ソタテルセプト
From Wikipedia, the free encyclopedia
| 臨床データ | |
|---|---|
| 販売名 | エアウィン |
| 別名 | ACE-011, MK-7962 |
| AHFS/ Drugs.com | monograph |
| MedlinePlus | a624053 |
| 医療品規制 |
|
| 胎児危険度分類 | |
| 投与経路 | Subcutaneous |
| ATCコード | |
| 法的地位 | |
| 法的地位 | |
| 識別子 | |
| CAS登録番号 | |
| DrugBank | |
| UNII | |
| KEGG | |
| 化学的および物理的データ | |
| 化学式 | C3448H5264N920O1058S42 |
| 分子量 | 77879.94 g·mol−1 |
ソタテルセプト(英: Sotatercept)は、肺動脈性高血圧症の治療に用いられる薬剤である[6]。免疫グロブリンのFcドメインとアクチビン2型受容体の細胞外ドメイン(ACTRIIA-Fc)を組み換えた融合タンパク質であり、アクチビンシグナル伝達を阻害する[9]。皮下注射により投与される[6]。
一般的な副作用として、頭痛、鼻出血、発疹、毛細血管拡張症(クモ状血管)、下痢、眩暈、紅斑が知られている[6][10]。
ソタテルセプトは米国で2024年3月に[11]、欧州(EU)で2024年8月に[7][8]、日本で2025年6月に[12]承認された。米国ではファースト・イン・クラス医薬品とされている[13]。
日本
作用機序
以下に添付文書の記述を引用する。
ソタテルセプトはヒトアクチビン受容体IIA型(ActRIIA)の細胞外ドメインとヒトIgG1のFc領域を結合した遺伝子組換え融合タンパク質であり、アクチビンA及びその他のTGF-βスーパーファミリーリガンドと結合するアクチビンシグナル伝達阻害剤である。ソタテルセプトは増殖促進性(ActRIIA/Smad2/3)シグナルの伝達を阻害し、増殖促進性(ActRIIA/Smad2/3)及び 増殖抑制性(BMPR2/Smad1/5/8)のシグナル伝達のバランスを改善することで、肺血管平滑筋細胞の増殖を抑制する。—エアウィン皮下注用添付文書
副作用
承認
米国食品医薬品局(FDA)は2024年3月、アルゼンチン、オーストラリア、米国を含む21カ国126施設で実施された肺動脈性高血圧症(WHO分類グループ1、機能分類IIまたはIII)患者323名を対象とした試験に基づき、ソタテルセプトを承認した[10]。この試験ではソタテルセプト投与群163例とプラセボ投与群160例が比較された[10]。FDAはソタテルセプトの画期的治療法指定申請を承認した[15]。
2024年8月には欧州連合(EU)において医療用途が承認された[7][16][17]。
日本では2024年11月に、海外第III相試験(STELLAR試験)および国内第III相試験等の結果に基づいて申請され[18]、2025年6月に承認された。
研究開発
当初は骨密度増加を目的として開発されていた[19]ソタテルセプトは、ヘモグロビンおよび赤血球数の増加が確認され[20]、βサラセミアおよび多発性骨髄腫における貧血治療の研究につながった[21][22][23]。その後、貧血研究はルスパテルセプトに引き継がれた。これは改良型アクチビン受容体2B型(ACTRIIB-Fc)リガンドトラップであり、貧血治療特性が向上している[24]。ソタテルセプトがアクチビンによる肺血管疾患を阻害する可能性を仮説として、研究者らは実験的肺高血圧モデルにおいて血管閉塞を抑制することを発見し、これが肺動脈性高血圧症を対象としたPULSAR試験およびSTELLAR試験での評価に繋がった[25]。
2025年の臨床試験では小児肺動脈性高血圧症に対するソタテルセプトの可能性が検討され、6~17歳の小児において肺動脈圧が15%改善することが示された[26]。
2025年の臨床試験により、ソタテルセプトが重症肺動脈性高血圧症において肺血管抵抗を20%減少させることが確認された[27]。