パスツール効果
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説明
この効果は以下のように説明できる。
イーストは通性嫌気性菌であるため、二つの異なる代謝経路でエネルギーを産生することができる。酸素濃度が低い際には、解糖系の産物(ピルビン酸)がエタノールと二酸化炭素に変換され、1分子のグルコースから2分子のATPが生成される(エネルギー生成効率は低い)。酸素濃度が増加すると、ピルビン酸は、クエン酸回路に利用されるアセチルCoAに変換され、1分子のグルコースから38分子のATPが生成される[3]。
上記に示した様に、嫌気性の環境において、グルコースはより速く代謝されるが、生成されるATPの量は少ない。好気性の環境にさらされると、ATP産生は増加し、生成されたATPが、解糖系における第三の酵素であるホスホフルクトキナーゼ1のアロステリック阻害剤として働くため、解糖系の割合は低下する[1]。
このため、ATP産生の観点から、イーストにとっては、好気的な環境下でクエン酸回路が働くことが、より少ないグルコースから多くのATPを得られるという利点となる。