ピラニア
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| Piranha |


ピラニア(ポルトガル語: piranha [piˈɾɐ̃ɲɐ]、スペイン語: piraña [piˈɾaɲa][注 1])は、アマゾン川など南アメリカの熱帯地方に生息する肉食の淡水魚の総称である(特定の種や属を示す単語ではない)。ピラニアと呼ばれる魚は基本的にカラシン目セルラサルムス科セルラサルムス亜科(Serrasalminae)に属する種が主だが、分類が曖昧な種もある。
"piranha"とは、現地のインディオの言語であるトゥピ語で「魚」を意味する"Pira"と、「歯」を意味する"Ranha"を合わせたもので、「歯のある魚」の意味。
生態
ピラニアは、上記のメチニス系の草食魚類から、1000万年 - 800万年ほど前、雑食のメガピラニア(学名:Megapiranha paranensis)を経て、現代の肉食のピラニアへと進化した[1]。そのため草食系の気質が多く残っている。概して臆病な性質であり、特に単体での性格は極端に臆病であるため群れることを好む。自分より大きく動くものに対しては、すぐ逃げる傾向がある。寿命は7-10年程度である。
野生種の食物は他の魚や稀に水に落下した雛鳥やネズミなど、主に自分よりも小形の魚類や動物類である。他には川で死にかけている、もしくは川で死んでからあまり時間が経っていない動物類の肉も食べる。獲物からは常に距離を取り、その安全圏から獲物の肉を盗み取るように高速に泳ぐ。ただし、血液臭や水面を叩く音に敏感に反応し、群れ全体が興奮状態となると水面が盛り上がるほどの勢いで獲物に喰らい付く[2]。このような捕食シーンの展示は水族館のショーの定番である。
群れは常に同じ水域で活動しており、ほとんど移動しない。そのため、乾季になると多くのピラニアが干上がった川に取残され、カメや野鳥やアヒルの餌となっている。
人間との関係

鋭利な歯と強靭な顎を持つ肉食性の魚であるが、メディア報道や映画などによって広められた「人喰い魚」は誇張である[3][4]。水域におけるピラニアや獲物の密度が高かったり、出血状態で生息域に入ったりすることなどで噛みつかれる例はまれにある[5]。ブラジルにおいて2012年から2022年に発生した、20人以上の負傷者が出たピラニアの襲撃事例を分析すると、攻撃された理由の大半は、生息域に不適切に餌を投棄したことや、繁殖期にピラニアの巣や幼魚に人が近づいたことであった[3]。ピラニアによるけがの8割は軽傷であった[3]。
ピラニア自体はたんぱく質が豊富で、現地では食用とする。味は良い。鋭い歯はその切れ味の良さから散髪に用いられるなど、鉄器文明がない地域であったこともあって、古来から刃物として活用されている。
また、ピラニアは「アマゾン川の魚」としてデンキウナギと並んで世界的に有名な魚であり、外国人にも人気が高いことから、現代では重要な「観光資源」としても扱われている。ピラニアの肉を用いた料理のほか、特徴であるその鋭い歯を使った各種の日用品および装飾品や、そのまま姿干しにしたり剥製にしたりしたものが土産物として人気が高い。
釣りでも釣ることができるが、ルアーで釣るとルアーの一部が噛み千切られるほどの鋭い歯をもつ。
観賞魚としてのピラニア
鋭い牙に注意していればピラニアは飼育が容易な種である。ただし、水槽の中に手を入れて作業する場合、噛まれて大怪我をする事故が起こる。同様にピラニアが水の外に出て暴れているような状況で、素手や軍手程度の装備で捕まえようとする行動も事故を誘発する危険がある。食性に対しては、主に活餌としての金魚のほか、刺身や鶏肉などで対処可能である。
日本には1950年代後期に大阪の園芸会社の橘善兵衛によって、初めてブラジルから輸入された。熱帯種のため、日本の河川では越冬することが基本的にできないが、稀に温暖な地域や、暖かい水が流れ込む水域では越冬し、おそらく飼育されて逃がされたものと見られるピラニアが日本の河川で捕獲されることがある。


