フォーセットアムール
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主人公のコルクが黒魔術集団ホーリーキャスクに連れ去られた姉メリヤを救出に向かう内容。コルクは通常時は鎧を着けているがダメージを受けると下着だけとなってしまい、さらにダメージを受けると裸となって1ミスになる。残り人数が0のままミスするとゲームオーバーとなってしまう。ゲームオーバー時はステージごとに異なったディフォルメ状態のコルクのイラストが表示されるが、ラストステージ戦でゲームオーバーになるとディフォルメされていないコルクの全裸イラストが表示されるようになっている。また旧システムカードで起動しようとした際の警告メッセージも、コルクの全裸イラストとなっている[1]。
全7ステージで構成されておりビジュアルシーンが美しく仕上がっている反面、ステージ毎のプレイ時間が短くならないようにしたことからゲーム進行のテンポが悪い上後半の難易度が高くなってしまった。これはVRAMの関係でステージの最長画面が決まっており延長できず、ワイヤーアクションを行わせる都合から上下の移動を増やして足を遅くするという調整の結果だったという[1]。
コルクの武器“二節棍”は普段は両端に刃のある槍のような形状であるが、中央から分割して鎖で伸ばすことができる。この武器を用いて遠くの敵を突き刺したり、振り回して広範囲に攻撃したり、天井に突き刺してぶら下がったりする多彩なアクションが本作の特徴である。デバッグ段階ではさらに連続回転ジャンプで敵の上を渡っていったり、ワイヤーアクションを駆使して雲の下を潜り抜けたりといったアクションが可能だったが、ナグザットからの「やめてくれ」という要望を受けて削除された[1]。
一方、コルクの防具“伝説の鎧”はビキニアーマーの系譜に連なる形状であり、上半身は重装甲にもかかわらず下半身はハイレグのレオタードとなっている。前述の通り敵の一撃で破損することから脆いようにも思えるが、実は即死しかねない攻撃を不可視のバリアで防ぎ着用者の身代わりになって壊れる設定。また、元々はメリヤの着用を想定していたところから、持ち主に合わせて形状が変化するとも設定されている[1]。
初期タイトル案は『プロパガンダ』だったが、宗教的な理由で没となった[1]。決定タイトル“Fausseté Amour”とはフランス語で偽り(フォーセット)・愛(アムール)、すなわち“偽りの愛”を意味する。
当初、牧野竜一の案ではコルクは金髪で、鎧も赤と青と白に塗り分けられたものだったが、1スプライトにつき16色であるPCエンジンの色数制限があり金髪は表現不可能と判断された結果、赤(鎧の色)と青(髪の色)が基調のカラーリングとなった他、ゲーム制作進行上の都合から多くのモーション案が再現できず、ゲームには反映されなかった[1]。
『ゲームコミックコレクション』Vol1からVol3にかけて秋山拓真によるコミカライズが連載された。 全3話のためストーリーはダイジェストになっており、コルクがホーリーキャスクの拠点であるガレス城で四天王を打ち破り、洗脳された姉メリヤ、首魁であるゴートボーンとの対決を経て、蘇った邪神サーキュラーとの決戦に挑むところで終了となった。
あらすじ
民衆が王政から自立し、自らの手で政治を行おうとしていた頃、北方の宗教国家ベリヤでは邪教ホーリーキャスクが猛威を振るっていた。ゴートボーンを名乗る首魁が魔界から魔物を呼び出して罪のない人々を虐殺して回っており、この脅威を前にベリヤは暗黒の時代を迎えつつあった。
2年前に流行り病で没した伝説の剣士カール・ランスを父に持つ少女コルクは、故郷グリーンバレーの村をホーリーキャスクによって襲われ、恋人ブルックとの結婚を間近に控えていた最愛の姉であり父の伝承者でもあるメリヤを誘拐されてしまう。たった一人、姉を助けるため戦うことを決意したコルクは、父を訪ねてきた老人ゲイルから伝説の戦士である"神の使徒"の武具、鎧と二節棍を授かり、ゴートボーンの君臨する魔城ガレスへと旅立つ。
