トラッドワイフ

From Wikipedia, the free encyclopedia

アメリカにかつてあった雑誌レディス・ホーム・ジャーナルに掲載された冷蔵庫の広告(1948年)

トラッドワイフ: tradwife)とは、欧米諸国で伝統的であった結婚生活の中で家事を担う役割(主に専業主婦)を現代でも選ぶことも、女性の権利であると信じている女性の総称。伝統的な妻 (traditional wife) または伝統的な主婦 (traditional housewife) が元である言葉。彼女らは現代の欧米文化における「専業主婦」への優越感を持つタイプのフェミニスト・「専業主婦」を異端視する現代の価値観に反発し、家族に集中するために職(特にフルタイム労働)を辞めることを選択したり、希望する[1][2][3][4][5][6]。トラッドワイフ女性らは、働きたいタイプの女性の権利を奪おうとするのではなく、既婚女性が専業主婦になる選択が認められるべきだとの立場をとっている。現代でも結婚生活において昔ながらの既婚女性の役割を選ぶ権利があると考えている。仕事と家庭生活のバランスに悩むアメリカ人女性では「トラッド・ワイフ」がトレンドになっている[4]。その代表的存在が元ミス・カナダのシンシア・ローウェンである。彼女は専業主婦になるために医学部で学位をとる計画をやめている[7]。夫が家計を支え、妻である自分が家を守るという役割分担に満足しているというローウェンは、「やってみたら前よりとても幸せ」だと語っている[7]

Google Trendsによると「tradwife」というワードは2018年の半ばごろから人気が上昇しはじめ[8]、それ以降もおもにソーシャルメディアなどインターネットを通じて拡散された。特にYouTubeInstagramでは、理想の女性としてふるまうことの美徳をたたえる女性らが人気を博した[9]。未婚シングルマザー労働者率の高い黒人女性にも現代フェミニズムに騙されているとの反発、専業主婦になりたい願望から共感が広がっている[6]

トラッドワイフを自認する女性は、夫を家計を支えるお金を稼いでくるという責任を負う立場に置き、妻(自身)は必要なだけの金を受け取る代わりに家事労働をするという分業夫婦であることを好む。アレナ・ペティット(Alena Pettitt)は、1990年代を「仲間外れにされて」過ごした感覚があり、「男とは戦おう、外に出よう、独立しよう、ガラスの天井を破ろう」という空気が好きではなかったと語っている。代わりにペティットは1950年代と60年代のテレビ番組を好んで観た、という[10]

夫が大黒柱だから、家族の面倒をみるのが彼の仕事。家計の大事なところを押さえているわけ。私がお金を使いたくなって、ソファーを買い替えたいといえば、夫は「ノー」という。家の中でも外でも、何が起こっているのかに目を光らせているのね。お金は渡してもらってるのよ。私の仕事は、家の消耗品に関することだから、その工面のためのお金はもらうのよ。そしてもし節約がうまくいけば、残ったものは何でも私のものというわけ。
テレビ番組「This Morning」で自分の立場について語るアレナ・ペティット[11]

カトリック系の雑誌「America」によれば、トラッドワイフを信奉する女性は、ヴェールを被ることさえ受け入れる場合もあり、それがヴェールに執着する男性にとっての魅力を増すことにつながっている(カトリックの女性はヴェールを敬虔さと信心のあかしと考えることもある)[12]

反応

脚注

関連項目

Related Articles

Wikiwand AI