チューブラー・ベルズ

マイク・オールドフィールドのアルバム From Wikipedia, the free encyclopedia

チューブラー・ベルズ』(Tubular Bells)は、マイク・オールドフィールド1973年に発表したソロ・デビュー・アルバム。実業家のリチャード・ブランソンらが1972年に設立した新興レーベルであるヴァージン・レコードの第1回新譜として、カタログ番号「V2001」が与えられた[6]

リリース
録音 1972年11月 - 1973年春
イングランドの旗 オックスフォードシャー ザ・マナー・スタジオ
時間
概要 『チューブラー・ベルズ』, マイク・オールドフィールド の スタジオ・アルバム ...
『チューブラー・ベルズ』
マイク・オールドフィールドスタジオ・アルバム
リリース
録音 1972年11月 - 1973年春
イングランドの旗 オックスフォードシャー ザ・マナー・スタジオ
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル ヴァージン・レコード
マーキュリー・レコード(2009年ヴァージョン)
プロデュース マイク・オールドフィールド、サイモン・ヘイワース、トム・ニューマン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 1位(イギリス[2]
  • 2位(オランダ[3]
  • 3位(アメリカ[4]
  • 29位(日本[5]
マイク・オールドフィールド アルバム 年表
チューブラー・ベルズ
(1973年)
ハージェスト・リッジ
(1974年)
テンプレートを表示
閉じる

制作の経緯

オールドフィールドはケヴィン・エアーズのバック・バンド「ザ・ホール・ワールド(The Whole World)」[7]に在籍してベースを担当していたが、同バンドが1971年に解散すると、エアーズから譲り受けたテープレコーダーを使用してソロ作品のデモ・テープ作りを開始した。このテープレコーダーは2トラック録音しかできない簡素なものだったが、彼は自ら改造して多重録音を可能にしたという[1]

ブランソンは「Opus One」という仮タイトルが付けられたデモ録音を聴いて、自身が設立したマナー・スタジオをオールドフィールドに本格的なレコーディングの為に1週間使用させることを決める。オールドフィールドはほとんどのパートを自分一人の演奏で多重録音した。最初はなかなかタイミングが合わなかったが、別の部屋に置いたメトロノームの音をマイクで拾って、それをヘッドフォンで聴きながら演奏するという方法で解決したという[1]。約束の1週間の最終日に、彼はアルバム名になったチューブラーベルを使うことを思いついた。この日、ボンゾ・ドッグ・バンドのヴィヴィアン・スタンシャルのMC[1]、さらにスタンシャルとの共演によりトラッド・ソング「セイラーズ・ホーンパイプ」が録音された[1]。こうして彼は「チューブラー・ベルズ(パート1)」のほとんどのパートを録音し終えた。

ブランソンはスタジオの空き時間をオールドフィールドに使わせることにし、彼は引き続いて「パート1」のコーラス・パートやアコースティック・ギターのオーバー・ダビング、「パート2」の録音を行なった。「パート2」のエンディングには、当初はスタンシャルと録音した「セイラーズ・ホーンパイプ」が組み込まれる予定だったが、最終的には同曲を新しく録音し直したものが使用された[1][注釈 1]

ヴァージン・レコードから本作の発売が決定するが、アルバム・タイトルはなかなか決まらなかった。ブランソンは『ブレックファスト・イン・ベッド』というタイトルも考えていた[1]が、最終的にはオールドフィールドが提案した『チューブラー・ベルズ』に決まった。

評価

本作は1973年5月25日に発売され、7月14日付の全英アルバムチャートで初登場31位[8]、9月1日付では7位に達してトップ10入りを果たす[9]。その後も長期にわたってチャート・インを続け、発売から約1年4カ月後の1974年10月5日付で全英1位に達した[2]。本作を1位から降ろしたのは、オールドフィールドのセカンド・アルバム『ハージェスト・リッジ』(1974年)だった[2]

