ビッグモーター
日本の中古車販売チェーン
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株式会社ビッグモーター(英: BIGMOTOR Co., Ltd. )は、東京都多摩市に本社を置いていた中古車販売・買取会社[3][10][11]。
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ビッグモーター多摩店(当時) | |
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 設立 | 1978年5月 |
| 業種 | 小売業 |
| 法人番号 | 9250001011590 |
| 事業内容 | 中古車・新車販売及び車両買取、車検・一般整備及び鈑金塗装、損害保険代理店業他[3] |
| 代表者 |
代表取締役社長 和泉 伸二 代表取締役副社長 石橋 光国 |
| 資本金 | 4億5千万円 |
| 発行済株式総数 | 21万7500株(2015年9月30日時点)[4] |
| 売上高 | 5,200億円(2022年9月期)[5] |
| 営業利益 | 57億5600万円(2015年9月期)[4] |
| 経常利益 | 56億5000万円(2015年9月期)[4] |
| 純利益 | 33億2500万円(2015年9月期)[4] |
| 純資産 | 124億7700万円(2015年9月期)[4] |
| 総資産 | 563億2200万円(2015年9月期)[4] |
| 従業員数 | 5,324名(グループ合計、2021年9月時点)[6] |
| 決算期 | 9月期 |
| 主要株主 | ビッグアセット 100%[7] |
| 主要子会社 |
ビーエムホールディングス[8][6] ビーエムハナテン[8][6][注釈 1] [注釈 2] |
| 関係する人物 |
兼重宏行(創業者、元代表取締役CEO) 兼重宏一(元取締役副社長、兼重宏行の子息) |
| 特記事項:1976年1月創業、2024年5月承継分割 | |
2024年5月に社名を株式会社BALM(バーム)へ変更し、全ての事業を株式会社WECARS(ウィーカーズ)へ引き継いでいる[2][12]。
概要
1976年、元代表取締役社長の兼重宏行が、出身地の山口県岩国市で創業[13]。自動車販売から買取・車検・修理・板金塗装・損害保険・リースなど、自動車に関するサービスすべてに対応する「ワンストップショッピング型」の店舗を全国で展開[14]。しかし、1997年及び2011年には子会社の解散や資本金等の減資を行うなど、徐々に縮小していた[15][16][17]。
しかしながら2015年、本社を東京都港区六本木に移転。その後の帝国データバンクの発表によれば、2022年度の中古車業界の中で売上高ベースのシェアは約15%でトップであった[18]。
2023年5月時点で従業員数6000名、全国300店舗以上を抱えており[11]、公式ウェブサイトでは「買取台数6年連続日本一」とアピールしていた[19]。CMキャラクターには、俳優の西村雅彦、大森南朋や佐藤隆太などを起用[20]、当時のキャッチフレーズは「やっぱりビッグが一番!」。
2023年7月時点では全ての株式を兼重一族の資産管理会社である株式会社ビッグアセット(本社:東京都港区六本木1丁目9番18号、代表取締役:兼重宏行)が所有[7][6]。
2024年5月、伊藤忠商事は分割承継についてのプレスリリースを発表[21]。ビッグアセットから特別目的会社(SPC)へ株式を譲渡、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(以下、JWP)がSPCを買収、ビッグモーターから改称した存続会社BALMはJWP傘下(単独株主)となった。BALMでは損害賠償や訴訟対応、債務返済に専念する[22]。また事業を承継した新会社WECARSには伊藤忠グループ(伊藤忠商事・伊藤忠エネクス)が49.9%、JWPが50.1%を出資[23][1]。3社の出資合計は400億円、約250店舗と約4200人の従業員を引き継いだ[12]。
