ドルルギン
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諸史料の一致して伝える所によると、「蒼き狼」ボルテ・チノの後裔ドブン・メルゲンと結婚したアラン・ゴアは夫に先立たれた後、日月の光の精(日月神)と交わってブグゥ・カタギ、ブカトゥ・サルジ、ボドンチャル・ムンカクという3人の息子を産んだという。この3人の息子達からはそれぞれカタギン氏、サルジウト氏、ボルジギン氏が興り、特にボルジギン氏は周辺の諸部族を征服して強大化し、モンゴル部族の中核氏族となるに至った。このように高貴な出自を持ち、モンゴル部族の支配層を構成した一族を他の氏族と区別するために用いられたのが、「ニルン」という呼称である。
以上のような高貴な出自を持つニルンに対し、特別な出自を持たない諸集団のことを『集史』は「ドルルギン」と呼称した。『集史』はニルンと違って「ドルルギン」の明確な意味を記述していないが、dürü(牛馬の鼻縄の意)から派生したdürüle-(鼻縄をかける、拘束する)という動詞が名詞化した、「拘束された者、隷属者」を意味する単語ではないかと考えられている。
ただし、「ドルルギン」とはあくまで「ニルンでない諸氏族」の総称であって、出自も性格も全く異なる多様な諸氏族が所属していた。バヤウト、スルドスなどは確かに代々隷属民であったことが窺えるが、コンギラト諸氏族は代々ニルンの姻族として繁栄した一族であり、他の氏族に隷属していたという記録はない。