テオドール・フルルノワ

From Wikipedia, the free encyclopedia

死没 (1920-11-05) 1920年11月5日(66歳没)
スイスジュネーヴ
研究分野 心理学
テオドール・フルルノワ
Théodore Flournoy
生誕 (1854-08-15) 1854年8月15日
スイスジュネーヴ
死没 (1920-11-05) 1920年11月5日(66歳没)
スイスジュネーヴ
研究分野 心理学
研究機関 ジュネーヴ大学
主な業績 心霊主義と心霊現象の研究
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示

テオドール・フルルノワ: Théodore Flournoy1854年8月15日1920年11月5日(1920-11-05) )はスイス心理学者である。超心理学心霊主義に関する書籍を著した。

1854年8月15日、スイスジュネーヴの裕福な家庭に出生した。父アレクサンドル・フルルノワ (Alexander Flournoy) は株式仲買人であった。母カロリーヌ (Caroline) は代々牧師や裁判官、教師を輩出した家庭の生まれであった[1]。テオドール・フルルノワはストラスブール大学医学部、ジュネーヴ大学に通った。数学自然科学文学工学学士号を取得した[1]哲学神学医学にも関心を持っていた[1]。医師になることはできたものの、開業しなかった。短期間ドイツに赴き哲学の研究、特にイマヌエル・カントに興味を持った。ドイツ留学中、ヴィルヘルム・ヴントの講義に通った[1]。また、ウィリアム・ジェームズアルフレッド・ビネと交流した。旅行から帰宅したのち、マリー・ブルニエ (Marie Burnier) と出会い、結婚した。心理学の研究に身を捧げることを決心したのは後年のことであった。

研究

フルルノワは、霊媒はその潜在意識から来る暗示テレパシーによって説明でき、心霊説を裏付ける証拠はないと主張した[2]

フルルノワは心霊現象についての研究で最もよく知られている。霊媒、幻影、透視、心霊療法、ポルターガイスト、予知、テレパシーについて考究した[3]。フルルノワは、当時では異様に見える調査をして他の心理学者から批判を受けるだろうと調査当初から理解していた。しかし、調査を始めたところ、この題材への関心は他の国へ広まったようであった。フルルノワの研究はエレーヌ・スミス英語版フランス語版と名付けた30歳の女性を対象とした調査に基づくものであった[4]。スミスは普通の仕事をしていた心身ともに健全な女性であった[4]。心霊活動のコミュニティにおいて有名で、フルルノワが調査を始める3年前から霊能力を使用してきた[4]トランス状態を経て超自然的情報を伝えることで霊媒をしていた。スミスと交流したフルルノワは5年の間、スミスがトランス状態中に発したことを書き留めた。 フルルノワの観察結果から、かの著名な書籍『インドから火星へ』が完成した[4]

業績

フルルノワは第六回国際心理学会議の議長を務めた。1891年にジュネーヴ大学で実験心理学講座の教授となった。哲学部ではなく理学部の配属となったヨーロッパ初の心理学の教授であった[3][4]生理心理学の講義を遂行し、フルルノワは大学で初めて自分の研究所を与えられた。しかし、数年後に火災で焼失した。フルルノワはジェームズに宛てた手紙の中で、実験研究に飽きてきたので火災について気にしていないと述べたと言われている[4]。結局研究所は再建され、フルルノワは数年間研究所に留まった。

影響

フルルノワはフロイトと同時代の人物であった。フルルノワの仕事はカール・グスタフ・ユングに影響を与えた。1902年、ユングは霊能者であったいとこのエレーヌ・プライスヴェルク (Hélène Preiswerk) の研究を行い博士論文を執筆した[5]。ユングはフルルノワの依頼で書かれたフランク・ミラーの自己暗示的著作を著書『リビドーの変容と象徴英語版[6]』で引用した[7]。この著書の第2部においてユングは、1908年の論文で述べられた生命を維持するための無意識の合目的的な要素というフルルノワの概念に着想を得ている。フルルノワはその論文で「自殺を考える人間が、死の直前に生命の意味と価値を説く幻覚を見た」事例について述べた[8]

フルルノワはウィリアム・ジェームズに影響を受けた。フルルノワは、ジェームズが Radical Empiricism において sciousness英語版 と呼んだ、非二元的な意識の根源的な実在性を受入れた数少ない学者の一人であった[9]

著作

邦訳書籍

  • テオドール・フルールノイ『心霊現象と心理学』 6巻、野尻抱影 (訳)、新光社〈心霊問題叢書〉、1922年。NDLJP:969855 
  • 小野文「テオドール・フルルノワ著『インドから火星へ : 異言をともなう夢遊病の一症例に関する研究』(1)(翻訳)」『フランス語フランス文学』第54巻、2012年3月、73-86頁、CRID 1050282813924460928 

出典

参考文献

関連項目

Related Articles

Wikiwand AI