分割承継までの経緯
1代で業界トップ企業となり、2013年から約10年で売上を8倍に伸ばすなど急成長を遂げていたが、2022年秋頃より、不正に請求していた保険金の返還や自社が運営する民間車検場の指定取り消し報道などの影響で大幅に減益しており、さらに2023年7月からは、それらを含むその他の違法、不正行為も続々と報道されていた(#主な不祥事参照)。
2023年11月17日、伊藤忠商事と子会社の伊藤忠エネクス、JWPによる、独占交渉権を含む基本合意書を締結したと発表した[24]。
2024年3月6日、伊藤忠商事グループとJWPは事業再建が可能であると判断し、ビッグモーターの買収を正式に発表した[25][26]。買収額は約600億円[26]。発表ではビッグモーターを2つに分割し、中古車販売や整備などの主要事業を引き継ぐ新会社を4月後半に発足させるほか[25]、新会社には兼重宏行を始めとする創業家を経営に関与させず、企業風土を一新するとしている[25]。新会社の持ち株比率(議決権ベース)はJWPが95%、伊藤忠グループが5%となる見通し。伊藤忠グループが数年後にJWPが保有する新会社の株を買い取り子会社にする方針が報道された[26]。
沿革
- 1976年(昭和51年)1月 - 山口県岩国市に兼重オートセンターを創業。
- 1978年(昭和53年)5月 - 株式会社に改組、法人化(設立)。
- 1980年(昭和55年)2月 - 株式会社ビッグモーターに商号を変更。
- 1993年(平成5年)4月 - 鈑金塗装専門工場「ビッグボデー下関」新設。
- 1994年(平成6年)3月 - 外国車専門販売店舗「ビッグバージョン」新設。
- 1995年(平成7年)10月 - 株式会社エム・エー・シーを買収し、100%子会社で事業承継。
- 1997年(平成9年)
- 4月 - 鈑金塗装専門会社「ビッグボデー徳山」新設。
- 10月 - 株式会社オートビッグ(本社:山口県岩国市)を解散し吸収合併。資本金を減資[15]。
- 2001年(平成13年)11月 - 山口車検指定工場を岡山に移転、山口工場移転。
- 2003年(平成15年)
- 8月 - 有限会社バイキングを有限会社ビッグ九州に社名変更。
- 10月 - 株式会社エム・エー・シーを株式会社ビッグ四国に社名変更。
- 2005年(平成17年)4月25日 - 関西地区の老舗の中古車ディーラーであるハナテン(本社:大阪市城東区)に資本参加してグループ傘下に収め、店舗網を拡大。
- 2008年(平成20年)4月 - 株式会社オート周南を解散し、吸収合併[27]。
- 2011年(平成23年)- 8月22日、資本金を1.7億円、資本準備金の額を1.8億円を減資[17]
- 2013年(平成25年)
- 1月 - 100%出資子会社の株式会社ビッグ四国、有限会社ビッグ九州・株式会社ビッグアシストを吸収合併[28]。
- 10月 - ハナテンの直営店が「ビッグモーター」に転換。
- 2015年(平成27年)11月 - 本社を東京都港区六本木六丁目10番1号に移転。
- 2016年(平成28年)
- 2018年11月15日 - 同業のIDOMの株式を984万株(9.21%)保有したことが大量保有報告書にてリリースされた。
- 2022年(令和4年)

主な不祥事
名称、肩書は全て当時のもの。2024年5月1日以降「ビッグモーター」は「WECARS」または「BALM」で表記する。
過剰な営業ノルマと社員間での罰金制度
従業員による買取代金の詐取
2022年6月、一旦は支払った買取代金を「書類の不備」を口実に返金させる手口で客22人から約2,400万円をだまし取ったとしてビッグモーター多摩店の元従業員が逮捕された[37]。
修理費水増しによる保険金不正請求
不正疑惑報道~ビッグモーターによる調査報告書公開
2022年8月、ビッグモーターによる保険金不正請求とその不正事実を知りながらも一部損害保険会社が取引を行っていると報道された[38]。
