デジタル・レーダー
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フェーズドアレイ化とともに、アンテナにおいて初めてデジタル信号処理の技術が導入されたが、その内容はごく限られたものであった[1]。AESAアンテナではアンテナ素子ごとにアレー送受信機を備えているが、アナログ-デジタル変換(A/D変換)は、それらのアレーが受信した信号を統合処理するアンテナ全体の受信機において行う方式であった[1]。この方式はRF(Radio Frequency)方式またはABF(Analog beam forming)方式と称されるが、アレーが受信した信号を合成する時点で各素子ごとの情報は消滅し、合成された1つのビーム信号のみになってしまう=一度に1方向にしかビームを形成できないという制約があった[2][3]。
これに対し、DBF方式ではアンテナ素子それぞれにA/D変換回路を備えて、その出力をデジタル処理することでアンテナとしての出力を形成する[1]。すなわち、各素子の信号がデジタル信号として独立に出力されているため、ビーム合成に先立ち、この各素子の信号ごとに他の処理を施す事ができる[2]。
デジタル化された素子信号は、ビーム形成に必要なウェイトとの積をとり、その後に全素子の和をとってビーム形成が行われる[2]。この積和演算は離散フーリエ変換(DFT)に対応しており、デジタル信号処理装置(DSP)により処理することができる[2]。ウェイトを適切に選ぶことで、ビームの形状や指向方向などを自由に設定することができる[2]。しかし素子数が数千程度以上の場合は演算処理時間を要するため、レーダーなどでは速度向上が課題となる[2]。その手法としては、高速フーリエ変換やシストリック・アレイが用いられる[2]。