ダイナミックCT
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原理・装置・技術
ダイナミックCTでは、関心領域の平均CT値から時間濃度曲線(time-density curve, TDC)を作成し解析する。TDCは撮影間隔、ROI設定、バックグラウンド補正などで形状が左右され、ピーク到達や立ち上がり勾配などの定量値は取得条件の影響を受ける[6]。時間分解能とz方向カバレッジのトレードオフ、線量管理、造影タイミングの標準化は技術的要点であり、脳灌流CTの実務プロトコルにも反映されている[2]。生理学的には心拍出や肺循環の影響などによる到達・洗い出しの変動を考慮し、撮影間隔や観測時間を調整する[7]。理論面では、動脈入力関数と組織曲線の関係を表すトレーサー動態(英: tracer kinetics)や減算法が基礎となる[8]。実装面では逐次近似再構成や動き補正に加え、撮影の2ボリューム取得や注入‐撮影遅延の最適化がTDC再現性と線量・撮影時間の最適化に寄与する[9]。
撮像プロトコル
撮像前には腎機能・造影歴の確認や禁忌評価を行い、体重や目的に応じたヨード量・注入速度を設定する[3][4]。生理食塩水フラッシュはボーラス形状の尖鋭化と静脈アーチファクト低減に有用と報告されている[10][11]。撮影タイミングの設計には、試験的少量投与(テストインジェクション法)による到達時間推定と、関心血管のCT値上昇を自動検出するボーラストラッキング法が用いられる[12]。ダイナミック撮影では開始遅延とサンプリング間隔の最適化が信号対雑音や定量精度に直結するため、ボーラス通過の立ち上がり・ピーク・洗い出しを捕捉できる頻度と持続時間を設計する[9]。特定プロトコル(例:腎機能評価)では、Patlak解析に適した時相配置と十分な時間点数が推奨される[13]。体動低減のため、対象や目的に応じて呼吸同期(4DCT)や心電図同期を併用することがある[14][15]。