Wikiwand AI

ブリティッシュ・グレナディアーズ

コモンウェルスの作曲 From Wikipedia, the free encyclopedia

ブリティッシュ・グレナディアーズ: The British Grenadiers)は、手榴弾を象徴とするイギリスおよびイギリス連邦の軍隊で伝統的に演奏される行進曲であり、その旋律は17世紀にまで遡る。これは王立砲兵隊(1716年から)、王立工兵隊(1787年から)、名誉砲兵隊(1716年から)、グレナディア・ガーズ(1763年から)、およびロイヤル・レジメント・オブ・フュージリアーズ(1763年から)の連隊のクイックマーチとして採用されている。また、オーストラリア王立砲兵隊ジブラルタル王立連隊カナダ王立砲兵連隊カナディアン・グレナディア・ガーズロイヤル・レジメント・オブ・カナダ、およびプリンセス・ルイーズ・フュージリアーズの公式マーチとしても認可されている。軍楽隊の標準オーケストレーションは1762年に承認され、王立砲兵隊音楽隊 (1557年設立)が正式に認められたときに導入された[1]。1763年には、残る非公式な楽隊も正式な地位を得て、すべての「グレネード(手榴弾)」連隊で使用が認められるようになった。

2017年のトゥルーピング・ザ・カラーで演奏されたブリティッシュ・グレナディアーズ

歴史

旋律の正確な起源は定かでないが、一般的に17世紀初期にさかのぼるとされる。1728年のジョン・プレイフォードの舞曲集には「ザ・ニュー・バース」として登場しており、ヴィクトリア時代の音楽学者であるウィリアム・チャペルも1622年の作品「サー・エドワード・ノウェルズ・ディライト」との関連を示唆している。この論争について最も的確にまとめたのは作曲家のアーネスト・ウォーカーで、彼は1907年に「エリザベス朝の旋律が3世紀を経て発展したもの」と述べている[2]

この旋律はウィリアム3世(1689年-1702年)の治世中に軍用行進曲としてイギリスに導入され、オラニエ公ヨハン・ウィレム・フリーゾーのために書かれたものと類似している。また、ヘンリー・グラットン・フラッドは別の候補として1672年のオランダ行進曲「ウィルヘルムス・ファン・ナッソウエ」を挙げており、これは1568年のフランス版を改作したものであると述べている[3]

ブリティッシュ・グレナディアーズは、特定のグレナディア・ガーズ連隊を指すものではなく、グレナディア兵全体を意味しており、すべてのフュージリアー部隊で使用することが認められていた。この曲は、大同盟戦争中の1695年8月に700名のイギリス軍グレナディア兵がフランス軍の支配するナミュール要塞を攻撃した出来事を記念しているとも言われている[4]。「ザ・グレナディアーズ・マーチ」という曲名が1706年のロンドン出版物で言及されているが、現在知られている旋律と同一かどうかは不明である[5]フランシス・グロスは1786年の著書『Military Antiquities』において、「グレナディアの歌」の一部として「Come let us fill a bumper, and drink a health to those,/Who wear the caps and pouches, and eke the looped clothes(杯を満たして乾杯しよう、帽子と弾薬嚢、そして紐付きの服を着る者たちに)」という2行を引用し、当時すでに「古い歌」として紹介している[6]

この曲は18世紀から19世紀を通じてイギリスおよび北アメリカで広く親しまれ、今日でも人気がある[7]。現在では、毎年行われるトゥルーピング・ザ・カラー式典で、ホースガーズ・パレードにおいてカラー・エスコートが整列する際に頻繁に演奏される[8]。「ルール・ブリタニア」と同様に、この曲は映画やテレビでイギリスの風景や登場人物を示す際、または典型的なイギリス性を表すためによく使われる[要出典]。その人気の高さから、この旋律はしばしば教会音楽など別の歌詞に転用されている[9]

歌詞と旋律

以下の歌詞はスペイン継承戦争(1702年-1713年)まで遡る可能性がある。歌詞の中で、グレナディア兵が手榴弾を投げる様子や、「帽子と弾薬嚢(caps and pouches)」を身につけている兵士について言及されているためである(すなわち、これらの精鋭兵士が着用していた背の高いグレナディア帽[10]や、手榴弾を入れていた重い袋[11]を指す)。また、「loupèd clothes(ループ付きの衣服)」とは、胸の部分に幅広の「レース」飾りを施した上着のことで、初期のグレナディア兵の特徴的な装飾だった[12]


% [[James S. Kerr]]. ''Merry Melodies'', vol. 3, c. 1880's; No. 380, p. 42.
paper { paper-width = 180mm tagline = ##f }
layout { indent = 0 context { Score 
emove "Bar_number_engraver" } }

global = { key g major 	ime 4/4 partial 4 }

dacapo = 
elative c' { g'4 d g a |
  b2 a4 set melismaBusyProperties = #'() slurDotted b8 (c) slurSolid |
  unset melismaBusyProperties d4 g, b8 ([a]) g ([fis]) | g2. }
  
melody = 
elative c' { global set Score.midiInstrument = "brass section"
  
epeat volta 2 { d4 mark markup { musicglyph "scripts.segno" } | dacapo } break
  e'8 e | d4. e8 d4 c | b4. (c8) d4 d | e e d8 ([c]) b ([a]) | g2 (fis4)
  d8 d^"D.S." |
}

verse = lyricmode {
  << { Some talk of Al -- ex -- an -- der, and _ some of Her -- cu -- les }
    
ew Lyrics { of Hec -- tor and Ly -- san -- der, and _ such great names as these. }
    
ew Lyrics { "" tow, row, row, row, row, row, to the Brit -- ish Gre -- na -- diers. }
  >>
  But of all the world's brave her -- oes, there's none that can com -- pare.
  with a
}

score {
  
ew Staff melody
  addlyrics verse
  layout { }
}
score { unfoldRepeats { melody dacapo }
  midi { 	empo 4=144 }
}

Some talk of Alexander, and some of Hercules
Of Hector and Lysander, and such great names as these.
But of all the world's brave heroes, there's none that can compare.
With a tow, row, row, row, row, row, to the British Grenadiers.

