チェーホフの銃
From Wikipedia, the free encyclopedia
チェーホフの銃(チェーホフのじゅう、英語: Chekhov's gun)とは、ロシアの劇作家・小説家のアントン・チェーホフの発言に由来するとされる、後世の表現である。
後世の解釈として、物語において導入された要素は後に使用されるべきであるという指針として説明されることがあるが、その内容や射程、適用基準は一定しておらず、統一的な定義が確立しているとは言い難い。またチェーホフ自身が「チェーホフの銃」という表現を用いたわけではない。
舞台における小道具についてのチェーホフの言葉
チェーホフの銃という表現は、チェーホフの手紙や、関係者の証言などに見られる発言に由来するとされる。チェーホフは、舞台上に置かれた小道具は後の展開で使用されるべきであり、そうでない場合は置くべきではないという趣旨の発言を残しているとされる。
- 「もし、第1幕から壁に拳銃をかけておくのなら、第2幕にはそれが発砲されるべきである。そうでないなら、そこに置いてはいけない。」1904年に『演劇と芸術』誌に掲載されたイリヤ・グリヤンドの「チェーホフの思い出」[注 1]。
チェーホフ自身の作品
ロシア文学研究者の浦雅春は、チェーホフの作品には、物語の展開に直接関与しない細部や、説明の付されない行動が見られることがあると言及している[注 2]。
批判
アーネスト・ヘミングウェイは『The Art of the Short Story』において、物語冒頭に現れた銃が後に発砲されなければならないとする考えを批判し、単に銃マニアが置いた、あるいは装飾として置かれた可能性などを挙げた。同箇所ではチェーホフの名は挙げられていない[5]。