ハリケーン・オーティス
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| カテゴリ5メジャー・ハリケーン (SSHWS/NWS) | |
最盛期のハリケーン・オーティス(10月25日撮影) | |
| 発生 | 2023年10月22日 |
|---|---|
| 消滅 | 2023年10月25日 |
| 最大風速 | 1分平均: 165 mph (270 km/h) |
| 最低気圧 | 923 mbar (hPa); 27.26 inHg |
| 死者 | 48名[注釈 1] |
| 被害 | $120–160億(2023の米ドル) |
| 被害地域 | メキシコ |
| 2023年のハリケーン (太平洋) | |
ハリケーン・オーティス(Hurricane Otis)は、2023年10月にカテゴリー5のハリケーンとしてメキシコに上陸した、ハリケーンである。
オーティスは、観測史上初めてカテゴリー5の勢力で上陸した太平洋ハリケーンであり、2015年にカテゴリー4で同国に上陸したハリケーン・パトリシアの記録を超え、史上最強の上陸ハリケーンとなった[1]。

国立ハリケーンセンター(NHC)は10月15日、週半ばまでにグアテマラの南に低圧部が発生する見込みと発表[2]。
18日、テワンテペク湾の南で低圧部が発生した[3]。低圧部はその後22日までに熱帯低気圧となり[4]、6時間後にはトロピカル・ストームの勢力に達し、国際名「オーティス(Otis)」と命名された[5]。
発生直後のオーティスは海水温30度前後の海域をゆっくりと北上していたが、鉛直シアーの影響で発達が妨げられた[6]。しかし現地時間24日3時のマイクロ波衛星画像には目のようなものが確認でき、NHCはこれは急発達の前兆であるとした[7]。
24日の朝までに、オーティスはようやくハリケーンらしい渦を巻き始め、鉛直シアーの減少と30度前後の海水温によって急発達した[8]。 その際、オーティスは最大風速85km/h(23m/s)のトロピカル・ストームから、最大風速260km/h(72m/s)のカテゴリー5のハリケーンにまで発達した[9]。
NHCはオーティス上陸の3時間25分前に、オーティス上陸を「悪夢のシナリオ」と表現し、「これは、中核都市であるアカプルコにとって深刻な状況である」と警告した。
オーティスはその後上陸までに若干勢力を強め、25日の6時過ぎにメキシコのゲレーロ州アカプルコ付近に中心気圧923mb、最大風速270km/h(75m/s)のカテゴリー5の勢力で上陸した[10]。観測史上初めてカテゴリー5の勢力で上陸した太平洋ハリケーンとなり、上陸時の最大風速270km/hはハリケーン・パトリシアの記録を上回るものであった[11]。
| 順位 | ハリケーン | 年 | 上陸時の風速 |
|---|---|---|---|
| 1 | オーティス(Otis) | 2023年 | 時速 270 km |
| 2 | パトリシア(Patricia) | 2015年 | 時速 240 km |
| 3 | マドリン(Madeline) | 1976年 | 時速 230 km |
| イニキ(Iniki) | 1992年 | ||
| 5 | 無名 | 1957年 | 時速 220 km |
| 無名("Mexico") | 1959年 | ||
| ケナ(Kenna) | 2002年 | ||
| リディア(Lidia) | 2023年 | ||
| 9 | オリビア(Olivia) | 1967年 | 時速 205 km |
| ティコ(Tico) | 1983年 | ||
| レーン(Lane) | 2006年 | ||
| オディール(Odile) | 2014年 |
予報の誤差

オーティスがとりわけ異様だったのは、その予想が直前になって大きく変わったことである。
24日未明の時点ではオーティスはハリケーンより弱いトロピカル・ストームの勢力で上陸すると予想されていた。ところが同日午後には、メジャーハリケーン[注釈 2]の勢力で上陸するという予想に変わった[1]。
実際には、24日の21時にカテゴリー1のハリケーンに、翌3時にはカテゴリー3のメジャーハリケーンに、9時にはカテゴリー4、上陸直前の15時にはカテゴリー5の勢力にまで発達している[12]。
数値気象予測モデルは、データが不足していることもあり、発生したオーティスの急発達を予測することができなかった[13]。
NHC所長のマイケル・ブレナン氏を含む数人の専門家は、「東太平洋ではハリケーンの強さを評価できる海洋気象ブイやレーダーなど利用できる機器が非常に少なく、予報担当者が衛星データに依存している」と指摘した[14]。