ネアイラ

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ネアイラ (古希: Νέαιρα, Neaira)、またはネアエラ (Neaera) は、紀元前4世紀古代ギリシアヘタイラ高級娼婦)である。紀元前343年から340年の間に、アテナイ市民と不法な結婚をし、娘をアテナイ市民と偽っていたという疑いをかけられ、裁判に持ち込まれた[1]。この裁判での法廷弁論の記録『ネアイラ弾劾英語版[2][3]』が現存することで知られる。

この弁論は『デモステネス弁論集』第59番として現存しているが、一般に偽作偽デモステネス英語版作)とされ、出廷者のアポロドロス英語版の作とされる場合もある[4][3]。この弁論は当時の娼婦についてどの資料よりも詳細であるため、古代ギリシアの都市国家における性風俗産業についての幅広い情報を読み取ることができる[5]

ネアイラ弾劾英語版』は、ネアイラの生涯の大半についての情報源である。この弁論は、ネアイラが50歳のときにアポロドロスの義理の息子テオムネストスによって起こされた訴訟に関することで[6]、テオムネストスが行った簡単な事件の紹介を除いてアポロドロスが全文読み上げたものである[1]。この事件は非市民であるネアイラがアテナイの市民と結婚し[1]、自身の子どもたちをアテナイ市民として偽装しようとしていたという告発を中心に展開した[7]

この裁判で行われた演説はネアイラの生涯にかかわる内容のものであるが、これは告訴の内容のなかではさほど重要なものではない[8]。告訴に含まれる、ネアイラのみだらな生活に対する詳細な情報は、アポロドロスの訴訟の根拠が弱いことを隠そうと望んで組み込まれたようである[9][10]。演説によって明かされた証拠の正確さには疑問が生じており、嘘と間違いを含んでいるものとして知られている[11]。こうした問題点にもかかわらず、この演説は古代ギリシアの洗練された娼婦の人生について多くのことを語っており[8]歴史家にとって古代ギリシアの女性英語版の生涯を知ることのできる資料として非常に価値が高いものでもある[12]。実際、これは古典世界における娼婦について最も信憑性のある現存している資料であり、当時の女性の生涯とジェンダー関係を全般的に記した最適な資料の一つである[11]

生涯

脚注

参考文献

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