チャウダー (アニメ)
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チャウダー(Chowder)は、アメリカ合衆国のテレビアニメ。アメリカ合衆国では現地のカートゥーン ネットワークで2007年11月2日から、日本では2010年1月24日から2013年6月15日までに放送開始。

プライムタイム・エミー賞にノミネートされたこのアニメは、『スポンジ・ボブ』や『ビリー&マンディ』に参加したアニメーション演出家のCH・グリーンブラットがこの番組を制作している。この作品はセル・ストップモーション・あやつり人形の組み合わせとなっている[1]。
企画・制作
『スポンジ・ボブ』制作の傍ら、グリーンブラットは、自分のアニメシリーズのコンセプトを練るため、様々なキャラクターのスケッチを行っていた[1]。グリーンブラットが最初に練っていたアイデアは、"王様の剣"といった作品にみられるような、魔法使いとその弟子の周りを描いた話だった。このアイデアは、偉大なシェフが若い弟子に料理のイロハを教えていくというチャウダーのストーリーに結び付いた。チャウダー自身は子供用の柔らかいおもちゃからヒントを得てできたキャラクターである[2][3]。
インスピレーションはリチャード・スカーリーの絵本からだけでなく、アメリカ合衆国で土曜朝に放送されていたテレビアニメからも得られている[3][4]。シュニッツェルは1990年代後半から行ってきた、こうしたキャラクターデザインの練習から生まれたものである。
グリーンブラットがカートゥーン ネットワークにアイデアを持ってきて採用されるのに2年かかり、パイロット版制作から放送までにまた1年かかっている[1]。グリーンブラット本人は『チャウダー』を構想してから実際に番組として放送されるまで7年かかったと話している[1]。
1シーズンあたりにつき30分のエピソードが20本分制作された[5]。いずれのエピソードの導入部には、30秒ほどの人形劇が入り、その人形劇はエンディングクレジットへつながっていく。本放送時、アメリカ合衆国のカートゥーン ネットワークは人形劇のシーンを放送しなかったが、2008年6月5日から始まった再放送では、人形劇のパートも放送した[5]。アメリカ合衆国ではiTunes store からエピソードの購入・視聴ができ、米カートゥーン ネットワークのVODサイトでもエピソードの配信がされている[3][6]。
制作手法
本作で使用されているユニークな技法のひとつに、キャラクターの服や皮膚の模様に関するものがある。これらの模様は、フルスクリーンの画像として作られ、プロダクション・ハウスに送られた後、キャラクターの模様を上からかぶせるための修正が行われる[1][3][7]。この技法を用いることにより、キャラクターが動いてもその模様が動かず固定された背景のように見える。この技法は『さよなら絶望先生』や『巌窟王』といった日本のアニメでも用いられている[4]。
本作ではかつてグリーンブラットが携わっていた『スポンジ・ボブ』や『ビリー&マンディ』と同様の、ストーリーボード(絵コンテ)主導による制作が行われた。この方法では通常のアニメシリーズで用いられる脚本の代わりに2ページ程度にまとめられたアウトラインが用意され、それを基にして各話のストーリーボードが制作される[8]。このアウトラインはエピソード概要の他キャラクターの心情、行動といったものが記されているが、台詞などの具体的なものは省かれているためストーリーボード担当者が独自で台詞やギャグを考え、自分の裁量でエピソードを構築することができる[8]。また、作画が面倒なシーンを省くかどうかの判断もこの段階で可能としている[1]。一方で、ストーリーボード担当者が脚本、演出、役者、編集を一任するような形となることから責任が重くなる[8]ほか、脚本の構造を理解しているアーティストを探す必要が生じるという問題点がある[1]。しかしグリーンブラットはこの手法を気に入っており、かつてのワーナー・ブラザースでもこのような手法が採られていたことを挙げ、視覚的なアプローチが可能なことと、困難を伴うが正しく運用できればスタッフにとってやりがいのあるものとなると述べている[8][1]。
番組の終焉
2009年、カートゥーン ネットワークはスタント番組などの放送開始に伴い、『チャウダー』の打ち切りを発表した。グリーンブラットは自身のブログで「自分の番組がテレビ局によって打ち切りになるのは非常につらいが、長々と続くよりは良いと思っている。ポスト・プロダクションの段階、私のスケジュールは一段落を迎えた。こういったゆっくりする時間は今まで得たことがない。チャウダーは私に多大なる可能性を教えてくれた上に、私に今まで以上のひらめきを与えてくれた」[9]と記述した。
後にグリーンブラットは他の多くのスタッフとともにディズニーと契約を結び、彼自身も『スイチュー! フレンズ』にて演出を務めた。
なお、『チャウダー』自体は2012年4月20日からCartoon Planetという再放送枠で放送されている[10]。