コルクは魔物の群れや式神四人衆[注釈 1]を退けて魔城ガレスに辿り着き、囚われた姉メリヤと再会するが、すでにメリヤはゴートボーンに洗脳されており、ホーリーキャスクの戦士に成り果てていた。もはや説得も通じず、襲いかかってきたメリヤを斬るしかなかったコルクは、死に際に正気に戻ったメリヤから、ゴートボーンの正体が姉の恋人ブルックである事を明かされ、邪神に洗脳された彼を救うすべはなく、せめて自分と同じようにその魂を救って欲しいと懇願される。コルクは悲しみに暮れながらもゴートボーンとの戦いに挑み、そして復活を果たした邪神サーキュラーをも討ち滅ぼす。
戦いを終えたコルクはメリヤとブルックの亡骸を前にして涙するが、そこに再びゲイルが現れ、彼の力によってメリヤとブルックは蘇る。その後、結婚式を挙げるメリヤとブルックの幸せな姿を、コルクは満面の笑みで祝福するのだった。
登場人物
- コルク・ランス
- 声 - 夏樹リオ
- 本作の主人公。伝説の剣士カール・ランスの娘。
- 故郷の村グリーンバレーを滅ぼされた際、ゲイルから使徒の武具である伝説の鎧と二節棍を託され、魔物にさらわれた姉メリヤを助けるため単身魔城ガレスへと向かう。
- ゲーム版では作中での成長はあまり描かれていないが、コミカライズ版では戦いの中でその実力を成長させていったようで、序盤は雑兵数体にも息切れし、アモンの動きもまるで読めなかったが、魔城にたどり着く頃には別人のような強さを身につけていた。またコミカライズ版では鎧が身代わりになって弾ける描写はなく、極めて頑丈な鎧といった描写に留まっている。
- プレイ画面の自機は桃色の聖なる鎧の下は純白のレオタードだが、ゲーム中のイベントCGでは鎧と同じ桃色のレオタードとなっている。公式イラストでも同様に鎧と同色のレオタードを着用しているが、こちらは鎧が赤みがかっており、レオタードも赤みの強い桃色となっている。牧野竜一による原案では前述通り鎧が明確な赤に塗られているため、コルクのレオタードも赤色である。
- ナグザットから発売された『クイズ DE 学園祭』には加賀浦竜子として登場しており、体育館で主人公とクイズ対決を行う。そちらでのCVは國府田マリ子。
- ゲイル
- 声 - 広森信吾
- 謎の老人。カール・ランスの古い友人で、邪教に攫われたロイナー伯爵の嫡子ブルック公を救出するべく、カールを頼ってグリーンバレーを訪れた。
- カールの死と伝承者メリヤが攫われた事を知り、姉の救出に赴くコルクへと聖なる戦士・使徒の武具を託す。
- 戦いを終えたコルクの前に再び現れ、ブルックとメリヤを蘇生して姿を消した。その事から、恐らくは神そのものだったのではないかと思われる。
- コミカライズ版では登場しない。
- アモン
- 声 - 山本則子
- ステージ1と5のボス。式神四人衆の一人。勝ち気な性格で、プライドが高い。
- コルクや人間の事を見下しているが、コルクに敗れると再戦を誓って撤退する。
- コミカライズ版ではプロケルへの対抗心が強く、より自信家な面が強調されており、コルクを侮っていた事でプロケルと言い争いになってゴートボーンから折檻を受ける。コルクとの戦いでは、コルクに顔を傷つけられて怒りを顕にする姿も描かれた、またプロケルと張り合っていても嫌っているわけではないようで、再戦時はプロケルが敗れた事で激昂してコルクに襲いかかり、初戦時とは比較にならないほどの実力を身につけたコルクに切り捨てられた。
- プロケル
- 声 - 今淵仁音
- ステージ2と5のボス。式神四人衆の一人。落ち着いた性格で、どこか品がある。
- 自分の下まで辿り着いたコルクの実力を素直に認め、敗北した際には約束を守ってメリヤの居場所を伝える。
- コミカライズ版ではアモンへの対抗心が強く、アモンが第一の刺客に選ばれた際は反発し、彼女では不足だから自分に任せるようゴートボーンに進言した事で言い合いになり、ゴートボーンから折檻を受ける。再戦時は四人衆の中で真っ先にコルクに敗れた。
- リリム
- 声 - 山本則子
- ステージ3と5のボス。式神四人衆の一人。口が悪いが何処か憎めないお調子者。しかし実は頭脳派。
- コルクの前に虜囚となったメリヤの姿で現れて不意を突き、騙されたコルクを嘲笑しながら襲いかかり、返り討ちにあうと命乞いをして逃げ延びる。
