フリース
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フリース(fleece)とは元来、羊毛のことを挿すが、現在は合成繊維をパイル地に起毛させて羊毛のよう柔らかくすることを指す。
初期ナイロンフリース
1942年にアメリカで開発された100%人造繊維(スパンナイロン)による紡毛風のコート用生地が初見である。第二次世界大戦下で軍需用途には適さなかったナイロンの端材を活用し、United Merchants and Manufacturers Corp(UM&M)の技術部門によって開発された。当時「試験管から生まれた魔法の生地」と称され、カシミアや最高級キャメルヘアに匹敵する起毛感、ウールを凌駕する耐久性、撥水性、難燃性、防虫性を備えたハイテク素材として紹介された。製品化されたコート類で、保温性を高める絶縁体として裏側にコットン生地が貼り合わされていた。
マックレガーによる世界初の合成繊維フリース
1954年にマックレガー(McGREGOR)が採用したデュポン社ナイロンを使用したパイルフリースが世界で最初の合成繊維フリースである。マックレガーの代表的なアイテムであるアンチフリーズシリーズのパイルインナーを利用しアウターとして一枚で着れるジップアップ式へと変化した。
パタゴニアの登場
1970年代に入りパタゴニア創業者イヴォン・シュイナードが漁師のポリプロピレンセーターに着目しパイルアウターを試作を開始。1977年にアクリル100%の「パイル・ジャケット」を製品化した。しかしこれには毛玉(ピリング)が発生しやすいという課題があった。1979年にモールデンミルズ社が、より毛玉のできにくいPET(ポリエステル)素材を開発。パタゴニア社から1981年に発売されたシンチラ(Synchilla)が、現在のフリースが普及する形を作った。
材料
Polartec
モールデン・ミルズ社によって開発されたフリース生地であるポーラテックは吸湿性、保温性、軽量で極めて優秀な生地であるが、不織布であるから機械洗濯をすると毛玉ができたり目が詰まってフエルト状になる。これはウールに対する配慮と同じ。酵素入り洗剤溶液に数分放置または押洗で充分。これで初期の柔軟性が維持できる。最近の洗剤にはたいてい酵素が入っている。酵素活性はメーカーによって大差がある。
吸湿性抜群で冬だけでなく夏の肌着やスポーツ着にも好適だが、この高機能の故に保存容器には注意する必要がある。たとえば、防虫剤などが残留している衣類箱やポリ袋に保管すると微量の防虫剤を吸着するので皮膚炎症の原因ともなる。高機能素材ゆえの注意である。特に乳幼児用の高機能フリースの保存にはそれなりの注意が必要。皮膚の敏感な女性も同じである。袋や衣類箱使用には注意。
高機能素材の特性を享受するためには、その特徴を理解した対応が必要。