- 2021年秋ごろ、損害保険会社の業界団体へ内部告発が行われる。これを受けて2022年初旬に損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)、東京海上日動火災保険(以下、東京海上)、三井住友海上火災保険(以下、三井住友海上)の3社がサンプル調査を実施。その結果水増し請求が疑われる事案が見つかったためビッグモーター側に自主的な調査を求めたところ、ビッグモーター側は水増し請求の事実は確認したが「作業員のミスによるもので意図的なものでない」と損保側へ報告[38]。
2023年1月30日、ビッグモーターは特別調査委員会を設置[39]。
同年7月18日、ビッグモーターより調査報告書が公開される[30]。
- この調査報告書[6]に記載された保険金不正請求の原因として、1.不合理な目標値設定、2.コーポレートガバナンスの機能不全とコンプライアンス意識の鈍麻、3.経営陣に盲従し忖度する歪な企業風土、4.現場の声を拾い上げようとする意識の欠如、5.人材の育成不足、などが指摘されている。
また、損保会社からビッグモーターに対しての保険金の返還請求も開始されている[8]。
ビッグモーター記者会見~金融庁による報告徴求命令発出
同年7月31日、金融庁はビッグモーターおよび同社と保険代理店契約を契約している損保ジャパン、三井住友海上、東京海上、あいおいニッセイ同和の大手4社、共栄火災海上保険、AIG損害保険、日新火災海上保険の中堅3社に対し、保険業法に基づく報告徴求命令を発出した[40]。
金融庁による立ち入り検査~損害保険代理店の登録取り消し命令
同年11月24日、金融庁・関東財務局はビッグモーターに対し同年11月30日をもって損害保険代理店としての登録を取り消す命令を発出した[41]。
2024年3月26日、損害保険料率算出機構はビッグモーターによる保険金不正請求の影響を公表。不正な支払額は最大で約90億円と試算された[42]。
同年7月22日、BALMから損保各社に対し、調査の打ち切りと裁判所の調停を通じ協議・解決すると伝えたことが報道された[43]。
国土交通省・地方運輸局からの行政処分、立ち入り検査
かねてから国土交通省・地方運輸局から指定自動車整備事業(民間車検場)の指定取り消しなどの行政処分が下されている。
- 2022年2月4日 びわ湖守山店(滋賀県守山市)で事業停止(25日間)などの処分[44]。
2024年3月29日、国土交通省はビッグモーターに対する行政処分などの結果と再発防止策をとりまとめ発表した[45]。全130事業場中125事業場で法令違反を確認、事業停止など行政処分または行政指導を行った。
下請け会社への値下げ強要・公正取引委員会の調査
2024年3月15日、公正取引委員会はビッグモーターとビーエムハナテンに対し下請法違反についての勧告と指導を行ったと発表した[47]。
消費者庁による公益通報者保護法・内部通報体制の調査、その他
2024年7月24日、2022年9月から23年11月にかけて、車体の骨格部分に損傷があった車両計30台を約40万~250万円で売り出し、少なくともうち4台は消費者に販売。消費者庁はこれを景品表示法違反(優良誤認)としてWECARSに対し措置命令を出した[48]。
店舗周辺の街路樹等に対する器物損壊

全国の多数店舗において、店舗周辺の街路樹等への意図的な損壊行為が相次いで報じられた。
2024年1月30日、本社に勤務していた社員の男を、川崎市の店舗前の街路樹のオオムラサキツツジ6本(10万円相当)を伐採したとして神奈川県警が器物損壊の容疑で逮捕した[49]。
2024年3月4日、警視庁捜査1課は兼重宏一前副社長や東京都内4店舗の店長ら計13人を器物損壊容疑で書類送検した[50]。
ビッグモーターによる記者会見・メディア対応
同月25日、ビッグモーターによる記者会見が初めて行われ[注釈 3]、代表取締役社長の兼重宏行、後任社長となる予定の専務取締役の和泉伸二ほか2名が出席した。
- 保険不正請求の事実を認め陳謝し、同月26日付での自身の代表取締役社長の辞任と取締役副社長の兼重宏一の辞任を発表した。
- 「元社員」と称する者がYoutube上で告発した点を「変な動画」と表現し悪意のあるメッセージであると不快感を示した。