- コミカライズ版ではアモンとプロケルの言い争いを静観していた事で、ゴートボーンからの折檻を免れ、言い合いに参加しなくて良かったと安堵している。再戦時はアモンとプロケルが敗れたのを目の当たりにして、コルクの実力が自分たちを量がしていることを冷静に分析。その上で「負けると思うけど」と零しつつ、マーラに手出ししないように頼むと、四天王の意地をかけてコルクに単身で挑み、敗れた。
- マーラ
- 声 - 玉川紗己子
- ステージ4と5のボス。式神四人衆のリーダー。冷静な性格で、状況を分析して的確な攻撃を繰り出す。
- ゴートボーンに忠誠を誓っており、なんとしてもコルクを魔城に赴かせまいとして立ちはだかる。
- ステージ5では式神四人衆を率いて、全員でコルクに最後の戦いを挑む。その仲睦まじい姿に、コルクは姉との絆を思い出す。
- コミカライズ版では四人のまとめ役としてアモンとプロケルの言い合いを仲裁するも、ゴートボーンにまとめて折檻を受ける。再戦時は次々と仲間が敗れるのを目の当たりにし、獣化してコルクと戦うも敗北。ゴートボーンの名と、自分たちの夢を託していた事を呟き、息絶えた。
- メリヤ・ランス
- 声 - 玉川紗己子
- ステージ6のボス。コルクの姉。カール・ランスの剣技を受け継いだ伝承者だったが、魔物にさらわれてしまう。
- ゴートボーンに洗脳され、ホーリーキャスクの剣術指南としてコルクの前に立ちはだかる。
- 死の間際に正気を取り戻し、コルクにゴートボーンの真実と救済を託して息を引き取る。
- コミカライズ版ではコルクを前にして辛うじて正気を取り戻し、洗脳に抗えているうちに自身を殺すようコルクに懇願。再び洗脳に屈服する寸前にコルクに討たれる。
- ゴートボーン
- 声 - 広森信吾
- ステージ7のボス。邪教ホーリーキャスクの首魁であり、メリヤを攫って村を焼き払ったコルクの仇。
- その正体はメリヤの恋人、ロイナー伯爵の子息ブルック公その人。人間と共存することを選んだ魔族の子だったが、母は魔女狩りにあって殺されてしまう。その後ロイナー伯爵に引き取られた息子として育てられたが、母を殺した人間への恨みを捨てきれず、邪教ホーリーキャスクを率いるゴートボーンとなって邪神サーキュラーに手を貸してしまう。しかし本心はメリアの事を愛しており、人間への憎悪を邪神サーキュラーに利用され、操られていただけに過ぎなかった。
- ゲーム版ではもはや完全にサーキュラーに支配されており、歯向かうコルクを惨殺して剥製にすることで永遠に嬲り物にせんと襲いかかってくる。コミカライズ版では半妖魔という設定で、未だ正気を保っており、コルクを前にして素顔を見せて会話を交わす。しかし人としての情愛を捨てきれなかったせいでサーキュラーに見限られ、殺害された。
- サーキュラー
- 最終ボス。全ての黒幕である邪神。ゴートボーンの死と共に復活を果たし、宿敵である聖なる使徒となったコルクとの決戦に挑む。
- ゲーム版では言葉を発しない山羊頭の怪物だが、コミック版では頭部がドクロのようになっており、言葉を話す。ゴートボーンの死を嘲り、コルクを激怒させた。
スタッフ
- ゲーム・プログラム:高橋聖人
- ビジュアル・プログラム:露木徹
- ゲーム・デザイン:宍倉典幸
- シナリオ:安部淳也
- BGデザイン:藤沢知恵、小宮直輝
- ビジュアル・デザイン:那須秀幸、森由紀子、田島大輔
- スプライト・デザイン:松山浩志、長谷川岳志
- 原画製作:TOMBOY
- 原画プロデューサー:松永広樹
- キャラクター・デザイン:牧野竜一
- 原画:飯塚正則、名村英敏
- サウンド・プロデューサー:大島俊一
- ギター:西尾智浩
- ドラム:富田康士
- 笙:早川順子
- 弦楽四重奏:逸見純子、五十嵐さやか、大木加代子、中村智恵
- バンド:モンキードロップ
- プロデューサー:福田雅之
- スペシャル・サンクス:山名和夫、辻川英章、CHISATO、中川徹、村松徹、本田猛、竹田康彦、仲森友則、増田典子、滝本力、下釜直明、徳間書店インターメディア
- 制作:株式会社 AIM