発表当時、BBCでDJを務めていたジョン・ピールは本作を高く評価して全編を放送した。それがきっかけでイギリスでの売り上げが急増したという[1]

アメリカでは、1974年3月30日付のBillboard 200で最高3位を記録し[4]第17回グラミー賞では最優秀インストゥルメンタル作曲賞を受賞した[10]。オランダでは1975年3月8日付のアルバム・チャートで初登場20位となり、同年に最高2位を記録した[3]

派生作品

映画『エクソシスト』のテーマ曲

「パート1」の冒頭が1973年12月公開のアメリカ映画『エクソシスト』のテーマ曲として使用され[11][12]、ワーナーから“「エクソシスト」のテーマ チューブラー・ベルズ”としてシングル発売された。版権の問題でオリジナルバージョンは使用されず、別途、録音された別アレンジのものであり、オールドフィールドは録音には一切関わっていない。演奏者・アーティスト名に当たる部分のクレジットはTHE MYSTIC SOUNDSとなっていた[13]

日本ではワーナーパイオニア発売の同シングル盤[13]とは別に、当初ヴァージンの日本での発売元であった日本コロムビアからも“エクソシストのテーマ”としてオリジナルバージョンから編集されたものがシングル発売された[14]。これは映画で使用されたMYSTIC SOUNDS版や、後にワーナーから再発されたサウンドトラックLPにMYSTIC SOUNDS版と差し替えられて収録されたオリジナルバージョンからの編集版とは全く異なる編集が施されたもので、エクソシストのテーマとしては市場に最も早く出回ったといわれるリチャードヘイマン楽団演奏のアレンジに準じたような編集となっている。

オールドフィールドは、『エクソシスト』のおかげで『チューブラー・ベルズ』がアメリカで大ヒットしたことには感謝しているが、自分の曲を編集されたことに対しては不快に思っていたという[1]

シングル

1974年6月に、イギリスでシングル「Mike Oldfield's Single (Theme from Tubular Bells)」がリリースされた[15]。これは「パート2」からの抜粋に、オールドフィールドのアコースティック・ギターリンゼイ・クーパー[注釈 2]オーボエオーバー・ダビングしたもので[1]、彼によれば、これらのアイディアを発案したのはジョージ・マーティンだったという[1]。同シングルは全英シングルチャートで最高31位に達した[16]

アルバム

オールドフィールドは、下記のアルバムを『チューブラー・ベルズ』のシリーズ作品としてリリースした。

2009年ヴァージョン

2009年6月8日には、オールドフィールド自身によるステレオリミックスが施された再発盤『チューブラー・ベルズ<2009年ヴァージョン>』がリリースされた。同ヴァージョンは、1974年にイギリスでシングルA面としてリリースされた「マイク・オールドフィールズ・シングル」と、ヴィヴィアン・スタンシャルとの共演による「セイラーズ・ホーンパイプ(オリジナル・ヴァージョン)」が、ボーナス・トラックとして追加収録された。

CDブックレットには、マーク・パウエルが書き下ろした13ページに渡る解説が掲載されている。

収録曲

作曲・編曲はマイク・オールドフィールドによる。ただし、「パート2」の中に組み込まれた楽曲「セイラーズ・ホーンパイプ」は、トラッド・ソングをオールドフィールドが編曲したもの。

  1. チューブラー・ベルズ(パート1) - "Tubular Bells, Part 1" - 25:58
  2. チューブラー・ベルズ(パート2) - "Tubular Bells, Part 2" - 23:20

ボーナス・トラック(2009年ヴァージョン)

  1. マイク・オールドフィールズ・シングル - "Mike Oldfield's Single" - 3:53
  2. セイラーズ・ホーンパイプ(オリジナル・ヴァージョン) - "Sailor's Hornpipe (Original Version with Viv Stanshall)" - 2:48

参加ミュージシャン

脚注

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI