前述の様に1985年から86年と僅かな活動期間であったフィーカル・マターは1985年の始めにボーカルとギターをカート・コバーン、ベースにデイル・クローヴァー、ドラマーにグレッグ・ホーカンソンを担当するかたちで結成された。同年12月にグレッグが脱退するまで彼らはオリジナル曲とカバー曲の練習に時間を費やした。グレッグが脱退してしばらくするとカートとデイルはベリアンのカートの叔母であるマリ・アールの家で『イリテラシー・ウィル・プレヴァイル・デモ - Illiteracy Will Prevail demo - 』を4-トラックレコーダーで録音した。1986年にはベースにバズ・オズボーン、ドラムにマイク・ディラードが加入したが、カートはオズボーンがベース用のアンプの購入を拒否したことからオズボーンがフィーカル・マターとしての活動を本気でしようとはしていないと考え、同年2月フィーカル・マターは解散した。
カートは友人や周囲の仲間達にデモ・テープを配布し、知人のクリス・ノヴォセリックにも渡した。ノヴォセリックが渡されたデモ・テープを聴くと彼はこのデモ、とりわけ「スパンク・スルー」を気に入り、コバーンとニルヴァーナを結成した。その後この新体制の下、「スパンク・スルー」を再録音し、再録音されたスパンク・スルーはサブ・ポップ所属アーティストらのコンピレーション・アルバムであるサブ・ポップ 200に収録されることとなった。この「スパンク・スルー」がフィーカル・マターにとってニルヴァーナ名義でリリースされたとはいえ公式にリリースされた唯一の楽曲となる。2005年に発売された「スリヴァー」にて「スパンク・スルー」の他、『ブリーチ』に収録されたニルヴァーナが再録音したバージョンの「ダウナー」「アノレクシスト」、九分にわたるデモのメドレーが収録された。また2004年に発売された『ウィズ・ザ・ライツ・アウト』にもこれらの曲が収録されている。2006年の3月には不完全な、低音質の『イリテラシー・ウィル・プレヴァイル・デモ』がインターネットを通じて流出し、一週間後にMyspaceにて完全な状態のデモの楽曲「サウンド・オブ・ディンテージ」「バンビ・スラーター」や「ラミニネッテッド・エフェクト」が暫定的に公開された。これらはコレクターで正規のデモ・テープを聞いたことがあるマイク・ジグラーにより正規と確認された。