論的に説明される。