ニチシノン
From Wikipedia, the free encyclopedia
|
| |
| 臨床データ | |
|---|---|
| AHFS/Drugs.com |
患者向け情報(英語) Consumer Drug Information |
| 医療品規制 |
|
| 投与経路 | Oral |
| ATCコード | |
| 法的地位 | |
| 法的地位 |
|
| 薬物動態データ | |
| 消失半減期 | Approximately 54 h |
| 識別子 | |
| |
| CAS登録番号 | |
| PubChem CID | |
| DrugBank | |
| ChemSpider | |
| UNII | |
| KEGG | |
| ChEBI | |
| ChEMBL | |
| CompTox Dashboard (EPA) | |
| ECHA InfoCard | 100.218.521 |
| 化学的および物理的データ | |
| 化学式 | C14H10F3NO5 |
| 分子量 | 329.228 g/mol g·mol−1 |
| 3D model (JSmol) | |
| |
|
| |
| (verify) | |
ニチシノン(Nitisinone、略称:NTBC)は、高チロシン血症I型の治療薬である。米国で1991年に承認されてから、肝移植に代わって治療の第一選択肢となった。似た病態であるアルカプトン尿症の治療に対する効果も研究されている。初めは除草剤として開発されていた。
ニチシノンは高チロシン血症I型の治療薬として、チロシン制限食と共に用いられる[1][2][3]。
1991年に米国で承認されて以来、肝移植に代わってI型高チロシン血症治療の第一選択肢となった[4]。日本でも厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で必要性が高いと判断されて製薬企業に開発が依頼され、2014年12月に承認された[5]。
また2025年3月サイエンス誌に掲載された報告によると、ニチシノンはマラリアを媒介するハマダラカが吸血した血液を消化するために必要な重要な酵素を阻害し、殺虫剤抵抗性を持つ蚊に対し、低用量の治療用量でも致死的効果を示しイベルメクチンよりも優れた効果を示した[6]。
作用機序
ニチシノンの作用機序は、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)の可逆的阻害である[7][8]。マレイルアセト酢酸およびフマリルアセト酢酸の生成が阻害され、肝および腎障害性を持つスクシニルアセトンの生成が抑制される[4]。肝・腎障害は高チロシン血症I型の主要な症状である[9][10]。
またアルカプトン尿症はホモゲンチジン酸ジオキシゲナーゼ(HGD)の異常であり、ホモゲンチジン酸(HGA)を体内で分解することができなくなる[11]。患者にニチシノンを投与するとHPPDが阻害され、HGA生成の最初の段階が妨げられてHGAの尿中排泄量が95%低下する[12]。罹患期間の長い患者に発現する組織褐変症の予防効果について、臨床試験が進行中である[13]。
副作用
研究開発
アルカプトン尿症モデルマウスにニチシノンを投与すると、膝軟骨の組織褐変症が抑止された。対照的に、ニチシノンを投与されなかったマウスでは全例が組織褐変症を発症した[16]。
アルカプトン尿症の患者にニチシノンを投与すると、患者のホモゲンチジン酸の尿中排泄量が95%減少することが示された[12][17]。アルカプトン尿症に伴う組織褐変症の治療に対する一連の研究が実施されている[13][18]。研究の結果によっては、アルカプトン尿症への適応申請がなされる可能性がある[19]。
ニチシノンの有効性は、DevelopAKUreと呼ばれる一連の国際共同治験で示されている[20]。欧州でアルカプトン尿症に対する臨床試験が実施される予定がある[21][22]。
ニチシノンはマウスにおいて眼および皮膚色素を増加させたため、アルビノの治療薬となる可能性がある[23][24][25]。