設定
チャウダーの舞台となる架空の都市マジパンシティの建物はモロッコとインドの建築様式が元になっている[4]。マジパンシティの住人には、人間のほかにも、擬人化された動物や妖精・ロボット・マンモス・フクロウといったシュールなものまでさまざまなものがいる。番組のユーモアには、言葉遊びやメタ・リファレンスが用いられている。たとえば、人物名・地名は実際の食べ物の名からとられているのに対し[11]、劇中で登場する食べ物は"grubble gum", "thrice cream"、 "blutter"といったようにもじられている。 第四の壁がよく破られるのもこの番組のユーモアの一つである。たとえば、『ガスパチョのお笑いライブデビュー!』(原題:"Gazpacho Stands Up")という回においてチャウダーが字を習う場面があり、画面上にいろいろ書きだす。それをガスパッチョは消すが、画面右上に常に出ているカートゥーンネットワークのロゴだけを残す。チャウダーがたずねると、ガスパッチョは消そうとしたができなかったことを伝える[12]。
評価
本放送後、新聞やインターネット上のアニメ評価サイトでは、この番組について様々な感想が飛び交った。好意的な感想を寄せられた一方[13][14][15]、「番組のユーモアがその場しのぎで下品である」[16]「ネタを使いまわしている」[17]といった意見も2つあった。
ハリウッド・レポーターのバリー・ギャリソンはエキゾチックなビジュアル、ユニークな設定、キャラクターの面白さで、子供も大人も楽しめると評した[13]。Toon Zoneの Ed Liuは、ティーン向けになることなく子供が楽しめるユーモアを含んでいると評価し、内容と敵役のクレイジーさをほめたが、『チャウダー』はまだ発展途上でもう少し時間があれば彼にとっても面白くなるだろうと読者に念を押した[14]。
Animation InsiderのAaron H. Bynumもこの番組について言及しており、設定やクレージーなキャラクターについても言及した後、『チャウダー』はカートゥーン ネットワークがここ数年で生み出してきた大ヒット作の一つであると締めくくった[15]。
ニューヨーク・タイムズも作品のスタイリッシュさについては評していたが、Kimchiといった物理的なユーモアに関しては疑問を抱いており、マイク・ヘイルは脚本がつまらないと話している[16]。The Daily Texanのロバート・リッチも『ビリー&マンディ』『スポンジ・ボブ』といったグリーンブラットのヒット作と似たり寄ったりだと述べている。また、チャウダーの食習慣には問題があり、子供の肥満を招くのではないかと心配する声も上がっていると述べている。リッチはこの番組は個性がなく陳腐で2000年代に放送されたほかのアニメと何ら変わりがないと批評した[17]。
あらすじ
幻想的な街マジパンシティにあるケータリング料理店。ここに勤める小さな見習いシェフ・チャウダーは、いつか偉大なシェフを夢見て、一流シェフ・ムーング・ダールの元で料理を学ぶのだが、必ずトラブルを起こすのであった。
登場人物
いずれのキャラクターも食べ物から名前がとられている[18]。
- チャウダー(Chowder)
- 声 - ニッキー・ジョーンズ/武田華
- 本作の主人公。料理人ムーング・ダールの弟子。クマとウサギを合わせたような生き物[2]。作中でもしばしばこのことを指摘される。食欲旺盛で料理好き。一流のシェフを夢見るが、落ち着きが無くしょっちゅうトラブルを引き起こす(ムーングには「注意散漫」だと言われていた)。1人で料理を作った際、間違えて毒を入れてしまったり、ゴミの塊のようなものを作り上げムーングを困らせた。しかしビッグ・フードの身体等、頑張れば普通の料理も作れるようである。パニーニが苦手で、いつも彼女のアプローチに対し「僕は君の彼氏じゃない!(I'm not your boyfriend!)」と叫び逃げ回っている。ムーングから跡継ぎを任命された際には、自らが見習いであり続けたいことを20年間歌い続けた。自分が大人にならないことで、パニーニやゴルゴンゾーラに傷を負わせていることを自覚したチャウダーは遂に大人になることを決心。ムーングから店を引継いでスクラップという弟子を取り、パニーニと結婚している。
スタッフ
制作スタッフ
- 原作・監督 - CH・グリーンブラット
- スーパーバイジングディレクター - エディ・ホウチンス
- クリエイティブディレクター - ウィリアム・レイス
- アートディレクター - ダン・クラール、リン・ネイラー、ジョー・ブリンゲリ
- キャラクターデザイン - セラピオ・カーム、フィル・リンダ、マーク・バックハンド、CH・グリーンブラット
- 背景デザイン - ビル・フローレス、レベッカ・ラモス
- 音楽 - ダン・ボーア、ザック・パイク
- キャスティング・録音監督 - コレット・サンダーマン
- 音響効果監督 - ティモシー・J・ボルケーツ、トム・シスロ
- プロデューサー - ルイス・J・カック
- エグゼクティブプロデューサー - ブライアン・A・ミラー
