タック・ラム
From Wikipedia, the free encyclopedia
作品
生涯が短いため、単行本となっているのは短篇小説集3冊、長篇小説1冊、評論集1冊、エッセイ集1冊のみである。作品の多くは、雑誌「今日」に掲載された[3]。
小説、エッセイ
小説では、故郷であるハノイや、農村を舞台とする物語を書いた。タック・ラムは物語のスケールやプロット、登場人物の造形よりも、感覚的な文体描写に重きをおいた作風をとった。細かい観察をしつつも豪華さは避け、物語は時間に沿って淡々と進み、変化は控えめにされている。よく選ばれるテーマとしては、貧困、生きることの認識、別離と恋愛、名誉や権力によらない他者との関係などがある[4]。また、詩情や女性の描写において優れているとも評価されている[5]。
タック・ラムの作風は、スケールの大きな長篇小説を書く兄のニャット・リンとは大きく異なっていた。これにより、それまでのベトナム近代文学とは異なった作風を確立した。ハノイに愛着を示し、エッセイ『ハノイ36区通り』では食文化や社会風俗を紹介している[6]。
評論
タック・ラムは、文芸評論において小説の意味について語った。小説とは生きる意味を理解する手助けであり、小説を読むのは人生を精神面で充実するものだとしている。ベトナム文学に対しては、心理をさらに掘り下げることの必要性を論じた[7]。
著作
短篇小説集
- "Gió đầu mùa" (1937) 『季節初めの風』
- "Nắng trọng vườn" (1938) 『農園の日差し』
- "Sợi tóc" (1942) 『髪の毛』
長篇小説
- "Ngày Mới" (1939) 『新しい日』
エッセイ集
- "Hà Nội băm sáu phố phường" (1943) 『ハノイ36区通り』
評論集
- "Theo giòng" (1941) 『流れに沿って』
日本語訳著作
- 『農園の日差し - タック・ラム作品集』 川口健一編訳、大同生命国際文化基金〈アジアの現代文芸〉、2000年。- 日本オリジナル短篇集
- 短篇小説
- 「レー母さんの家」
- 「新たな日々」
- 「ある怒り」
- 「空腹」
- 「季節初めの北風」
- 「農園の日差し」
- 「センの船着き場」
- 「フランス婦人」
- 「二人の子供」
- 「小間物売りの娘」
- 「過ぎし恋」
- 「髪の毛」
- 評論
- 「小説に関する二、三の考え」
- 「小説の読者」
- 「小説は何のためにあるのか」
- 「文学における『田舎の人』」