電力用変圧器には、電圧調整のため、巻線の中間点(通常は高電圧巻線側)にタップが設けられている場合がある。タップは手動で再接続することもできるが、手動または自動のスイッチでタップを変更することもできる。負荷時自動タップ切換器(OLTC:Automatic on-load tap changers)は、送電や配電、アーク炉変圧器などの機器、または高感度負荷の自動電圧調整器などに使用される。音声を拡声器に分配するための音声周波トランスは、各スピーカーのインピーダンスを調整するためのタップを備えている。また、オーディオ用パワーアンプの出力段には、プッシュプル回路でセンタータップ型トランスが使われることがある。AM(Amplitude Modulation)トランスミッタ(送信機)の変調トランスもこれによく似ている。
違うタップポイントは違う電圧に対応しているので、短絡を起こし、過大な環流を生み出す恐れがある場合は、2か所への接続を同時に行うことはできない。そのため、機器への電力供給はタップの変更の間中断しなければならない。オフサーキット、もしくは電源を止めるタップ変更(de-energized tap changing (DETC))はしばしば高電圧の変圧器のデザインにおいて使用されるが、恒常的な使用の場合は電力供給の停止が許容できる設備にしか使用できない。配電ネットワークの中では、変圧器は一般的に、公称定格の周りの狭い帯域の中でシステムのバリエーションを適用する一次巻線の上にオフサーキットの複数のタップを含む。タップはしばしば変圧器を最初に設置するときに一回だけ設定されるが、システムの電圧のプロファイルの長期的な変化に適用させるために工事停電の時に変更されることがある。
多くの変圧器にとって、タップ切換時の電力供給停止は不可能であり、変圧器にはしばしばより高価で複雑な、電源回路を中断せずに電圧変化を起こさせるオンロードタップ切換器(OLTCまたはLTC)(OLTC:On-Load Tap Changers[3])(LTC:Load Ratio control Transformer[4])メカニズム[5][6]が取り付けられる。これは、トランス巻線の物理タップ位置を選択するセレクタスイッチ、セレクタ回路のインピーダンスを増加させ、この電圧差によって循環する電流量を制限するリアクター、タップ変更シーケンス中に電流を流したり遮断する真空スイッチ、タップ変更シーケンス中に動作するバイパススイッチから構成される。[6] オンロードタップ切換装置は一般にメカニカルで、電子的に補助されるか、完全に電子的である。