ブッデンブローク家の人々
トーマス・マンの小説
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内容
全体は11の章からなり、副題として「ある一家の没落」(Verfall einer Familie)が付されている。
初代当主である老ヨハン・ブッデンブロークは、現実的な性格を持って商会を立ち上げた人物であり、作中ではすでに引退して次男に商会をゆだねている。2代目ヨハンは商会を維持していき、オランダ領事の名誉職も得るが、1848年の革命の影響で商会に多大な損害を与えてしまう。3代目トーマスは一家を誇りに思い、家長としての威厳を保つように努めるが、その反面自分の精神的な弱さと一族の没落を察知しており、孤軍奮闘の末に心労で倒れる。残された4代目ハノーはすでに現実的な望みを失っており、音楽のみに情熱を傾けている。
作品は当初、兄ハインリヒ・マンとの共作となる予定であったが、兄が不都合になり一人で執筆する形となった。執筆には1897年から1900年まで3年がかけられている。
あらすじ
- 第1部
- 1835年 リューベックのブッデンブローク家の夕食。一家の紹介。
- 老ヨハン、その妻アントワネット、その息子ヨハン(ジャン)、その妻エリーザベト、その子ら、つまり長男トーマス、長女トーニ、次男クリスチャン。
- 第2部
- 4 老ヨハンと妻アントワネットが死去。
- 5 トーマスは16歳。父ヨハン(ジャン)の会社に入社。
- 第3部
- 2 実業家グリューンリヒが18歳のトーニへ求婚。
- 14 グリューンリヒの押しが成功し、トーニと結婚。
- 第4部
- 1 トーニは娘エリカを生む。
- 6 グリューンリヒが破産。
- 10 トーニは離婚。
- 11 1855年 当主ヨハン(ジャン)が死去。
- 第5部
- 1 トーマスが一家の当主となった。
- 3 クリスチャンの勤務は不まじめ。
- 8 トーマスはトーニの友人ゲルダと結婚。
- 第6部
- 3 トーマスの説得でクリスチャンは会社を辞め、ハンブルクで別会社を経営。
- 6 トーニはホップ商人ペルマネーダーと再婚。
- 11 トーニは再び離婚。
- 第7部
- 1 トーマスとゲルダに長男ハンノが生まれる。
- 2 クリスチャンの会社は財政危機から廃業。
- 4 トーマスはリューベック市の参事会員になる。
- 5 新しい家を建てた。ハンノは成長が遅い。
- 第8部
- 1 トーニの娘エリカは、火災保険会社員ヴァインシェンクと結婚。
- 6 ハンノは音楽の才能を見せる。
- 9 ヴァインシェンクは詐欺罪で禁固刑になる。
- 第9部
- 1 トーマスの母、エリーザベトが死去。
- 2 クリスチャンは身持ちのよくないアリーネと結婚を希望し、トーマスと口論。
- 第10部
- 7 トーマスは抜歯した帰りに転倒、意識を失う。
- 8 トーマス死去。
- 第11部
- 1 トーマスの会社は売却された。クリスチャンはアリーネと結婚。その後精神病院に入院。
- 4 1877年 ハンノはチフスで死んだ。
映画化・ドラマ化
ドイツでは1923年、1959年、2008年と3度映画化されており、また1971年にイタリアで、1979年には独仏合作でそれぞれテレビドラマ化されている。
影響と評価
日本語訳
- 成瀬無極譯『ブッデンブロオク一家 (1)』新潮社〈世界文學全集 第2期 11〉1932年2月。NCID BN15102247
- 成瀬無極譯「ブッデンブロオク一家 (2)」 『ブッデンブロオク一家 (2)、歎きの天使』新潮社〈世界文學全集 第2期 19〉1932年8月。NCID BN08010386 に所収。(ハインリヒ・マン作「歎きの天使」は、和田顯太郎訳)
- 成瀬無極譯『ブッデンブロオク一家(全4巻)』岩波書店〈岩波文庫〉Ⅰ 1937年3月、Ⅱ 1937年3月、Ⅲ 1937年4月、Ⅳ 1937年5月。国立国会図書館書誌ID 000000789897
- 成瀬無極譯『ブッデンブロオク一家(全4巻)』岩波書店〈岩波文庫〉1951年12月。国立国会図書館書誌ID 000000916979
- 實吉捷郎譯『ブッデンブロオク家の人々 1』河出書房〈世界文豪名作全集 8〉1954年3月。国立国会図書館書誌ID 000000915648
- 實吉捷郎譯『ブッデンブロオク家の人々 2』河出書房〈世界文豪名作全集 9〉1954年8月。国立国会図書館書誌ID 000000923643
- 実吉捷郎訳『ブッテンブロオク家の人々』河出書房〈世界文學全集 第2期 第20〉1955年8月。NCID BA31849285
- 実吉捷郎訳『ブッテンブロオク家の人々』河出書房新社〈世界文学全集 48〉1961年11月。NCID BN14422887
- 川村二郎訳『ブッデンブローク家の人々』河出書房〈世界文学全集 II-18〉1968年7月。NCID BN05021590
- 望月市恵訳『ブッデンブローク家の人びと(上・中・下)』岩波書店〈岩波文庫〉上 1969年9月、中 1969年10月、下 1969年11月。NCID BN01035582
- 森川俊夫訳「ブデンブローク家の人々 ある家族の没落」 『トーマス・マン 1』新潮社〈新潮世界文学 33〉1971年5月。国立国会図書館書誌ID 000001273108
- 森川俊夫訳『ブデンブローク家の人々』新潮社〈トーマス・マン全集 1〉1972年1月。NCID BN01039754
- 円子修平訳「ブデンブローク家の人々」 『トーマス・マン』中央公論社〈新集 世界の文学 26〉1972年2月。NCID BN05010324
- 松浦憲作訳『マン Ⅱ:ブッデンブローク家の人々』講談社〈世界文学全集 65〉1976年2月。国立国会図書館書誌ID 000001275601