ツカエイ
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ツカエイ(学名:Pastinachus ater)は アカエイ科のエイの一種。インド太平洋に広く分布し、時折淡水域に入る。アカエイ属(Dasyatis)、Hypolophus属(Pastinachusの廃止されたシノニム)とされることもある。最も顕著な特徴は尾の大きな旗のような皮褶であり、特に遊泳時に目立つ。良質の鮫皮の原料として漁獲されているため、個体数は減少している[1][2]。
| ツカエイ | |||||||||||||||||||||
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エジプト、Marsa Alam沖のツカエイ | |||||||||||||||||||||
| 保全状況評価 | |||||||||||||||||||||
| NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||
| Pastinachus ater (W. J. Macleay, 1883) | |||||||||||||||||||||
| シノニム | |||||||||||||||||||||
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| 和名 | |||||||||||||||||||||
| ツカエイ | |||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||
| Broad cowtail stingray |
分布
形態

体盤は非常に厚い。端は丸く、後縁はほぼ真っ直ぐで長さは幅の1.1-1.3倍。吻は丸くて短い。眼はとても小さく、間隔は広い。口は小さく歯列は20、歯は六角形で高く隆起し、口底には5つの乳頭突起がある。尾の基部は太く先端は糸状。腹鰭のかなり後方に1本の毒棘がある。尾の上部に皮褶はないが、下部には尾径の2-3倍に達する皮褶があり、先端より手前で終わる[1][3][6]。
体盤表面は広い帯状の細かい皮歯で覆われ、吻端近くから尾の上面に及ぶが、体盤縁は覆わない。仔魚の皮膚は滑らかだが、急速に皮歯が形成される。幼魚の体盤中心には4つの丸い隆起があり、成魚と区別できる。体色は一様な灰茶色で背面は暗色、腹面はほとんど白。尾の皮褶と先端は黒。体長3m・体幅1.8m・体重250kgに達する[3][7]。
生態

単独で摂餌し、餌は魚類・(ヒイラギ・イトヨリダイ(Nemipterus属)・ウシノシタなど)・甲殻類・多毛類・ホシムシ・貝類など[8]。シュモクザメ・メジロザメ・ハンドウイルカ(Tursiops aduncus)などに捕食される。危険が迫ったときは、距離をとりつつ捕食者を視野に入れておくために45°の角度を保って逃げる[9]。
無胎盤性胎生で後期の胚は組織栄養(子宮乳)で育つ。仔魚は体幅18cm以上[1]。生後1年のマラッカ海峡産個体によると、稚魚の吻は成魚より尖る[10]。成魚はコバンザメやアジを伴うことがある[1]。Dendromonocotyle ardea ・Decacotyle tetrakordyle ・Pterobdella amaraなどの寄生虫が知られる[11][12][13]。
シャーク湾での観察によると、満潮時には浅い砂地で4時間以上休息する。このとき、特に水の濁度が高く視界が悪い時には小さい群れを作る。この群れは通常3個体(滅多にないが最大で9個体)が頭を中心に環状に並び、どの方向から来る外敵にも反応することができる。また、重要度の低い尾を外側に向けることで、触覚により危険を察知することもできる。この群れは協調して逃げ、捕食者の注意が1個体に向かうことを妨げる[9]。また、ヒョウモンオトメエイ(Himantura uarnak)は尾が長く、外敵発見能力が高いため、ツカエイは好んで混群を作る[14]。
