ベビーホテル
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高度経済成長期の1970年代後半に、手軽に利用できることからも大都市を中心に急増した。乳幼児の発達保障の場というよりも、営利を優先することから環境面に不備も多く、事故が発生するなど社会問題にもなった[1]。2014年、宇都宮市の認可外保育施設「託児室トイズ」で宿泊保育中だった生後9ヶ月の女児が死亡、施設では虐待が常態化していた[3]。2016年7月、水戸市のベビーホテルでの生後7ヶ月の女児のうつぶせ寝での窒息死事故[4]。
これらのベビーホテルの諸問題は、TBSテレビ(当時東京放送テレビ局)の首都圏ローカルで放送されたニュースショー・『テレポートTBS6』において集中的に特集放送[5]され、問題提起された(のちに1981年度のJCJ(日本ジャーナリスト会議)賞・正賞[6]、日本新聞協会賞[7]、放送文化基金賞、日本民間放送連盟賞を受賞する)。1981年5月、日本弁護士連合会は、会長名でベビーホテル問題について乳幼児の生存権(成長発達権)に対する侵害であり、公私立の認可保育所、乳児院を増設し、保育時間を延長し夜間保育体制を整備して乳幼児を収容するなど、恒久的総合的対策を講ずるべきとの声明を出した[8]。
こうした事態を受けて、1981年、施設への一斉点検、指導を実施。同年児童福祉法が一部改訂され、認可外保育施設への立入検査、指導監督が行われるようになり、特に問題点の多いベビーホテルについては重点的に調査を行うようになった。また、2002年の改訂では、改善勧告や移転勧告に応じない場合の行政処分が強化され、その後、すべてのベビーホテルに年1回の立入検査が義務付けられることになった。2019年現在で、認可外保育施設は、全国に12,027ヶ所あり、そのうちベビーホテルは1,261ヵ所である[2]。厚生労働省の2019年の地域児童福祉事業等調査結果によると、1歳児~3歳児の割合が多く、主に低年齢の子どもたちが中心にベビーホテルを利用している。[9]
参考資料
- 大江まゆこ「夜間保育施設に求められる家庭支援」(Child Research Net)前編 2020年4月10, 17日 https://www.blog.crn.or.jp/lab/01/128.html/ 後編 2020年4月17日 https://www.blog.crn.or.jp/lab/01/129.html
- 河嶋静代『ベビーホテルと児童家庭問題 1970年代~1990年代の新宿区の状況』法政出版 2000年 ISBN-13 : 978-4894411708