- 製作責任 - ジェイ・バスティアン
- アニメーション制作 - カートゥーン ネットワーク・スタジオ
- ストップ・モーション / 人形操演 - スクリーン・ノベルティーズ
- 製作 - カートゥーン・ネットワーク
日本語版スタッフ
エピソード
2009年9月3日現在、30分のエピソードが51話分放送されてきた[19]。 第2シーズンは20話分作ってあり[20]、2008年11月6日にアメリカ合衆国で放送されたシーズンスタート"Panini for President/Chowder's Babysitter"(邦題: 『パニーニの選挙戦!/ベビーシッター大騒動!』)は、番組史上初の長編エピソードとなっている[21]。第3シーズンは2009年10月15日からアメリカ合衆国で放送がスタートされ、シーズンスタートエピソードは"Hands on a Big Mixer"(邦題: 『巨大ミキサーを手に入れろ!』)である。ファイナルシーズンまで製作されており、30分エピソードが9つある。オープニングのオーブンに入っているものは37種類(複数登場もあり)。
第1シーズン(2007年 - 2008年)
- 大好き!ダイスクリームマン(The Thrice Cream Man)/トリュフのダイエット大作戦(The Flibber-Flabber Diet)
- チャウダーのシェフ修行(The Froggy Apple Crumble Thumpkin)/チャウダーはパニーニの彼氏?(Chowder's Girlfriend)
- 食べたい!!ゆでまぜタマゴ(Majhongg Night)/奇跡の恋はクサイ?(Stinky Love)
- フライセンスを手に入れろ!(Certifrycation Class)/だれもが心にうたう豆!(The Sing Beans)
- おそるべし!バンノウガム(Grubble Gum)/さびしがりのシナミニモンスター(The Cinnamini Monster)
- 迷走デリバリー?シェフの直感(The Wrong Address)/キケンなお客にご用心!(The Wrong Customer)
- バープルナープルを奪え!(Burple Nurples)/シュニッツェルの長い一日(Shnitzel Makes a Deposit)
- ガスパチョのお笑いライブデビュー!(Gazpacho Stands Up)/対決!!フード・フェスティバル(A Taste of Marzipan)
- 脱出せよ!スッパーベリーの王国(The Puckerberry Overlords)/トリュフのガールズ・トーク(The Elemelons)
- 初挑戦!ハナクソ野球(Sniffleball)/結婚記念日の危機!(Mung on the Rocks)
- 眠れるムーングを追いかけろ!(The Heavy Sleeper)/キョーフのカビカビ・パニック!(The Moldy Touch)
- ゴキゲン・フルーツのためならば(At Your Service)/ミスター・フグのグルメツアー(Chowder and Mr. Fugu)※ジョージ・タケイのゲスト出演回[22]
- チャウダーのトイレ大ピンチ!(The Vacation)/夜食モンスターあらわる!(The Sleep Eater)
- 世界一のパパ!?チャウダー(The Bruised Bluenana)/シュニッツェルのモーレツ特訓!(Shnitzel and the Lead Farfel)
- 急げ!日没までのデリバリー(The Thousand Pound Cake)/お店の危機!キョーフのサンドイッチ(The Rat Sandwich)
- 帽子を取りかえせ大作戦!(Chowder Loses His Hat)/禁断のレシピ!アタマヨクナーレ(Brain Grub)
- 勝ちとれ!栄光の金メダル(The Apprentice Games)※北京オリンピックスペシャル、30分スペシャル
- チャウダーのお使いはタイヘン!(Broken Part)/命がけの完熟ミーチパイ作り(The Meach Harvest)
- やめないで!シュニッツェル(Shnitzel Quits)※30分スペシャル
- ガスパチョの店、出入り禁止!!(Banned From the Stand)/チャウダーだってお役に立ちたい!(Creme Puff Hands)
第2シーズン(2008年 - 2009年)
- 大迷惑!アルボリアン一族(The Arborians)/涙のガレージセール騒動(The Garage Sale)
- キケン!激辛チャウダー(The Fire Breather)/コケモモサーカス入団!(The Flying Flinger Lingons)
- パニーニの選挙戦!(Panini for President)/ベビーシッター大騒動!(Chowder's Babysitter)
- チャウダーのケータリング開業!?(Chowder's Catering Company)/料理人対決:キメゼリフを言え!(The Catch Phrase)
