バス通り裏
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製作の背景
放送開始当時は少年少女の家出が大きな社会問題となっていたために、家庭の温かさ、楽しさをアピールする道徳的教育番組の制作意図があった。また、長期に渡る放送を望んでいたことから、たくさんのエピソードが求められた。これらの事情を踏まえ、2つの家族を中心に多くの登場人物が登場して、ドラマを進行させることに決定した。
脚本を手掛けることになった須藤や筒井を始めとするスタッフが集まって、題名やドラマの舞台となる場所について話し合った末に、題名は須藤提案の「バス通り裏」が採用された。「裏という字は書きにくい」という反対意見もあったが、庶民的でささやかな幸福感が得られ、常識的な単語の配列ではない点[4]が採用された理由である。
そして、様々な人が集う場所がドラマの舞台に適していることから、美容院の家族を設定することになった。当初は理髪店が挙げられたが、理髪店では男性中心になってしまうために、理髪店と同じような場所でありながらも男性中心にはならない場所として美容院が採用された。そして「バス通り裏」の道路を挟んで高校教師の家族を設定したが、いずれも裕福ではない当時の平均的な日本人の家庭であった[5]。「連日の放送なので、とにかく見るのに疲れない日常的生活のエッセイのようなものを考えていた。」[5]須藤は、平均的な暮らしをしていた自身の家庭をそのままモデルにした。
放送初期はNHKのスタジオがラジオ番組などの制作におされ手狭になっていたため、外部の築地スタジオなどに中継車を持ち込み生放送されていた。また、俳優を連日拘束しなくてはならないことから、出演する俳優は出来るだけ無名の俳優を選んで、掛け持ちもさせないようにした[5]。
視聴者の反応
製作側の狙いに反して、多くの視聴者は教育番組ではなく、青春ホームドラマとして観ていた。平凡さ、つましい生活、身近な戯言や小言などの日常性が多くの視聴者の共感を得た。そして、番組開始を知らせるテーマソングを耳にすると、何時なのかがわかるまでに視聴者に親しまれた[6]。