プリズム輪舞曲
日本のWebアニメ作品
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あらすじ
物語の舞台は1900年代初頭のイギリス・ロンドンである。画家を志して日本から海を渡った主人公・一条院りりは、現地の名門美術学院に入学する。そこでりりは、天才的な美術の才能を持ちながらも、謎めいた雰囲気を纏う青年、キット・チャーチと出会う。
登場人物
- 一条院 りり(いちじょういん りり)
- 声 - 種﨑敦美[1]
- 本作の主人公で、画家を目指して日本からロンドンへ留学してきた女性である[1]。性格は非常に明るく元気であり、周囲を惹きつける活力を持っている 。異国の地で様々な困難に直面しながらも、自身の夢に向かって邁進する。
- キット・チャーチ
- 声 - 内山昂輝[1]
- ロンドンの美術学院に通う青年で、周囲からは天才画家と評されている。極めて優れた美術的才能を有する一方で、性格はぶっきらぼうであり、初対面の相手とコミュニケーションを取ることを苦手としている。しかし、りりと出会ったことで、その内面に少しずつ変化が生じ始める。
- ドロシー・ブラウン
- 声 - 潘めぐみ[1]
- 小早川 新之助(こばやかわ しんのすけ)
- 声 - 梶裕貴[1]
- りりと同じく日本からやってきた留学生である。非常に真面目かつ優秀な学生であるが、異国の地で多くの秀才に囲まれる環境に対し、内心では強い不安や緊張感を抱いている。
- ジョフリー・オブライエン
- 声 - 阿座上洋平[1]
- ピーター・アンソニー
- 声 - 坂田将吾[1]
- キャサリン・アスター
- 声 - 上坂すみれ[1]
- 小早川 さくら(こばやかわ さくら)
- 声 - 鬼頭明里[1]
- チャールズ・ブラント
- 声 - 大塚芳忠
- リチャード・チャーチ
- 声 - 諏訪部順一
- 一条院たけ(いちじょういん たけ)
- 声 - 甲斐田裕子
製作
| 原作・キャラクター原案 | 神尾葉子 |
|---|---|
| 企画・プロデュース | 櫻井大樹、和田丈嗣 |
| ディレクター | 中澤一登 |
| 2ndディレクター | 髙橋哲也 |
| 3rdディレクター | 藤井咲 |
| 脚本 | 神尾葉子、藤井咲 |
| キャラクターデザイン | 高橋靖子 |
| サブキャラクターデザイン | 簑輪愛子 |
| 色彩設計 | 田中花奈実 |
| 美術監督 | 竹田悠介 |
| 撮影監督 | 野澤圭輔 |
| 編集 | 石井知 |
| 音楽 | 千葉"naotyu-"直樹 |
| 音響監督 | 鐘江徹 |
| 音響効果 | 倉橋裕宗 |
| 音楽プロデューサー | 山村涼 |
| プロデューサー | 大谷丞 |
| アニメーションプロデューサー | 吉信慶太 |
| 制作協力 | CUE PINE JAM[注 1] |
| 制作 | WIT STUDIO |
企画経緯
本作の企画は、配信開始から約5年前となる2021年頃に始動した[5]。企画・プロデュースを担当した櫻井大樹が、原作者の神尾葉子へTwitter(現X)のダイレクトメールを通じて連絡を取ったことが発端となった[5]。神尾は当初、この連絡に対して困惑したが、その後の面会において櫻井から「1900年頃のイギリスへ日本人の女の子が一人で渡っていく少女漫画的な物語」という提案を受け、2時間後には企画への参画を快諾した[6]。神尾の執筆速度は極めて速く、面会の翌週には主要登場人物である一条院りりやキット・チャーチの名称を含むプロット、あるいは脚本に近い資料が提出された[5]。櫻井によれば、その後は毎週のように打ち合わせが重ねられ、神尾は周囲の提案を肯定的に受け入れつつ、自身の意図に沿う内容を精査しながら制作を進めたとされている[5]。
脚本・作品コンセプト
脚本は神尾自身が全20話分を執筆しており、それを監督チームがアニメーションの尺や描写に合わせて脚色する手法が採られた[6]。クレジット上は3rdディレクターの藤井咲が脚本として名を連ねているが、これは実質的に絵コンテに合わせたリライトおよび脚色を担当したものである[6]。
制作時期がコロナ禍と重なっていたことから、社会情勢を鑑みて視聴者が明るい気持ちになれるよう、主人公の性格を快活に設定することにこだわったという[5]。神尾によれば、本作のテーマは「自分の好きなことを貫く女性像」であり、女性の社会進出が困難であった時代において主人公がどのように生きるかを描くことに主眼が置かれている[6]。
作品の方向性について、神尾は自身の代表作である『花より男子』との共通点として、徹底したキャラクター造形や、活力のある女性像と魅力的な男性像の対比を挙げている[5]。一方で、従来の少女漫画が恋愛を主軸に置くのに対し、本作では夢を追う若者たちの成長と人生そのものを描き出すことに主眼が置かれており、ジャンルとしての進化を目指したと述べている[5]。
舞台設定の選定にあたっては、櫻井は当初フランスを提案していたが、神尾がプライドと偏見のようなイギリス貴族と日本人の少女の恋愛を描きたいという強い希望を示したことから、イギリスが舞台に選ばれた[6]。櫻井は、共和制のフランスよりも貴族制度が残るイギリスの方が作品のコンセプトに適しているという神尾の指摘を受け、この判断を支持したと述べている[6]。
また、タイトルの選定に関しては、神尾が提案した「プリズム」という単語に対し、物語の舞台であるロンドンに因んでNetflix側の担当者が「
制作体制
アニメーション制作はWIT STUDIOが担当し、中澤一登が監督を務めた[5]。本作は中澤のほか、2ndディレクターおよび3rdディレクター(藤井咲)を置く特殊な3人体制で制作が進められた[6]。WIT STUDIOのアニメーションプロデューサーである吉信慶太は、同社への入社以来、少女漫画を原作とした作品の制作を希望しており、本プロジェクトの浮上によりその構想が実現する形となった[2]。
