ハマタマボウキ
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| ハマタマボウキ | |||||||||||||||||||||
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| 分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||
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| 学名 | |||||||||||||||||||||
| Asparagus kiusianus Makino (1907) | |||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||
| ハマタマボウキ(浜玉箒) |
ハマタマボウキ(浜玉箒、Asparagus kiusianus)は、キジカクシ科クサスギカズラ属の多年草[1][2]。
学名は、九州のアスパラガス属を意味する[3]。暖地性の植物で、九州北西部と山口県西部の海岸のみに自生する日本の固有種[4][5][6][7]。
形態・生態
海岸に生息し、砂浜の最上部の平坦なところによくみられる[12][6]。
根茎は短く、細い根が横に長く伸びる。茎は角ばっており、基部には三角形の鱗片状の葉がまばらにつく[9][13][3]。茎自体は分岐せずに少し斜め上向きに 50 cm(センチメートル)から 80 ㎝ ほどやや屈曲しながら直線的に伸び、その間に多くの枝を繁らせる[9][3][14]。枝はまっすぐ伸び、条線状の溝がある[9][3]。小枝は稜角があって条線をつけ、基部に小突起を持ち、花期には緩く葉状になる[9][15][3][14]。枝の基部に不明瞭な石灰質の三角形の葉がつくがするどい棘にはならない[9][6][13]。葉状枝は、深緑色をなし[14]、まっすぐまたはやや彎曲し、稜角を持ち鑿型で、長さ 6–18 mm(ミリメートル)、針状に鋭く先細る[9][2][3]。葉状枝は開花期には単生するが[9]、開花後は3–6個束生する[9][3][14]。
雌雄異株[3][14]。花は黄緑色で、鐘型花冠あるいは漏斗型花冠で、2–6個が束生し、5月から6月頃にかけて咲く[9][3][14][15]。雄花は長さ約 5 mm[9]。果実は、直径 6–8 mm の球形で赤色、中に1–6個の黒色の長さ 3.2 mm 程度の種子を持つ[9][3][14]。
利用
食用アスパラガスとして利用されている近縁の栽培種であるオランダキジカクシ Asparagus officinalis と交雑させ、病気に強い新しい品種を作る研究が行われている[16][17]。
ハマタマボウキは耐寒性・耐病性に優れた種として知られているが[3][17]、アスパラガスの露地栽培において大きな被害をもたらすアスパラガス茎枯病の解明と克服のために、アスパラガスの近縁の野生種であるハマタマボウキの茎枯病への耐性が注目された[18][19]。
2017年にアスパラガス茎枯病の抵抗性に関与する遺伝子群が特定され、2022年にはハマタマボウキの全ゲノムが解読されたことで[20][18]、茎枯病抵抗性品種育成への道が開け、2023年アスパラガスとハマタマボウキの種間交雑により、茎枯病に対する高い圃場抵抗性(ほじょうていこうせい)を有するアスパラガス新品種「あすたま」が品種登録された[21]。