1930年代には合衆国に亡命してきた数多くのドイツおよびオーストリアの哲学者たちの支援にあたった。特にルドルフ・カルナップとは1936年から1952年までシカゴ大学で同僚だった。このようにモリスはウィーン学団に集う論理実証主義者たちと近しく、彼らから想を得て独自の形態のプラグマティズムを展開した。また「科学の統一」運動にもかかわり、『統一科学国際百科全書』の編集委員を務めた。さらに詩作もおこない、新たなかたちの信仰を模索した。
- 記号論
モリスは記号論を統語論、意味論、語用論の3つに分解し、記号には記号媒体(sign vehicle)、指示対象(designatum)、解釈項(interpreter)の3側面があるとした。このような3分法は著書『記号理論の基礎』(Foundations of the Theory of Signs)ではじめて示されたものだが、チャールズ・パースの議論に多くを負っていると考えられる。ただしパース研究者の中には、モリスが行動主義に立っていたことを理由に、彼のパース読解が表面的だと批判する者もいる。パースが知覚という普遍的範疇を基礎にして「すべての思考は記号である」という前提のもとで記号論哲学を構想したのに対して、モリスは生物学的基礎のもとで行動科学という枠組に拠りつつ記号の科学を展開しようとしたからである。モリスの弟子としては記号論者のトマス・シビオックなどがいる。