ベンジジン

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ベンジジン: benzidine)は、芳香族アミンの1種。IUPAC名は4,4'-ジアミノビフェニル。別名ベンチジン

概要 物質名, 識別情報 ...
ベンジジン
Skeletal formula of benzidine
Ball-and-stick model of the benzidine molecule
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.002.000 ウィキデータを編集
EC番号
  • 202-199-1
KEGG
RTECS number
  • DC9625000
UNII
国連/北米番号 1885
CompTox Dashboard (EPA)
性質
C12H12N2
モル質量 184.24 g/mol
外観 灰黄色、赤みがかった灰色、または白色の結晶性粉末[1]
密度 1.25 g/cm3
融点 122 - 125 °C (252 - 257 °F; 395 - 398 K)
沸点 400 °C (752 °F; 673 K)
0.94 g/100 mL at 100 °C
磁化率 −110.9·10−6 cm3/mol
危険性
労働安全衛生 (OHS/OSH):
主な危険性
発がん性
GHS表示:
急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性水生環境への有害性
Danger
H302, H350, H410
P201, P202, P264, P270, P273, P281, P301+P312, P308+P313, P330, P391, P405, P501
NIOSH(米国の健康曝露限度):
PEL
職業性発がん物質[1]
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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性質

純粋なものは常温で白色の固体であるが、空気および光で容易に酸化され暗赤色を呈する。水にほとんど溶けないが、塩酸塩(CAS 531-85-1)は可溶である。

国際がん研究機関によってヒトに対する発癌性が認められている[2]

合成

ベンジジンはニトロベンゼンから1,2-ジフェニルヒドラジンを合成し、これを酸によって転位反応させると得られる。この反応はベンジジン転位と呼ばれており、置換体も同様の反応で得られる。

用途

ベンジジン自体の発がん性が確認された後も、ベンジジンを利用した製品には発癌性はないとして化学染料の原料などに盛んに利用されてきた。しかしベンジジンを利用した製品自体にも特徴的な発癌性(膀胱癌)が確認されるようになり[3]、1970年代以降、産業的利用は大幅に制限を受けることとなった(後述)。

アニリントルイジンと同様に、亜硝酸ナトリウムによってアゾ化合物(テトラゾニウム)としてからカップリング反応させ、不溶性の顔料の合成に利用された[4]。現在でも置換体の3,3'-ジクロロベンジジンはPigment Yellow 83などのジアリライド顔料の骨格として利用されている[5]

ほかにゴムやプラスチックの合成に使われたり、酸化還元指示薬として、血液過酸化水素ニコチンなどの検出に用いられていた[2]

法規制

1960年代以降、ヒトに対する発癌性、特に膀胱癌を引き起こすことが明らかとなったため、各国の政府によって取扱いが厳しく規制されている。日本では1972年労働安全衛生法によって試験研究用途以外での製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止されている。ほかに製造を禁止している国として、EUカナダ韓国がある[2]

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、ベンジジンに関するメディアがあります。

脚注

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