- みんな、ハッピークニシュマス!!(Hey, Hey It's Knishmas)※クリスマススペシャル、30分スペシャル
- 初デートに急げ!ホーギー巡査(The Hot Date)/買い物三昧で大ピンチ!(Shopping Spree)
- 真の男と船上パーティー(The Party Cruise)/ワンタン爆弾とムーングの過去(Won-Ton Bombs)
- 偉大なる帽子婦人会(The Big Hat Biddies)/命がけの迷路(The Deadly Maze)
- 見習いシェフ、合格!?(The B.L.T.'s)/トリュフの魅惑ボイス(The Trouble With Truffles)
- ハチャメチャ!ディナー・シアター(The Dinner Theater)※30分スペシャル
- シュニッツェル、子供になる!?(Kid Shnitzel)/ガスパチョの反撃(Gazpacho Fights Back)
- ビッグ・ボールで対決!(Big Ball)/チャウダー、凍る!(The Brain Freeze)
- かたつむりカー競争(The Snail Car)/キャンディー狂想曲(The Lollistops)
- エンダイブの恥ずかしい秘密(Endive's Dirty Secret)/幻のビッグ・フード(Big Food)
- 夢のチャウダーランド(Paint the Town)/停電とオナラ(The Blackout)
- ムーングのサイコロ自転車(The Dice Cycle)/不幸のレシピ(The Chain Recipe)
- 師匠はどっち!?(The Garden)/エンダイブの彼氏(Sheboodles)
- ガスパチョのお泊まり(Gazpacho Moves In)/くさーい結婚式(My Big Fat Stinky Wedding)
- 最高の見習い感謝デー(Apprentice Appreciation Day)/ブドウ虫と心の声(The Grape Worm)
- パニーニに恋のライバル!?(A Faire to Remember)/シュニッツェルの謎の過去(Tofu-Town Showdown)
第3シーズン(2009年 - 2010年)
- 巨大ミキサーを手に入れろ!(Hands on the Big Mixer)/危険なドライブ(The Blast Raz)
- ガスパチョと見習いスカウトバッジ(The Apprentice Scouts)/泣き虫ベリーパイとコワイヌ(The Belgian Waffle Slobber-Barker)
- 幽霊屋敷からの注文(The Spookiest House in Marzapan)/トリ憑かれたチャウダー(The Poultry Geist)
- あべこべスパイスで大混乱!(A Little Bit of Pizzazz!)/ミスター・フグのパーティー・ルール(The Birthday Suits)
- ムーング・ファイブと砂糖サファイア(The Heist)/ミス・エンダイブのイタズラの結末(The Prank)
- 赤ちゃんVS老年木(Old Man Thyme)/チャウダー・マガジンの表紙(Chowder's Magazine)
- シュニッツェルのひとめぼれ(Weekend at Shnitzel's)/チャウダーの味見トレーニング!(Taste Buds)
- ガスパチョの母さんはどこ!?(Gazpacho!)/チャウダー、歌手デビュー!(The Toots)
- チャウダー大人になる(Chowder Grows Up)※30分スペシャル、最終回
受賞歴
| 年 | 賞 | 部門 | ノミネートまたは受賞した回 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 2008 | アニー賞 | 最優秀子供向けテレビアニメ部門 脚本賞TV部門[23] |
C・H・グリーンブラットと William Reiss("Burple Nurples"(邦題:『バープルナープルを奪え!』)担当) | ノミネート |
| 2008 | プライムタイム・エミー賞 | スペシャルクラス番組賞・短編形式アニメ番組部門[24] | "Burple Nurples"(邦題:『バープルナープルを奪え!』) | ノミネート |
| 2009 | アニー賞 | 最優秀子供向けテレビアニメ部門[25] | Dan Krall ("The Heavy Sleeper"(邦題:『眠れるムーングを追いかけろ!』)担当) | ノミネート |
| 2009 | アニー賞 | 声優賞TV部門[25] | ドワイト・シュルツ(ムーング・ダール) | ノミネート |
| 2009 | プライム・タイム・エミー賞 | アニメーション個人部門審査員賞[26] | ジョー・ビンゲーリ | 受賞 |
| 2010 | アニー賞 | 声優賞TV部門[27] | ドワイト・シュルツ、ニッキー・ジョーンズ | ノミネート |