Those heroes of antiquity ne'er saw a cannon ball,
Or knew the force of powder to slay their foes withal.
But our brave boys do know it, and banish all their fears,
With a tow, row, row, row, row, row, for the British Grenadiers.

Whene'er we are commanded to storm the palisades,
Our leaders march with fusees, and we with hand grenades.
We throw them from the glacis, about the enemies' ears.[n 1]
With a tow, row, row, row, row, row, for the British Grenadiers.

And when the siege is over, we to the town repair.
The townsmen cry, "Hurrah, boys, here comes a Grenadier!
Here come the Grenadiers, my boys, who know no doubts or fears!
Then sing tow, row, row, row, row, row, for the British Grenadiers.

Then let us fill a bumper, and drink a health of those
Who carry caps and pouches, and wear the loopèd clothes.
May they and their commanders live happy all their years.
With a tow, row, row, row, row, row, for the British Grenadiers.

歴史的用語

1745年の反乱における一場面(1750年ごろに製作)。右側に描かれているのがグレナディア兵で、階級を示す赤い肩章を着けた士官がフュゼーを構えている

この歌には、現在ではあまり使われない、または意味が分かりにくい語がいくつか含まれている[13]

  • フュゼー: グレナディア士官が携行していた短銃で、「フュジル」とも呼ばれる[n 2]。これは、カロデンの戦いの際のハイランド突撃を描いたデイヴィッド・モリアーの絵画にも正確に描かれており、政府軍のグレナディア兵士たちと、その士官がフュジルを手にしている様子が確認できる。
  • グラシ: 堡塁の前面に設けられる滑らかな傾斜土手。大砲の弾を弾く目的で設計されており、防御兵にとっては視界を遮らず射撃範囲を広げる効果があるため、そこに立って手榴弾を投げるのは非常に危険であった。
  • バンパー: 乾杯の際に用いられる酒器。通常はビールなどの酒が満たされている。
  • ループト: 「looped」をスキャンの都合上「ループト」と発音したもので、グレナディア兵の制服に施されたレース飾りのボタン穴、すなわち「ループ状の装飾」を指す。
  • トウ・ロウ・ロウ・ロウ: 兵士の行進を揃えるために使われた太鼓のリズムと拍子を模した表現。

評価と後世への影響

  • アメリカ独立戦争以前の1774年、ジョセフ・ウォーレンは同じ旋律を使って風刺的な愛国歌「フリー・アメリカ」を作詞した。
  • アイルランドの詩人でアイルランド独立支持者だったエドワード・リサグト(1763年-1811年)は、自作のバラード「アイルランド義勇兵の先頭に立った男(The Man Who Led the Van of the Irish Volunteers)」を政治家のヘンリー・グラッタンに献呈した。彼の茶目っ気のあるユーモアに忠実に、この作品でもイギリスの旋律のブリティッシュ・グレナディアーズを使用している。
  • この曲はイグナーツ・モシェレスのピアノ協奏曲第4番作品64(1823年)の終楽章における主要主題として現れる。
  • 1871年、ケンブリッジ大学のガートン・カレッジの女子学生たちは、この曲の旋律に歌詞をつけた「ガートン・パイオニアーズ(The Girton Pioneers)」を作詞し、同大学の最初に三部試験に合格した3名の女性を称えた。
  • チャールズ・アイヴズの管弦楽作品『ニューイングランドの3つの場所』の第2楽章「パトナムズ・キャンプ、レディング、コネチカット」(1912-1916年、1929年改訂)では、この旋律が中心的役割を果たしている。この楽章は、彼の1904年の作品『序曲と行進曲1776』および「カントリー・バンド」マーチを再利用しており、これらも同じ旋律を使用している。
  • 1966年、電子音楽の先駆者であるマックス・マシューズは、分析と補間のプロセスを通じて、この行進曲をアメリカの行進曲「ジョニーが凱旋するとき」に変換した。
  • ロンドンのチェルシー科学技術カレッジ(現: ロンドン大学)で生化学を教えていた教授のハロルド・バウムは、学部のクリスマスパーティーのために、この曲の旋律に合わせて歌う歌詞を作成した。その中には、解糖系を歌詞にした「In Praise of E. M. P.」などがあり、ハンス・アドルフ・クレブスの序文を付した曲集が1982年にパーガモン・プレスから刊行された。
  • バーゼルのカーニバルでは、この旋律は行進曲「アラビ(Arabi)」の最初の節として知られている。
  • 1944年に公開されたユニバーサル・ピクチャーズ製作映画『シャーロック・ホームズと緋色の爪』では、登場人物のポッツ(演: ジェラルド・ヘイマー)がこの歌の冒頭部分を歌う場面がある。
  • クライストチャーチ・モスク銃乱射事件の際、犯人のブレントン・タラントの車内でこの曲(および「Serbia Strong」)が流されていた[14][15]

脚注

関連項目

外部リンク

Related Articles

Timelines

Top Qs

Fact Checks