図2. プリズムコンプレッサーの光学系
図3. A = 100 mm, θ = 55、α = 10°での光路長のグラフ;. B の値によって、線の色を変えている。, B = 67.6 mm は、屈折率 が1.6でビーム が両方のプリズムの先端を通過することを意味する。 (グラフの色は、図1の波長の色とは対応していない。)
可視光 を透過するほとんどの材質は正の分散を持ち、波長が長いほど屈折率が小さくなる。これは長波長成分ほどその材質を速く通過することを意味する。プリズムコンプレッサーにおける正の分散は、長波長成分が二つ目のプリズムでより長い距離を移動する事で相殺される。短波長成分は空気中を長距離移動するので、デリケートな調整を要する。
光学系を慎重に設計する事で、他の光学機器で発生した正の分散を補正する負の分散を作り出せる(図3)。プリズム2を移動させる事で、コンプレッサーの分散を正(青線)負(赤線)双方に調整可能。P2の移動は光線から外れない範囲に限られるため、負の分散の範囲は比較的狭い。
BK7 のような一般的な物質の屈折率は、超短パルス で可能な数十ナノメートル以内の波長ではほとんど変わらない。実用的な大きさでは、光路長のずれにして数百マイクロメートル しか補償できない。しかし、 SF10 , SF11 のような屈折率の大きい結晶を使うことで、補償できる光路長は数mmになる。この技術は、チタンサファイア結晶の補償の為にフェムト秒レーザーの中で使われ、また、他の物質による分散の補償にも使われる。またプリズムコンプレッサー自体で高い分散を作ることも可能で、超短パルス長の調節や、位相歪みの補正に用いられる。MIIPS は、自動で高い分散を測定、補償できるパルス整形技術の一つである。