パジャマパーティー
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原口鶴子によればコロンビア大学に在学中の1900年代初頭、同校の寮舎でナイトガウンパーティー(寝巻会)という集まりが行われており、これは寮の監督などに知られないようこっそり催される会で、夜の12時に始まり午前5時ころまで行われていたという。
舎の規則では十時半に消灯となつて居るが、十四五人の仲の善い朋輩が、六畳ばかりの小さな寝室(ねま)に集り、七つ八つの子供が飯事をするやうに、本やインキ杯を悉皆片附けた勉強机の上に、色々な勝手道具を並べ、酒精洋灯を点じ、チョコレートや牛乳や砂糖やレモンなどの菓子を作つたり、衣服戸棚の中から、roast beefの大きな塊と、麺麭(パン)や牛酪等を取出してサンドヰツチを作ったり、又甘い葡萄酒に舌鼓を打ちながら、解いてパラツと下って居る金髪よりも長広舌を振ひながら(併し耳語に近き小さな声で)、何先生は近頃髭を生やしたとか、何先生のカラーは高過ぎるとか、何處も同じ井戸端会議的の無邪気な事を、睡(ねむ)さを忘れて話し合ひ、翌日は素知らぬ顔して教場に出るのである。 — 原口鶴子「楽しき思ひ出」