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ノーマッド (ゲーム機)

北米市場向けの携帯型ゲーム機 From Wikipedia, the free encyclopedia

ノーマッド(Sega Nomad もしくはSega Genesis Nomad , Nomad)は、セガ・エンタープライゼスが1995年10月に発売した携帯型ゲーム機。北米市場向けのメガドライブであるジェネシスと互換性がある。日本では未発売。

概要 開発元, 種別 ...
セガ・ノーマッド
セガ・ノーマッド
開発元 セガ・エンタープライゼス
種別 携帯型ゲーム機
世代 第4世代
発売日 アメリカ合衆国の旗 1995年10月
売上台数 アメリカ合衆国の旗 100万台(2007年7月30日時点)[1]
メディア ロムカセット
CPU 16-bit Motorola 68000
Z80
ストレージ バッテリーバックアップ
コントローラ入力 内蔵(2P 外付け可)
前世代ハード ゲームギア
次世代ハード ビジュアルメモリ
関連商品 ジェネシス(北米用メガドライブ)
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本項では北米内でのメガドライブを「ジェネシス」と表記する。

歴史

1995年の時点で、セガはセガサターン、メガドライブ、ゲームギア、セガ・マスターシステム、キッズコンピュータ・ピコの5つのゲーム機と、メガCDやスーパー32Xといった周辺機器のサポートを行っていたなか、ゲームギアに続く新たな携帯ゲーム機開発を視野に、タッチスクリーンの採用を考えていた。しかし当時その技術のコストは非常に高く、本体コストの見積もりまで高くなったため見送られ、ジェネシスの携帯型として開発が決まった[2]。セガのアメリカ法人でかつて調査・開発部門のリーダーを務めたジョー・ミラーは、当初ノーマッドをゲームギアの代わりとするつもりがなく、日本法人側には携帯ゲーム機の企画がほとんどなかったと話している[3]。

日本では1994年にセガサターンが発売されたことから、既に旧世代機となったメガドライブの売れ行きは減少傾向にあり、セガサターンもソニー・コンピュータエンタテインメントのPlayStation相手に拮抗していた。そのため、この状況を見てセガ・エンタープライゼスCEOの中山隼雄は、セガのアメリカ法人でもサターンを中心とした戦略を立てることを決め、1995年夏にセガサターンを北米で売り出すことにした。そして1995年4月末には日本国内でのメガドライブ、メガCD、スーパー32Xの生産を終了させた。これは、発売前だったノーマッドの終焉をも意味していた。

1995年10月、北米限定で180USドルの価格で発売された[1][4]が、これは北米セガサターンの数か月後であり、発売の時期としては最悪だった。本機は苦戦を強いられ、1999年には50ドルまで値下げして在庫をさばこうとする業者もあった[5]。最終的な売り上げは100万台にも届かなかった[6]。

ハードウェア

メガジェットは旅客機内の貸し出しサービス向けに作られたメガドライブの変種である。

本機はメガジェットを基にした携帯機種である[4]。画面がなくACアダプタが必要なため実質的には据え置き機だったメガジェットに対し、本機には3.25インチのカラースクリーンが内蔵され、6本の単3電池で動き、ジェネシス対応のゲームソフトで遊ぶことができるため、携帯式ジェネシスとして機能した。しかし、PAL/NTSC 切り替えジャンパーが搭載されていたにもかかわらず、ヨーロッパやオーストラリアの PAL が採用されている地域では公式な流通がなかった。音声・映像出力端子もあり、テレビにつないで遊ぶことができる。テレビにつないだ状態でも本体の画面も動作する。単体では一人用だが、コントローラー・パッド端子もあり、2人で遊ぶことができる。

開発時のコードネームは「Project Venus」[4]。これは当時のセガがコードネームを惑星の名前からとっていたためである。

仕様

ノーマッドに内蔵されているMC68000

本機のCPUはメガジェット同様MC68000。メモリやグラフィック・サウンドの処理能力からみて本機の性能は据え置き機に匹敵するものだった。本機はバックライト式の3.25インチカラー画面を有しており、テレビにつないで遊ぶためのAV端子がある。デザインはゲームギアに近いものの、ボタンの数が6つある点においては、後期メガドライブに近いデザインとなっている[7]。また、本機には赤い電源ボタン、ヘッドホン差込口、音量ダイアル、マルチプレイ向けのコントローラ入力端子の差込口がある。本機は単三電池6本で2時間稼働し[4]、ACアダプタにつないで専用バッテリー(Genesis Nomad PowerBack)を充電して遊ぶこともできる[4]。専用バッテリーの値段は79ドルで、市販の充電池ほど広く流通しておらず、本機の電力問題を解決するには至らなかった。また、ジェネシスのカートリッジは本機にとっては大きすぎたため、使用中に本体を大きく揺り動かすとフリーズしたり再起動がかかったりした。

周辺機器のうちSega Activator、Team Play Adaptor、Mega Mouse、セガチャンネル、XBANDが本機に対応していたが、Power Base Converter、Sega CDやGenesis 32Xには対応していなかった[7]。

Sega CD用ソフトが遊べないという問題自体は後にROMカートリッジ用スロットへ接続する同人ハードウェア「MegaSD」により解決した[8]。

プロセッサ 68000(7.67MHz)
コプロセッサ(サウンド処理) Z80(3.58MHz)
RAM 64KB(68000用)+8KB(Z80用)
VRAM 64KB
同時発色数 512色中64色
最大スプライト数 80
画面解像度 320×224ドット
音声 YM2612(FM音源6ch)+PSG4ch、ステレオ
ディスプレイ STN液晶、画面解像度320×224ドット
消費電力 9V 850mA(メガドライブと同等)

ソフトウェア

本機専用ソフトは存在しないもののメガドライブ用ソフトは本機に対応しており、発売当時で遊べるゲームソフトは500本以上あったということになる。初期のサードパーティー製ソフトの中には、本機との互換性に問題があるものもあったが、チートツールであるゲームジニーを使えば難なくプレイできた。前述のとおりPower Base Converter、SEGA CDやGenesis 32Xとの互換性に欠けており、マスターシステムやメガドライブの周辺機器との互換性もなかった。なお、本機にはリージョンコードも設けられていたが、解除方法が見つかっている[5]。

評価

本機はその独自性と市場投入のタイミングの悪さから意見が分かれている。アメリカのゲーム誌『ゲームプロ』のブレイク・スノウは、市場投入のタイミングの悪さや不十分な宣伝、バッテリーの燃費の悪さから、「携帯ゲーム機の全世界販売台数ランキングワースト10」の第5位に入れた[1]。ゲームのデータベースサイトAllgame のスコット・アラン・マリオットは、失敗の理由は市場投入のタイミングの悪さ以外にもあるとし、「ノーマッドの失敗は市場投入のタイミングの悪さと、社内の不信感、そして本体のコストの高さが組み合わさって起こった。ジェネシスのユーザーは第2の16ビット機を作ろうと躍起になりすぎていた。」と話している[4]。

その一方で、イギリスのゲーム誌『レトロゲーマー』のスチュアート・ハントは古いゲーム機を回顧する連載で本機を取り上げ、「本当の意味での16ビット機として初めて世に誕生した存在で、メガドライブの派生機種の中では一番の名作」と評した。また、本機の中古価格高騰に触れ、「セガが後のノーマッドに込めたコンセプトをメガドライブ2以前に発想できていて、ノーマッドをメガドライブの真の後継機として売り出せていたら、アメリカでもっと長くメガドライブを売り続けるというもともとの目標は達成できていただろう」と述べた[5]。

脚注

参考文献

外部リンク

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