中澤は制作スタッフの意見を積極的に取り入れる方針を採っており、スタッフが神尾の脚本に対してキャラクターへの感情移入から異論を唱えた際、神尾がそれに応じてフレキシブルに脚本を修正することもあった[6]。神尾は、基本的に単独作業となる漫画執筆とは異なり、集団で作り上げていくアニメーション制作の過程に大きな刺激を受けたと述べている[6]。
中澤は本作を制作するにあたって、文字情報の行間をいかに映像で補完するか、および神尾の描く繊細な絵の雰囲気をいかに再現するかという点に注力した[5]。作画工程においては、制作の途上で神尾が漫画執筆に使用する丸ペンやGペンの質感を再現する手法が確立された[5]。これを受け、中澤はクオリティの統一を図るため、既に撮影を終えていた第4話から第5話までの素材をすべて破棄し、再撮影を行う決断を下した[5]。
美術背景についても、当初は絵画的な柔らかいタッチが予定されていたが、制作が進むにつれて重厚な背景美術が制作されるようになり、最終的には後半話数の背景がすべて一枚の絵画に匹敵する密度で仕上げられた[5]。なお、劇中でキャラクターが描く絵画の約8割は、中澤自身が作画を担当している[5]。
キャスティング
キャスティングにおいては、神尾、中澤、櫻井らによるオーディションが実施された[7]。小早川新之助役の梶裕貴については、神尾が強く希望したことにより起用が実現した[5]。梶は中澤が監督を務めた『B:The Beginning』に出演した経験もあり、本作への参加に強い意欲を持って臨んだと述べている[5]。また、一条院りり役の種﨑敦美やキット・チャーチ役の内山昂輝をはじめ、主要キャストには実力派が揃えられた[6]。
神尾は全20話のアフレコ収録すべてに立ち会っており、現場での演技に感銘を受けて涙を流すこともあったという[7]。収録現場において神尾が直接的な演出を行うことはなかったが、キャラクターの感情の解釈についてスタッフから判断を求められた際には、原作者の立場から助言を行っていた[7]。また、神尾は制作スタッフへ自作のデザインTシャツを贈るなど、制作チームの結束を高める役割も果たした[5]。
主題歌
- 「star flower」
- Chilli Beans.作詞・作曲・編曲による主題歌[1]。
各話リスト
| 話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 |
|---|---|---|---|---|---|
| #01 | 黒パンと虹色の希望 |
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| #02 | 曇るこころはブルー | 中澤一登 | PENNY |
| 簑輪愛子 |
| #03 | その花の名はリリ | 髙橋哲也 |
| 高橋靖子 | |
| #04 | 彼のエスキース | 中澤一登 | 播田翔一 |
| 簑輪愛子 |
| #05 | ハニーゴールドのそれぞれの夏 | 髙橋哲也 | PENNY |
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| #06 | この世界はアシンメトリー | 中澤一登 |
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| - |
| #07 | 紅いバラには棘がある | 笹原嘉文 |
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| #08 | 幼なじみの遠近法 | 髙橋哲也 | 千葉茂 |
| 簑輪愛子 |
| #09 | 才能と努力のグラデーション |
| 橋本有加 |
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| #10 | 輪郭はトライアングル | 筑紫大介 |
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| #11 | セピア色のポートレイト | 髙橋哲也 | 播田翔一 |
| 簑輪愛子 |
| #12 | 二人の距離の黄金比 |
| ありもとじろう |
| 中澤一登 |
| #13 | 喜びと哀しみのコラージュ | 笹原嘉文 |
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| #14 | さよならの海 | - |
| - | |
| #15 | 嵐のクロスロード | 髙橋哲也 |
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| #16 | 心のキュピズムは無彩色 | 中澤一登 | 橋本有加 | 張紹偉 |
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| #17 | 波間に消えた告白 |
| 千葉茂 |
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| #18 | 五年後のエンゲージリング | 髙橋哲也 |
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| #19 | 運命が描くドローイング | 中澤一登 | 播田翔一 |
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| #20 | プリズム・ロンド |
| 藤井咲 | 中澤一登 | - |